◆ ワカメ ◆

 

 

● 海辺に住んでいる人なら,天然ワカメを採って食べるべきです。ワカメの旬は1〜4月ごろ。たぶんどこの地方でも手に入ると思います。採取方法は,大きく分けて次の3種類です。

@ 石や岩が散在する浜・岩場に生えているのを,大潮の干潮時に摘む。

A 波止の岸壁に生えているのを,潮位の低い時間帯に,上からのぞきながらカマのようなもので刈り取る(下に網を受けておく)。

B 砂浜を歩きながら,根がちぎれて波打ち際に打ち寄せられたのを拾う。

● 上の3つの方法のうち,一番確実なのは@です。ワカメは潮位0〜50cmくらいの高さのところに群生する性質があり,大潮の干潮時にできるだけ水際まで歩いていくと,そこらに大量に見つかります。Aの方法は専用の道具が必要です。Bは最も手軽で,時間を問わず採取可能ですが,運任せのところがあります。

● 天然のワカメは上の写真のように茶色い色をしているので,すぐにわかります。大きさは30cm〜 1mくらい。ただし,あまり大きなものは硬いので,小さめのものの方が味はいいです。ワカメの葉は柔らかいので魚にかじられやすく,先の柔らかい部分がかじり取られて中央の幅広の部分だけになったものは食用に向きません。また,触ったときヌメリがなくなってざらついた感触のものもダメです。それから,ワカメに似た形ですが葉が肉厚で硬い海草もあります。これは食べられません(たぶん)。柔らかくてヌメリのあるのがワカメです。

● 上の写真の右側の根っこの部分を見ると,花が開いたようになっています。これが春の恵み・メカブです。5月ごろになるとたいてい葉は魚にかじられてボロボロになっているので,このメカブだけを切り取って持ち帰ることもあります。

● 食べ方ですが,まずざっと洗って,重曹を加えたお湯でゆがきます。時間は30秒くらい。特にメカブはアクが強いので,重曹が必要です。

● お湯から出してすぐザルに取り,水でもみ洗いしてヌメリをできるだけ取ります(完全には取れませんが,それでかまいません)。生きている葉はきれいな緑色になりますが,枯れた部分は白や黄色や茶色に変色するので,その部分は取り除きます。あとは適当に刻んで,サラダ・味噌汁など普通のワカメと同じようにして食べます。取れたての新鮮さを味わうなら,生食が一番いいと思います。天然のワカメは市販のワカメより淡いグリーンで,食感もコリコリして実に美味です。

● メカブは刻んでトロロ状にして三杯酢または市販のポン酢で食べます(下の写真)。栄養満点で,酒のつまみにも最高です。