キュウセン(ギザミ) / ホンベラ /ササノハベラ  

釣る

キュウセンは,ベラの仲間では最も普通の種類です。上が青ベラ(オス),下が赤ベラ(メス)ですが,瀬戸内地方では一般に「ギザミ」と呼びます。投げ釣りではシロギスの外道扱いですが,引き味はシロギスより強く,特に秋に釣れる20cmオーバーの良型は,引き味・食味ともかなりのものです。かぶせ釣りでも,中層のエサ取りとしてよくヒットしてきます。ただしハリ掛かりするのは結構難しい。釣れたら当然持ち帰って,おいしくいただきます。なお,下左の写真はホンベラです。キュウセンのオス(青ベラ)とよく似ていますが,体長は10cm前後と小さく,藻の多い岩場などで多く見られます。右はササノハベラ。備後地方では意外に少なく,これは先日初めて因島で釣ったものです。

食べる

キュウセンは関東では外道扱いですが,関西では惣菜用の魚としてスーパーでも売られています。以前地元の料理屋で,この魚の塩焼きに1尾1,800円の値がついていました。秋に釣れる大型は特に美味で,刺身にして食べると「これがベラか?」と驚くほどの味です。塩焼きにせよ唐揚げにせよ,大型ほど美味しいと思います。食わずぎらいの人は,ぜひ一度賞味してみてください。なお,ホンベラ,ササノハベラ,オハグロベラなど,キュウセン以外のいろんなベラも食べてみましたが,いずれもキュウセンに比べるとかなり味が落ちるようです。