マゴチ

釣る

秋にキスの投げ釣りをしていると,強烈な当たりがきてハリスを切られることがあります。エソとは全然違う引きなので,たぶんこれがマゴチだろうと思うんですが・・・投げ釣りで釣り上げたことは数回しかありません。瀬戸内では,一般には虫エサやボケなどの投げ釣りでたまに釣れる程度です。小アジなどの生きエサで専門に狙う人も時にいますが,なかなか思うようには釣れません。東北あたりの海水浴場でルアーで釣っているのをTVで見ると,実に羨ましい。それにしても,釣れたマゴチをリリースするなど,魚好きには考えられないことです。

食べる

話は変わりますが,クイズを一つ。海の魚で「洗い御三家」とは?--- もちろんそんなの誰が決めたわけでもありませんが,個人的な答えを言うと,ボラ・スズキ・マゴチです。これらの魚は,洗いで食べた方が美味しいから洗いにする,というわけでは必ずしもないと思うんですよ。ボラの場合は脂っけを抜いてさっぱりさせるという理由もあるでしょう。スズキとマゴチの場合は,夏に出回るので清涼感を盛り上げるという要素が大きいのでは。また,三者とも食感をよくするという意味合いもあるでしょう。でも,よく考えてみると,これらの魚には共通点があります。それは,東京湾のような(言っちゃ悪いけど)あまりキレイでない海でも獲れる,ということです。昔の江戸前の海はきれいだったから関係ないんでしょうけど,これらの魚を洗いにするのは,「汚れを落とす」という儀式的な意味があるような気も何となくするわけです。スズキ・マゴチについては,洗いで食べる必然性はありません。特にマゴチは,普通の刺身で十分食べられます(さばくのが難しいですが)。

今のマゴチはわりに高価ですが,むかしは普通の惣菜魚だったように思います。子供の頃,よく煮付けで食べてました。百合根のように心地よく身がはがれ,肉質はとても締まりがあって,煮付けで食べる魚としては相当にいい味だと思います。また,夏場は湯引きにしたのを冷やして,酢味噌か梅肉和えで食べるのも美味。