日記帳(07年2月13日〜3月11日)

 

 

今週は釣り日記が出せないため,代わりに日記を書く。

 

まず,釣りの話。今週は,7日の水曜日に雑誌の取材で瀬戸田へ行った。

マサさんポイントで満ち7分ごろから満潮前まで釣ったが,強風で厳しかった。

釣果は,チヌ2尾(31cm・32cm)とアイナメ1尾(26cm)

 

 

釣りがメインの取材ではなかったため,竿の曲がった写真が撮れたところで切り上げた。

1匹目のチヌは,風にあおられてもつれた道糸と格闘している最中に引っ掛かったもの。

そのあとのインタビューでいろいろ聞かれて,3時半ごろまでかかった。

でも,文句は言うまい。取材料くれるし。先日この雑誌に2ページ分の原稿を書いたら,

居酒屋でちょっといい酒が飲めるくらいの原稿料をくれた。もう3年も毎月連載している

某雑誌からは,一度も原稿料をもったことがないが。(しつこいね)

 

実は最近仕事がまた忙しく,この日も取材の前後はびっちり仕事をしていた。

きのうの土曜日(10日)にようやく10日近くかかった仕事が一段落したので,今日の

日曜日(11日)は釣りに行けた。しかし天気予報が悪く,フトンの中で雨の音が聞こえた。

家を出たのが5時半ごろ。とりあえず須波へ行って,天気しだいではフェリーで瀬戸田へ

渡ることも考えたが,尾道バイパスを過ぎるあたりで雨がやんできたので,結局須波を

素通りして蒲刈まで行くことにした。ところが今日は北西の風が強烈で,まともに釣りが

できそうにない悪条件。あちこち回ったが,満潮の2時まで粘って,釣果は20cm級の

アイナメ2尾のみ。久しぶりに,M島コンビと会った。最近はかぶせはあまりやってない

とのこと。オフ会には参加してくれるよう頼んでおいた。以上で,釣りの話は終わり。

 

仕事の方は,4月発売の本の見本刷が送られて来た。

 

 

「英語でなんて言うんだろう!?〜社会人なら,せめてこれぐらいは話せたい〜」

(宝島社・定価1,000円)<小池直己さんと共著)

 

日本人ビジネスマン(最近はPCの観点からビジネスパーソンとも言う)のオフィスでの

会話やメールを英語で表現してみよう,というコンセプトの本で,会話例・語句リスト・

ビジネスレターのサンプルなどが入っている。興味のある方は本屋で見てください。

 

この1か月ほどの間にやった仕事は,こんな感じ(発注元は全部違う会社や個人)。

 

・センター試験対策問題集の原稿書き

・TOEIC対策本用の単語リストの作成(これが大変だった)

・高校1〜2年生用の総合英語問題集の素材英文集め

・高校生向け長文読解素材への訳づけや語句リストの作成

・E−ラーニング関係の中学生向け文法練習問題の作成

・英検2級対策問題集の解説書き

 

中学向けから一般向けまで,来た仕事は何でも受けている。順番に都合良く依頼が

来るわけではないので,仕事が集中する時期はどうしても出てくる。オフ会の頃に

仕事が立て込むと困るので,なるべく今のうちに頑張っとかんといけん。

 

プライベートでは,上の娘が3月末に広島のアパートへ引っ越すので,その準備が

あれこれ。普通の高校3年生はだいたい2月末〜3月上旬ごろに通う大学が決まる。

わが娘は推薦で早々と行き先を決めたので,その後はもう遊び放題。「こんだけ

楽に過ごしとったら,大学へ入った後で悪いことが起こるかもしれん」と,本人は

心配している。まあ,ええよ。遊んどけ。これだけ何も考えずに遊べる時期は,

おまえの人生でもう二度とないんじゃけー。

 

娘を見るにつけて思うが,学校というのは本当に窮屈な場所である。

普通の学校生活を営むにも,子供はいろんなところに気を回さねばならない。

先生は「勉強しなさい」と言うのが仕事だが,生徒の方は「勉強どころじゃない」

ような悩みもいろいろあるわけで,お互い苦労が絶えないだろう。

詳しいことは省くが,うちの娘も中学から高校にかけての6年間を平穏無事に

過ごしたわけではない。友達や先生との間に,いろんな葛藤があった。

結果的に不登校にならなかったのは,ひとえに中2から5年間担任としてお世話

になったM先生のおかげである。先生,この場を借りてお礼申し上げます。

また一緒に海仙楽へ飲みに行きましょう。

 

それで思い出したが,1週間ほど前にNHKで,いじめに関する公開討論番組

放送していた。生徒・親・教師・行政の代表が大勢集まって意見を言い合うわけ

だが,参加者は現実のいじめに何らかの関わりを持つ人たちなので,いわゆる

識者の談話などよりはるかにインパクトと説得力がある。ただ,予想されること

ではあるが,参加者の意見はおおむね次のような内容だった。

 

・親の意見=学校や教育委員会は信用できない(何もしてくれない)。

・教師の意見=もっと学校を信用してほしい。親が出てくると余計にこじれる。

・子供の意見=責任のなすり合いはやめて,もっと子供に目を向けてほしい。

 

これを見ていて最初に感じたのは,「ここに出演している人たちは,必ずしも

平均的な親や教師や子供ではないだろう」ということだ。出演した親や子供は

現実にいじめの被害を経験しており,教師もいじめ問題に熱心に取り組んでいる

人々である。しかし,そうでない親や子供や教師の方が,世間には多い。また

親と教師については,おそらく「何もしてくれないダメ教師」や「わが子のことしか

考えない非常識な親」も,現実にはおおぜい存在するだろう。

この番組の中で個人的に一番印象に残ったのは,いじめられた経験を持つある

女の子(今は卒業している)の,次のような趣旨の発言だった。

 

「私がいじめられたとき,父が学校に抗議に行ってくれました。結果的に私への

いじめはなくならなかったけれど,父が私のために熱心になってくれているのを

見て,自分は一人じゃない,自分のことを考えてくれる人がいる,ということが

わかったことが嬉しくて,その後は頑張っていこうという気持ちになりました。」

 

いじめ問題を「解決」するとは,究極的には「いじめられた子」が,その後の

人生を踏み外さないようフォローしてやることである。「いじめた子」の方は,

(いじめの理由が特殊でない限り)考慮しなくてよいと思う。早い話,ぼくは子供の

頃いじめられっ子の一人だったが,当時いじめっ子だった連中が「悪い大人」に

なっているわけでは決してない。みんな,立派な大人になっている(はずだ)。

繰り返しになるが,いじめとは単なる化学反応であり,その反応の度が過ぎて

「跡が残るようなやけど」を負わないように,被害者の方に目を向けることが

大切である。学校の先生はふつう「いじめた子」を指導することによっていじめを

なくそうとする。その努力は確かに必要だけれど,いじめっ子のいじめっ子的

性格が,(少なくとも子供のうちに)短期間で変わるとは思えない。同じ時間を

使うなら,むしろいじめられた子の話を(黙って)聞いてやってほしい。いじめた

子に対しては,心の指導よりも何らかの強制力を伴う処分の方が有効だと思う。

 

この番組では,「出席停止処分」についても議論された。賛成派の言い分は予想

した通りだったが,反対派の中には「いじめをした子を6日間だけ出席停止にした

だけで,問題が解決するとは思えない」という声が多かった。他にも「いじめをした

子を特定するのが難しい(クラス全員でいじめをしていたら,全員を出席停止に

するのか?)」「出席停止になった子が,今度はいじめのターゲットになりかねない」

などの意見もあった。それらは全部理解できるけれど,それでも個人的には,

「出席停止」という処分はあってもよいと思う。この処分は,文部科学省の見解

によれば,決して「懲罰」ではない(そう定義すると学習権の侵害などのややこしい

問題が起こるからだろう)。いじめをした子に考える時間を与えるための,指導の

一種とされている。しかし現実には,そうした処分を受けた子が素直に反省する

ことはあまり期待できそうにない。が,しかし。自分の娘の経験から思うことだが,

たとえ数日間でも,「『あの子』のいない学校に行ける」という安心感や喜びは,

周りが思うよりもはるかに大きいと思う。ぼくがこのように思う大きな理由は,

前にも書いたとおり,「いじめをする子」というのは,「持って生まれた性格」による

部分が少なからずあると,経験的に感じるからだ(大人になると治るのかもしれ

ないが,少なくとも子供の頃を振り返ってみるとそう思える)。逆に言うと,彼らは

「罰に対する耐性」が比較的高い。出席停止くらいでは,「学校へ行かなくていい。

ラッキー」という程度にしか感じないかもしれない。つまり,

 

出席停止処分が「いじめる側に与える損失」と「いじめられる側に与える

利益」とを比較した場合,後者の方が大きいと思う

 

これが,ぼくが出席停止処分の存在を支持する理由である。ただし,これは

乱暴な一般化であって,たとえば「いじめっ子」の中には,家庭環境に問題が

ある子もいるだろう。そうした子を出席停止にすれば,かえってその子は非行に

走るかもしれない。そのあたりは,個別の判断が必要なのは言うまでもない。

 

 

上の娘の合格祝いのリクエストに応えて,先月,福山市街の「」というステーキ

懐石レストランへ行った。二度目である。どうしてもまた行きたい,という家族の

要望だったが,もうたぶん生涯行くことはないと思う。

このレストランでは,客は大きな鉄板のある個室に入り,コックさんが目の前で

焼いてくれた料理を食べる。娘二人はアワビとステーキ(ロース)のコース,

親はそれぞれイセエビ+ヒレステーキ,海鮮焼き+ヒレステーキのコースを

頼んだ。肉は九州から取り寄せているそうで,味は文句ない。ただ,基本的に

フレンチの調理法なので,出て来る料理が全部コッテリしていて,肉が大好きな

娘らも120gのステーキを相当無理をして平らげていた。お値段は,4人前に

ビールやウーロン茶などの飲み物を加えて,合計○万2千円。普通に居酒屋

とかで外食するときの10回分近い値段である。さすがに娘らも,「もうええ」と

行っていた。うちらクラスの家庭では,「今夜は奮発して」行く先としては,

尾道の「旬彩」くらいがちょうどええ,という結論になったのだった。

 

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