2013/3/9 up

大人の英文法−008  時制と相  

 

007で「時制には現在時制と過去時制しかない」と説明しました。

「では,現在進行形や現在完了形は時制ではないのか?」という疑問が沸きますね。

オーソドックスな文法理論では,これらは次のように説明します。

時を表す動詞の形には,時制(tense)と(aspect)という2つの概念が適用されます。

両者は次のように定義されます。

・時制=発話の時点から見て出来事がいつ起きたかを表す形

・相=基準時(時の流れの中の1点)において出来事がどのように進行しているかを表す形

動作や状態が基準時に完了していれば「完了相」を,継続していれば「進行相」を使います。

たとえば基準時が過去であり,その時点で出来事が継続していれば,過去時制の進行相

(=過去進行形)が使われることになります。

eatを例にとって形の違いを示すと,次のようになります。

 

進行相

完了相

完了進行相

現在時制

is eating

have eaten

have been eating

will be eating

will have eaten

will have been eating

過去時制

was eating

had eaten

had been eating

このように,時制と相は組み合わせて使うことができます

また,準動詞(不定詞・分詞・動名詞)は時制を持ちませんが,相との組み合わせは可能です。

だからto be eating(進行相の不定詞)のような形が作れるのです。上の表の真ん中の列では,

willのほか can,may,should などを使う形も作れます。これらはすべて現在時制の助動詞です。

だから will be eating を「未来進行形」と呼ぶのは,あくまで便宜的な説明にすぎません。

 

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