2007/01/02 up

◆ おせち料理(2007) ◆


【一の重】

 シラサエビの塩茹で

尾道の魚屋さんから買うエビを冷凍しておいて,ゆでるだけ。冷凍ものとは全く思えないほど美味。
 ウマヅラハギ・サンバソウ・コブダイの一夜干し 12月30日に釣って,すぐに干物にしたもの。下の記事を参照。
 ブリ・アナゴの照り焼き  毎年実家からもらうもの。本当はアナゴを自分で調達したかった。
菊花かぶ カブの甘酢漬け。ぶちさんからもらったクチナシの実も使わせていただきました。

【ニの重】

 牛肉のわかたけ巻き

毎年作っている料理。アスバラを牛肉のうす切りで巻いて,酒・砂糖・醤油のタレをからめてもスキヤキ風の味付けにしたもの。箱に入れているのは,食べるとき暖めるため。
 豚肉の角煮 時間がかかるので普段はなかなか作れないため,正月に初チャレンジ。いったん作ってひと晩煮汁に浸しておき,翌朝白く固まって浮いた脂を取り除くと,さっぱりした仕上がりに。これも,食べる前に暖めるのが大切。
 鶏肉ロール  五香粉・八角・シナモン・クローブなどを入れて煮ると本格中華風になるが,くせのある香りを嫌う人も多いので,今回はシンプルに酒・みりん・醤油で調理。
卵ロール シイタケの甘辛煮・ニンジン・ミツバを入れて卵4個を使った厚焼き卵を作り,巻き簾で巻いて形を整えた。作って1〜2日で食べきるなら,薄味の方が美味しい。
 裏白しいたけ 鳥ミンチがなく豚ミンチで代用したので,裏は白くなくて茶色。煮たシイタケの裏にひき肉をくっつけた,一種のミニハンバーグ。本来は蒸し器で蒸すが,めんどくさいのでフライパンで焼いた。

【三の重】

 ミニスイートポテト

栗きんとんの予定を変更して,栗の甘露煮入りスイートポテトに。さつまいもをレンジで蒸した後で裏ごしするのがちょっと大変。
 大学バナナ 今回作ったうちで最大の失敗作。大学イモのさつまいもの代わりにバナナを使ったおやつだが,時間がたつとバナナが黒く変色する。
 ココアロール  春巻きの皮を4つに切り,ココアとシュガーパウダーを茶こしで内側にふりかけ,クルクル巻いてオーブントースターで焼いたもの。焼きたては美味しいが,さめるとゴムみたいになるのが難点。

 パイ皮のスナック

アップルパイに使ったパイシートの余りを適当に切ってオーブンで焼いたもの。写真にはないが,自家製チーズ(作り方は下を参照)をからめて食べる。
 かぼちゃボール かぼちゃをレンジで暖めてから裏ごしし,砂糖・生クリーム・シナモンパウダーなどを加えて丸めてから,オーブントースターで焼く。女性には好評。
 梅花リンゴかん リンゴを煮てつぶして裏ごしし,食紅を加えて寒天とまぜて流しカンで固めたもの。
 フルーツ寒天  流しカンにカットフルーツ(イチゴ・パイナップル・キウイなど)を置いて,上から寒天液流しこんで固めたもの。作り方は一番簡単。パイナップルなどはゼラチンを溶かす酵素を持つので,ゼラチンではなく寒天を使う。

アップルパイ。冷凍パイシートを使ったので,わりと簡単。

※ 余ったパイ皮は,一口サイズに切って200℃のオーブンで15分ほど焼き,自家製チーズをからめて食べる。自家製チーズは,生クリーム1パック(200cc)を小ナベ人肌程度に暖め,レモン汁小さじ2を加えて軽くまぜてから,キッチンペーパーを敷いたザルにあけて水気を切る。2時間くらい放置しておくと,クリームチーズっぽくなる。


 〜メイキング・オブ・おせち2007〜

 

◆ 12月29日(金)

この日のうちに済ませておいたのは,カブの甘酢漬けとアップルパイ用の煮リンゴ。カブは,白・赤・黄の3色にした。白は普通の甘酢,赤は梅酢に食紅を加えたもの。黄色は,ぶちさんからもらった生のクチナシを使ったもの。ぶちさん,ありがとうございました。まだ冷凍して残っているので,また別の料理に使います。

 

翌日のおせち食材調達釣行に備えて早く寝ようとしたら,居間の水槽が妙な音を立てている。見ると,水が循環していない。外付けのパワーフィルターが故障したたらしい。触るとかなり熱を持っていて,モーターが焼き切れて回復不可能な様子。新しいのを買うにも正月休みに入るし,取り寄せるのに1週間はかかる。その間水のろ過ができないと魚が死んでしまうので,仕方なくしばらく水槽の水を抜いておくことにした。ろ過できない水槽をほっぽらかしにしておくと水が腐るので,翌日の30日は水抜きや砂洗いなどをする必要がある。この余分の仕事が入ったので,おせち作りのスケジュールが一気に厳しくなった。釣りはなるべく早めに切り上げて,正味1日ちょっとでほとんどの料理を作らねばならない。

◆ 12月30日(土)

予定どおり,生名島へ。朝一番のフェリーで渡り,立石港の波止で暗いうちからアナゴを狙って冷凍キビナゴでぶっこみ釣りをしたが,ノーヒット。7時を回ってからかぶせ釣り。ちょうど満潮ごろの時合いを狙って釣ったので予想どおりコブダイが連発して,30〜42cmを5匹キャッチ。そのほか,26cmのウマヅラハギと,珍しいことに17cmのサンバソウ。もうすぐ年が明けようかという時期に釣れるとは,今年は水温が高いらしい。時合いが過ぎるとササノハベラが連発した。おせち用に,一番大きいコブダイ1匹と,ハゲ・サンバソウをキープした。

去年と同じく心配して応援に来てくれた(?)倉敷のマサさんからは,ダシ用のハゼの干物をもらった。右の写真は,正月にさっそくこのハゼで作った雑煮。美味かったです,マサさん!

10時40分のフェリーに乗って,11時半ごろ帰宅。釣りたて魚をさばいて,おせちの下ごしらえ。西京漬けより簡単な一夜干しを作ることにした。コブダイは切り身に,ハゲとサンバソウは梨割りにして内蔵や血合いを取り除き,塩水(水1カップにつき酒をおちょこ1杯と塩を大さじ1強くらいの割合)に漬ける。娘らと近所のカレー屋へ昼食を食べに行き,帰ってから魚を干し網に入れて天日で干す。

ここまでの作業が終わったのが1時半ごろ。即,水槽の水抜きを開始。フィルターを外し,ポンプで水を抜き,砂を洗い,からっぽになった水槽を磨く。しばらく仕事が忙しいので,いつごろ水槽を復活できるかは今のところ未定。作業が全部済んだのが3時半ごろ。休む間もなく,本格的なおせち作りに入る。実際に食べるのは2日後なので,あまり早くから作っておくと味が落ちる。この日作ったのは,豚の角煮・鶏肉ロール・寒天を使ったスイーツのみ。

◆ 12月31日(日)

今年は家族全員でこの日の夕方ヨメの実家へ行くことになっている。おせち作りのタイムリミットは,午後4時ごろ。朝8時から台所を走り回ってあれこれ作り,どうにか午後3時に全部の料理を重箱に詰めて後片付けも終えた。一夜干しは,イメージ通りにできていた。

今回のおせちは,1月1日の晩に親戚10人以上が集まって(ほとんど女),きっちり全部売り切れた。自分が作りたいものと食べる側がほしがるものとが必ずしも同じではないので,最近は先方のリクエストを優先してメニューを考えるようになった結果,3段目は全部お菓子類,というスタイルになった。作る分には,3段目に一番手間がかかる。1回作ってみて評判がよくなかったものは翌年以降は作らないので,最近は「失敗した料理」は少ない。ただし,「できたて」ではなく冷めてから食べることを考えると,料理の選択にまだ改善の余地はある。今回のおせちの中で自分で一番納得したのは,コブダイの一夜干しだった。ハゲやサンバソウも美味かったが,コブダイは干物にすると「まるで違う魚」になった。「これはタイの干物です」と言って食べさせたら,まず疑う人はいないと思う。それくらい,いわゆる「コブダイ臭さ」が消えていた。焼きたてなら,まだ美味かっただろう。味噌漬けより手軽で,コブダイ以外の魚にも応用できる「一夜干し」,釣り師の皆さんにはぜひお勧めします(扇風機の風でも可)。なお,ネコやカラスがつつくおそれがあるので,夜は干し網を屋内に入れておく方が安全です。

 

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