● 以前は備後地方の波止でグレを見かけることはほとんどありませんでしたが,ここ数年どこの波止でも見られるようになりました。かぶせ釣りのターゲットになりうることを私が知ったのは,最近のことです。釣期は秋から春にかけてですが,4〜5月ころに30cmオーバーの良型が期待できます。

● グレは,ハゲ(ウマヅラハギ)といくつかの共通点を持っています。特に,「中層で当たる」「手元に当たりが伝わってこない」という点が,他の対象魚と異なる特徴です。


● かぶせ釣りでグレを狙うときは,次の2点が特に大切です。  

@ なるべく小さなカキを使う。

A なるべく身を露出させて,ゆっくり落とす。

使うカキは,身の白い部分の大きさが小指の先ほどの小さなものが適しています。カラはふくらんだ方を取り外して平たい(軽い)方を残し,ゆっくり沈めてやります。当たりは中層で出ますが,ハゲと違って一発でエサを取られることはないので,できるだけ我慢して食い込ませるようにします。「コツ,コツ」という感じで比較的小さい当たりが何度か続き,エサを食い込んだときにやや大きな当たりが出るので,そこで合わせます。


● グレは口の小さな魚なのでエサは小さい方がよいのですが,ハリはあまり小さくなくても(チヌ2〜3号くらい)釣れます。ハリスの太さも,あまり神経質になる必要はありません。グレはアイナメと同様に足元の根に突っ込む性質があり,細いハリスだと根ずれで切れるおそれがあります。私も何度か30cmオーバーを根ずれのハリス切れでバラしています。

● また,ハゲと同様にグレも,ある程度カキを撒いて味を覚えさせないと釣れません。グレがいることがわかっている波止なら,何度か通って「餌付け」をすれば,釣れるようになると思います。当たりが出るようになれば,カキのむき身を使ったブッコミ釣りでも釣れます(この点がハゲと違うところです)。