2013/3/17 up

大人の英文法−017  未来を表す形  

 

007 時制とは」で説明したとおり,英語の時制には現在時制と過去時制しかありません。

たとえば speak の過去形は spoke ですが,「speak の未来形」は存在しません。

そこで未来の内容を表したいときは,時制(=時を表す動詞の活用形)以外の文法

ルールを使います。主なものは次の5つです。ニュアンスの違いに注意してください。

(1) will+動詞の原形

He will move next month. (彼は来月引っ越すだろう)

*話し手の(現時点での)推量を表します。彼自身が来月引っ越そうと

思っているとは限りません。

(2) be going to+動詞の原形

He is going to move next month. (彼は来月引っ越す予定だ)

*彼自身の予定を表します。直訳すれば「彼は引っ越しする方へ

進んでいる」。

(3) 現在進行形

He is moving next month. (彼は来月引っ越す予定だ)

*「彼は今引っ越しの準備を進めている」という感じ。

(4) 現在形

He moves next month. (彼は来月引っ越す(ことになっている))

*カレンダーなどで確定した予定を表します。

(5) be動詞+不定詞

He is to move next month. (彼は来月引っ越す予定だ)

*「引っ越す方へ向かっている→引っ越すことに決まっている」という感じ。

英語には未来時制(未来形)がないので,未来の内容を表すにはこのように

さまざまな表現で代用する必要があるわけです。

本質的なことを言えば,未来のことを確定的に語ることができるのは神様だけです。

人間が未来のことを語ろうとすれば,「今の時点」を基準にして「未来ではこうなる

だろう」という言い方しかできません。どの表現を使おうと,話し手の視点は「現在」

に置かれていることに注意してください。厳密な意味で時制を定義づけるなら,

上の(1)〜(5)の文はすべて「現在時制の文」です。(1)の will は,法助動詞 will の

現在形だと考えることができます。(will の過去形は would。未来形はありません)

 

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