2015/4/26 up

大人の英文法096−関係詞の全体像 

 

ここからは,関係詞を取り上げます。

まず,関係詞に関して中学で教える基本的な形の例を2つ挙げておきます。

(a) I hate people who tell lies.  

    (私はうそをつく人々が大きらいだ)

(b) The movie (that/which) I saw yesterday was exciting. 

    (私がきのう見た映画はわくわくした)

今日の中学の教科書に出てくる関係詞を使った文は,(a)(b)の2つだけと言っていいでしょう。

(ただし学習量が増えた新課程の教科書には,別の形もあるかもしれません)

私たちが中学生の頃は,whomやwhoseも習っていました。

そういう意味では,今日の教科書の方が実際のコミュニケーションでの使用頻度をより強く

意識している(つまり実用的である)と言えます。

なお,後で説明しますが,(a)は I hate liars.(私はうそつきが大きらいだ)と表現する方が

シンプルです。関係詞を使わなくても表現できるなら,なるべく短い文を作るよう心がけましょう。


 

◆関係詞の種類と働き

すべての関係詞は「節を作る」という共通の働きを持っています。

節とは文の一部であり,〈S+V〉の関係を含むものを言います。上の例で見てみましょう。

(a) I hate people [who tell lies].   (私はうそをつく人々が大きらいだ)

                                S     V

who tell lies の部分には,S(who)+V(tell)の関係が含まれます。だからこれは節です。

そして,この節は前の名詞(people)を修飾する形容詞の働きを持っています。

このような節を「形容詞節」と言います。

関係詞は「(一般の)関係詞」と「複合関係詞」とに大別できますが,複合関係詞の説明は後回しにします。

ここでは,一般の関係詞の種類と働きをまとめておきます。

種類

関係代名詞 関係副詞 関係形容詞
who/thatなど what where/whenなど which what

作る節

形容詞節

副詞節

名詞節

副詞節

形容詞節

副詞節

副詞節 名詞節

 

以下,これらを詳しく説明していきます。なお,この「大人の英文法」では,「形容詞節」「副詞節」の

とらえ方が学校文法とは少し違うので注意してください。


 

◆関係詞と疑問詞との関係

that以外の関係詞は,もともと疑問詞と同じものでした。

だから,たとえば上の文は次のように考えることができます。

(a) I hate people [who tell lies].   

     → 私は(ある種の)人々が大きらいだ。それは誰かと言えば,うそをつく人々だ。

つまりこの文は,I hate people. Who are they? They tell lies. という意味を表しています。

一方 that は,「それ」の意味の代名詞と同じものでした。

(b) The movie [(that/which) I saw yesterday] was exciting. 

この文でwhichを使った文は,「その映画はわくわくした。どの映画かって?私がきのう見た

映画さ」ととらえることができます。一方thatを使った文は,「その映画はわくわくした。

その映画だよ。私がきのう見たやつさ」となります。関係詞に限らず,英文の意味を正しく

理解するためには,個々の単語が持つもともとの意味に立ち返って考えることが大切です。

 

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