2013/4/6 up

大人の英文法−029 「文型」とは

 

学校文法で言う「5文型」とは次のようなものです。

第1文型=SV

Puppies bark. (子犬はほえる)

   S        V

第2文型=SVC

Puppies are cute. (子犬はかわいい)

     S     V     C

第3文型=SVO

I  like puppies. (私は子犬を好む)

S  V       O

第4文型=SVOO

My uncle gave me a puppy. (おじは私に子犬をくれた)

      S       V    O      O

第5文型=SVOC

My puppy makes me happy. (私の子犬は私を楽しくさせる)

      S         V     O    C

S・V・O・Cとは,それぞれの語句(のかたまり)の「文中での働き」の分類です。

S(主語)=主題[何について語る文なのか]を表す語句

V(述語動詞)=述部[主題について語る部分]の中心となる語句

O(目的語)=動詞が表す動作などの働きを受けるものを表す語句

C(補語)=SまたはOを補足説明するための語句

上記は一応の定義ですが,ざっくり言えばSは「〜は」,Vは「〜だ」「〜する」,Oは「〜を」

という意味を主に表す要素です。Cは基本的には「be動詞の後ろに置ける要素」です。

016 品詞と文の要素の関係 で示した表を再掲しておきます。

文の要素

S(主語)

V(述語動詞)

O(目的語)

C(補語)

修飾語

品詞

名詞

代名詞

動詞

名詞

代名詞

名詞

形容詞

形容詞

副詞

 

たとえば上の第5文型の例文(My puppy makes me happy.)では,Cの位置に形容詞(happy)

が置かれています。この文は「私の子犬は[私が楽しい(I am happy)」状態を作る」と考える

ことができます。

別の角度から考えると,文型とは「同じ語法を持つ動詞をグループ分けしたもの」です

たとえば「第4文型で使う動詞には,give,lend,show,tell などがある」と言うとき,

これらの動詞はすべて「SVOOの形で使える」という共通点を持つことになります。

要するに文型とは,動詞の分類方法の一種です。


 

学校文法では以上のことを知っておけば十分でしょう。ここではさらに進んだ話もしておきます。

今日のオーソドックスな英文法では,5文型ではなく7文型または8文型の分類が主流です。

たとえば「ジーニアス英和辞典(第4版)」(俗にG4と言います)では,冒頭の解説中に

「動詞の文型は7文型を基本とする」とあります。

5文型と7文型を対応させると,第1文型(SV・SVA),第2文型(SVC),第3文型(SVO・SVOA),

第4文型(SVOO),第5文型(SVOC)となります。従来の5文型にないのはSVAとSVOAで,

次のような文がそれに当たります。

He lives in Yokohama. (彼は横浜に住んでいる)

   S    V        A

He put the key on the table. (彼は鍵をテーブルの上に置いた)

   S   V       O         A


Aとは「副詞的修飾語(句)」のこと。これらの文は,Aの要素を取り除くと意味をなしません

(つまりAが新情報です)。たとえば He lives.(彼は住んでいる)では何のことがわかりませんね。

したがってAは文構造上の必須要素であり,「省略できる修飾語(句)」とは考えないわけです。

次の2つの文を比べてみましょう。

(a) The writer lived in London. (その作家はロンドンに住んでいた)

           S        V       A

(b) The writer died in London. (その作家はロンドンで死んだ)

           S        V     修飾語


(a)の in London は省けないのでAですが,(b)はThe writer died. だけでも意味が通じるので,

in London を修飾語と考えます。よって(a)はSVA,(b)はSVです。

【参考】Aは advervial(副詞類)の頭文字から。G4ではAの代わりにM(=modifier:修飾語)という記号を使って,

          SVM・SVOMとしています。

【参考】8文型の場合,SVCAが加わります。He is fond of music. のような文です(下線部がA)。

 

「大人の英文法」のトップへ