カタクチイワシ/マイワシ 

釣る

瀬戸内の波止釣りの代表的な魚種の一つ。釣期は初夏と晩秋がよく,年によっては正月を過ぎても釣れることも。サビキ釣りで狙います。備後地方で最もポピュラーな仕掛けは,ママカリサビキ5〜6号に底カゴをつけたもの。ハリの号数が小さすぎるとバラシが多くなります。サビキにはサシアミなどのエサはつけず,擬似バリだけで釣ります。群れに当たれば100尾くらいは軽く釣れますが,あまり釣りすぎると調理が面倒。

なお,カタクチイワシを釣っているとよくマイワシが混じります。右の写真の上がカタクチイワシ,下がマイワシ。マイワシは平べったい体型をしており,口が小さいので一見して区別できます。また,イワシが波止に群れているときは,これを狙って大型魚(スズキ・ヒラメ・マゴチ・タチウオなど)も寄って来ます。イワシ釣りに飽きたら,生きたまま鼻掛けにしてブッコミ釣り(ハリス2〜3号・チヌバリ3〜4号)をすると,思わぬ大物が釣れることがあります。

食べる

カタクチイワシを広島地方では「小イワシ」と呼びます。小イワシの刺身・天ぷらは,カキに次ぐ広島の名物料理(最近は品薄で千葉あたりから運んでくることもあるそうですが)。新鮮な小イワシの刺身をショウガ醤油で食べると,日本酒の肴に最高 --- と言われています。確かに,本当に美味しい小イワシは,食感が「シャキシャキ」あるいは「シコシコ」という感じで,美味です。ただしぼく自身は,小イワシの刺身をを食べて本当に「うまい」と思うことはたまにしかありません。調理法に問題があるのか,釣って帰った新鮮なものでも,肉質にあまり締りが感じられないので・・・。なお,カタクチイワシに混じって釣れるマイワシやママカリ(サッパ)は,ふつう刺身では食べません。刺身で食べられるのはカタクチイワシだけです。