数日前,以前渡船でお世話になった瀬戸田の新畑(しんばた)さんから電話をもらった。
NHKの「お好みワイドひろしま」の取材に協力してほしい,とのこと。
この番組に出るのは,これが3度目になる。
放送は7月22日の夕方5時過ぎから(生放送)。
場所は,瀬戸田のサンセットビーチ。
瀬戸田町を紹介する特集番組の中で,「瀬戸田では釣りも楽しめる」とアピールするのだそうだ。
今回の企画はちょっと変わっている。
ふかせ釣り・ダンゴ釣り・落とし込み釣り・かぶせ釣りの4種類の釣り師を集めて,
同じ釣り場で並んで竿を出し,誰が一番釣れるかを競う「釣り合戦」を行うという。
しかも,ターゲットはチヌ。
「生放送でチヌを釣る」という都合のいい話がそうそう成功するとは思えない。
企画はNHKが出してきたようで,新畑さんも「放送中に釣るのはまず無理でしょう」と言う。
そこで,番組が始まる前に各自好きな場所でチヌを釣っておこう,ということになった。
この日はあいにく満潮が朝の4時ごろで,その前後しかチャンスはなさそう。
で,「垂水港(取材場所の隣)に朝の3時半に集合」というとんでもないスケジュールとなった。
前夜は,酒も控えて10時に就寝。
目覚めたのが夜中の2時半。
自宅近くのコンビニで食糧を買い,瀬戸田へ車を走らせる。
天気は曇りのようで,幸い降水確率は低い。
ギラギラの日差しの下で一日中竿を出すような体力は,既にない。
できたら朝一番でチヌを釣って,昼間は砂浜に寝っころがって休みたい。
もっとも,この時期にかぶせ釣りでチヌを釣ったことはほとんどなく,たまたまテレビ取材の日に
運良くチヌが釣れるという可能性はまずゼロに等しい。
唯一の希望は,新畑さんがイカダに渡してくれることになっていることだ。
ダンゴではチヌが釣れている,という。
3時半,港に到着。
全員集合ではなく,落とし込み釣りの人と二人で別々の場所へ渡してもらえるらしい。
その落とし込み釣り師さんは・・・なんと,あの有名な「夢二尺」の藤原組長さん!
顔写真はしょっちゅう雑誌などで拝見しているが,実際に会うのは初めて。
後で聞いて知ったが,今日は自分を除いて錚々たるメンバーが集まっていた。
組長さんと二人で新畑さんの渡船に乗り,行程30分ほどの釣り場へ。
組長さんは大島の波止へ行くということで,こちらは先にイカダへ降ろしてもらった。
場所は全然知らないところで,伯方島か大島の近くと思われる。
まだ薄暗く釣りができる状態ではないので,クーラーから取り出したパンをかじりつつ
夜明けを待つ。5時を回ってようやく竿が出せる明るさになってきた。

このイカダはタタミ2〜3畳分くらいの広さで,釣りの定員は1名だろう。
もともと養殖イカダだったが使わなくなったものだという。
目の前数十メートルほどのところに,養殖イカダが浮かんでいる。
このイカダの上で毎朝魚にエサをやるので,その時間帯がチャンスらしい。
イカダで釣るのは久しぶりだ。見た感じ下は砂地のようなので,コブダイはおるまい。
1.8mイカダ竿に道糸3号・ハリス2号・チヌバリ3号の仕掛けを選択した。
潮は,かなり速く沖へ向けて流れている。
第1投。サシエは数m流されるが,着底しないほどではない。
水深は7〜8mくらいで,思ったより浅い。
開始早々に当たりがあり,アナゴが釣れた。
しかしその後はエサ取りの当たりもなく,時間が過ぎていく。
6時ごろ,潮が緩んだ。
ちょうどその頃,目の前の養殖イカダに船が着いて,エサを撒き始めた。
よっしゃ!今がチャンス!この時間帯で釣れなんだら,今日はもうアウト!
・・・しかし,魚の反応はなし。
しばらくして,竿をあおったときズシッと重みが伝わって,食べごろサイズのマダコが釣れた。
さらに,明確な当たりがきたが,釣れたのはリリースサイズのコブダイ。
一応,釣れた魚は全部スカリに入れておいたが,結局それ以外は何の当たりもないまま
今度は逆方向に猛烈に速い潮が流れ出してギブアップ。

8時前ごろ,新畑さんが組長さんと一緒に迎えにきた。
あちらは,30cm級のチヌを1枚ゲットしていた。
最初に貝を使ったのが失敗で,カニを使っていたらもっと釣れていた,とのこと。
イカダの方はこれ以上粘っても見込みはなさそうなので,港へ戻ることにした。
帰り支度をしていたら,新畑さんの携帯が鳴った。
大三島の瀬戸港で竿を出していたふかせ釣り師さんが,45cm級のマダイを釣ったとのこと。
船を回してそのマダイを受け取り,8時半ごろ垂水港へ戻った。