2015/6/14 up

大人の英文法099−主格の関係代名詞(who/which) 

 

ここで取り上げる関係代名詞は,下のピンク色の分類に入るものです。全体像は 097 を参照してください。

品詞分類 その関係詞が作る節 該当する関係詞 用法の分類 関係代名詞の格
関係代名詞 名詞節 what    
形容詞節 who/whose/whom/which/that 限定用法/補足説明用法 主格/所有格/目的格
副詞節 what    
関係形容詞 名詞節 what(/which)    
副詞節 which    
関係副詞 名詞節 when/where/why/how    
形容詞節 when/where/why 限定用法/補足説明用法  
副詞節 when/where    

     ※上の表では複合関係詞(whoeverなど)は省略しています。

 

098 の表をもう一度見てみましょう。

 

先行詞が人

先行詞が人以外

主格

(a) who/that

(b) which/that

所有格

(c) whose

(d) whose

目的格

(e) who(m)/that

(f) which/that

 

ここでは上の(a)と(b)を見ていきます。まず,098でも挙げた「人+who」の形です。

(a) I hate people who tell lies. (私はうそをつく人が大きらいだ)

この文の下線部は,前の名詞(people)の意味を限定しています。

ネイティブの感覚に沿って説明すると,こんな感じだと思います。

I hate △ people.  Who are they? They tell lies.   

(私はこんな人たちがきらいだ。どんな人かって?うそをつく人だよ)

上のように考えれば,関係代名詞のwhoと疑問詞のwhoがもともと同じものだということが

理解しやすいでしょう。

 

このような形の作り方は,次のように定式化できます。

S(人)+V ... = SはVする

→ S(人)+who+V ... = VするS

このように完成した文のS(人)の後ろに who を置いてやれば,〈先行詞+関係詞節〉の形ができます。   

もう1つ例を挙げてみましょう。

(b) The girl won the beauty contest. (その少女は美人コンクールで優勝した)

→ (b') the girl who won the beauty contest (美人コンクールで優勝した少女)

ここで注意を1つ。(b)は「文」ですが,(b')は「名詞のかたまり」であり,これだけでは文になりません。

(b')は,文のパーツとして使います。名詞はS・C・O(または前置詞の目的語)のどれかの働きを

するので(→016),(b')もそれらの使い方ができます。

(b'-1) The girl who won the beauty contest The girl who won the beauty contest is my sister.

                                  S                                                     V      C

        (美人コンテストで優勝した少女は私の妹だ)

(b'-2) That is the girl who won the beauty contest.

             S         V                           C

        (美人コンテストで優勝した少女は私の妹だ)

(b'-3) I know the girl who won the beauty contest.

            S    V                             O

        (私は美人コンテストで優勝した少女の知り合いだ)

 

同じことは,人間以外を先行詞とする which にも当てはまります。

(c) A factory makes liquid crystal panels. (ある工場では液晶パネルを作っている)

→ (c') a factory which makes liquid crystal panels. (液晶パネルを作っているある工場)

→ (c'')  He works at a factory which makes liquid crystal panels.

                (彼は液晶パネルを作る工場で働いている)

 

ちなみに,これらの主格の関係代名詞は省略できませんが,その理由は簡単です。

たとえば(c)→(c')ではSとVの間に which をはさみこんで作りますが,このwhichを省略したら

(c)と(c')が同じ形になってしまいます。それでは文の形が区別できなくなるので,(c')のwhichは

省略できないという理屈です。少し先走って説明すると,目的格の関係代名詞は省略できます。

(d) He works at the factory.(彼はその工場で働いている)

 → (d') the factory (which) he works (彼が働いている(その)工場)

(d')で which が省略できるのは,省略しても語順の違いによって(d)とは意味が区別できるからです。

 

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