●
通称ツブ，またはツブガイ｡備後地方では一般に市場に出回っている貝です。この貝は長いベロのような軟体を出してアサリを襲う習性があり，アサリの多い浜でよく見られます。バケツに水を汲んで入れておくと，フロシキを広げたように軟体が出てきてちょっと気持ち悪いです。魚屋さんでは主にタニシくらいの大きさのものが売られており，確かにこれくらいのサイズが軟らかくて美味ですが，浜で見かける大きいものはサザエくらいになります。大きいものは身がちょっと硬いですが，歯ごたえが楽しめます。ワタも苦味が少なく，このあたりで採れる巻貝の中では美味の部類に入ると思います。ちなみに，田島の有料潮干狩り場付近にたくさん生息しているので，ちょっと外れた（金を取られない）あたりで掘るといいかも。我が家の近くの松永湾にも昔はたくさんいて，この貝の作る「砂茶碗」（リンゴの皮のように砂を固めて丸めたもの）がよく見られましたが，近年は全く見かけなくなりました。