2013/11/17 up

大人の英文法059−現在分詞と動名詞の関係 

 

分詞は,中学で習う英文法の中で最も難しい項目だと言えます。

その主な理由は,次の3つです。

@ 「現在分詞」「過去分詞」という言葉の意味がわかりづらい。

A 現在分詞は動名詞と同じ形である。

B 過去分詞は「完了形」と「受動態」で使う。

これらのうち@Bについては,021 分詞とは を参照してください。

ここでは,Aについて説明しておきます。

 

たとえば次の2つの文中の reading は,違う活用形です。

(a) Tom likes reading novels. (トムは小説を読むことが好きだ)

         S     V              O             ※ reading=動名詞

(b) Tom is reading a novel. (トムは小説を読んでいる)

         S            V           O         ※ reading=現在分詞

(a)は read novels(小説を読む) → reading novels(小説を読むこと)です。

一方(b)は,read という動詞を is reading(現在進行形)にした形です。

これらの文で同じ形が使われているのは,次の2つの歴史的背景があります。

(知らなくてもいいことなので,読み飛ばしてもかまいません)

 

(1) 歴史的には動名詞は -ing,現在分詞は -ende という異なる語尾を持っていました。

両者は発音が似ていたので,やがて -ing に統一されていきました。つまり動名詞と

現在分詞とはもともと別々の語だった,ということです。

 

(2) 進行形に関しては,上の(b)のような文は,もともとTom is on reading. (トムは

読書の状態にある)のような形に由来するとされています。この文のreadingは動名詞です。

この文の on が脱落すると,Tom is reading. という形になります。その結果,reading は

「読んでいる」という意味に解釈されるようになり,「小説を読んでいる」は reading a novel 

と表現できるようになったのです。

 

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