マダコ/イイダコ 

釣る

備後地方で釣りの対象になるタコは,マダコ・イイダコ・テナガダコの3種だと思います。写真は左がマダコ,右がイイダコです。マダコは大きいものは2kg以上になりますが,テナガダコとイイダコはあまり大きくなりません。テナガダコは文字どおり足が非常に長く,イイダコは全体に白っぽい色をしています。

釣り方は,ふつうはタコテンヤを使います。タコはカニが好物なので,カニを模した擬似をつけたプラスチックのテンヤも売ってますが,秋にスーパーなどに出回るイシガニを冷凍しておいて使うのが一番でしょう。イイダコの場合は白やパールの球形のテンヤが一般的で,タコベイトなど目立つアクセサリーをつけるとなおよい,とされています。

波止でのかぶせ釣りでは,タコも対象魚の一つとなります。一般にタコ釣りでは,テンヤに白い疑似餌(ブタのアブラ身・ラッキョウ・瀬戸物のかけらなど)をつけます。このことからもわかるとおり,タコは白いものに興味を示す習性があります。だから当然,カキの白い身にも寄ってくるわけです。写真のタコは真冬に釣り上げたものですが,冬場にこんなお土産ができると,もう釣りを切り上げて早く帰りたい,という気分になります。

ところで,タコも他の魚と同様に釣り場で締めて帰りたいもの。締め方は,両方の目の中央にナイフを当て,グリグリ差し込むと締まる・・・はずなんだけれども,これが難しい。ツボに当たらないとなかなか締まらないので,いつも5分くらいかかります。うまく締まると足の先からすーっと白くなってダラーンとしてくるのでわかります。

食べる

3種のタコを私個人の好みの順に並べると,テナガダコ・マダコ・イイダコとなります。テナガダコは肉質が柔らかく,歯の弱いお年寄りでも食べられます。また,マダコの頭は食べられませんが,テナガダコとイイダコは頭も食べられます。私の地方では,マダコは「キコリ」とも言います。

一般にタコの調理法は,塩でよくもみ洗いして,まず刺身。次にしゃぶしゃぶ。チャレンジはしてみたものの,素人の腕じゃどうも料理屋のような味にはなりませんな。包丁の切れが悪い!まず皮をはぐのが一苦労。次に,薄くそぎ切りに・・・できませ〜ん。ということで,普通のゆでダコに。これがまたデリケート。何度も塩でもみ洗いしてヌメリを取ったら,スリコギなどで足をよくたたきます(これをやらないと身が固くて食べられないことが多いので)。最後に沸騰した湯に足から入れるわけですが,1kgにつき1分くらいの目安でゆでるのだそうです。うまくいくと,外は固く中は半生で柔らかく仕上がります。ゆですぎると身が固くなってしまい,食感が悪くなります。味つけは,私の場合は酢醤油がちょっと苦手で,辛子酢味噌が一番好きです。面倒なときはチューブの練り辛子を醤油で溶いていただきます。