日記帳(07年6月18日〜6月24日)

 

 

6月18日(月)

ちょっとショックな知らせを受けた。前日の日曜日から手がけていた,高校教科書の

訳付けの仕事に,クライアントからストップがかかったのだ。こちらは教科書全部を

翻訳するつもりで仕事を受けたが,先方は「訳す必要があるのは一部分だけで,

その指示は後日出す」と言う。しかし締切は6月26日なので,待っている時間はない。

こちらは締切から逆算して,それに間に合わせるためにスケジュールを組んで仕事の

順番を決めているのだが,そのことを伝えると先方は「締切は厳密に守らなくていい」

と言う。ちょっと待ってくれ〜!・・・と思ったが,相手がどうあれ決められた締切を守る

のは仕事を受ける側の最低限のモラルだと思っているので,既に終えた仕事の一部

が無駄になったことより,そっちの方が悔しい。しかしもちろん,何のために日曜日を

削ってまで仕事したのか?という思いもある。

それでなくても最近仕事が多忙で,しかも脱稿しても数ヶ月たたないとお金が入らない

仕事ばっかりで,この時期は住民税(地方への税源委譲のせいで大幅に上がっていて

びっくりした)や源泉所得税の支払いで出費がかさむのに・・・と暗い気分になっていた

ところ,夕方今度はS社出版部の編集者から嬉しい電話が入った。去年の5月ごろに

書いた原稿の出版が来年2月に決まったという−やれやれ。自分の原稿にはどれも

思い入れがあるが,この原稿は格別に記憶に残る。ちょうどフリーになったばかりで

まだ仕事がほとんどなく精神的にきつかった頃に,一種の現実逃避の手段として,

この原稿書きに没頭したからだ。もともとはT社から出る予定だったのが営業から

ストップがかかり,その後小池さんにあちこちの出版社に声をかけてもらったが,

どこからも難色を示されて宙に浮いた状態だった。ようやく日の目を見ることになって

暗い気分も解消して,すっきりして夜はビールを飲み,いつものように10時半ごろ寝た。

 

6月19日(火)

教科書の訳づけの仕事は一時中断し,同じ教科書のドリル問題集の原稿書きの仕事。

もうすぐ脱稿する。このあと,B社の高校生向け問題集の原稿がまるまる1冊分,L社の

大学入試問題サンプル作成が全部で5本,U社のTOEIC向け単語集(Yさんと共著)の

データ作り,C社のe-ラーニング関係のドリル問題作り,もう1か月以上さみだれ式に

続いているS社の高校生向け問題集の原稿・・・などの仕事が山積みになっている。

朝から晩までパソコンにへばりついているので,新陳代謝が不活発になって,食欲も

あまり沸かない。昼食はウドンかラーメン1杯くらいで,それでも夕飯まで十分もつ。

しかし,食べる量が減っている割りに,体重はほとんど減らない。それは運動してない

けー代謝が悪うなっとるんよ,と,筋トレマニアのヨメは言う。

 

6月20日(水)

2週間ほどかかったA社の原稿が1本上がる。たまったネイティブチェックのネタを持って

NOVAへ行く。NOVA福山校は,新聞報道で言われているほどには「予約が取りにくい」

ことはなく,すぐ予約が取れた。しかしそれは生徒が少ないからかもしれないので,この

校舎がなくなったら仕事の上で非常に困る。

 

6月21日(木)

数日前に来た,広島で暮らす上の娘の携帯電話の請求書を見てびっくりした。先月は

3万円以上使っている。家でちょっとくらい節約しても,電話代がこれではどうにもならん。

娘には電話の回数を減らすか契約を変更するよう言ったが,なにしろ怠け者なので

自分で手続きに行くとは思えん。しかし本人でないと手続きはできないので,ちょっと

困っている。「金が足りん」と本人は言う。自分の責任じゃろーが,自分で何とかせい,

と言いたいが,あまりこれを言うとバイトに精を出して大学へ通わなくなるおそれもある。

4月に引っ越したとき娘が残して行ったコミックスが数十冊あるのを思い出し,これを

売ったら多少金が入るかも,と,昼食のついでに古本屋へ持って行った。家にあった

文庫本やらマンガやらも合わせて,全部で100冊ちょっと。ブックオフは何やかやと

理由をつけて引き取ってくれない本が多いので,啓文社の系列の古本ショップ

持って行った。なんと,全部で8千円以上で買い取ってくれた。単価を見ると,基本的に

文字だけの本は1冊3円とか5円だが,コミックスは高く売れる。1冊290円で売れた

コミックスが5冊あり,これはたぶん近々テレビドラマ化される「ライフ」だろう。

少年マンガで1冊100円の本が20数冊あったのは,「キョウ」か「焼きたてジャパン」

のどちらか(全部娘が買ったもの)だと思う。下の娘が夏に「セットストック」へ行くと

いうので小遣いに2千円やり,残りの6千円ほどは上の娘が帰って来たとき渡す。

今仕事場に置いてあるマンガ本を全部売ったら葬式代くらい出るかも,と妄想する。

 

6月22日(金)

ようやくA社の保留になっていた翻訳の仕事の指定箇所がわかったので,きのうから

集中して取り組んだが,異常に時間がかかる。しかも,途中で気づいたのだが,この

仕事はものすごく割りが悪い。まるまる3日くらいかかって作った原稿が14ページ分。

1ページ4千円なので,5万6千円にしかならない。これまでに受けてきた仕事のうち,

一番単価の低い仕事と言っていいだろう。ちなみに「英文を訳す」仕事は他からも来る

が,最低料金は全日本通訳案内士連盟の基準に従って,1単語18円となっている。

今回の仕事をこの単価で計算すると,15万円近くになる。今まで「単価が安い」と

いう理由で断った仕事は1つもなかった(それよりも「どんな仕事でも受ける」という

姿勢を貫くことによって依頼元に与える信頼の方が大きいだろうという理由から)が,

さすがにこの仕事だけは,「申し訳ないが次回からは受けられない」と返事をした。

フリーの仕事をする上で,自分には常に4つのノルマを課している。

@ 頼まれた仕事は全部受ける。

A 締切に遅れない。

B 単価が安くても手抜きをしない。

C 自分で書いた英文は,ネイティブチェックを受けてから提出する。

今回,@のポリシーを破ることになったのは残念だった。

 

6月23日(土)

この土・日は,G社の編集の下請けの仕事が詰まっている。この仕事は割りがよくて,

頑張ればこの2日で20万くらい稼げる。原稿のネタの蓄積はあるし,仕事の要領にも

慣れているので。ただ,週末もべったり仕事というのもストレスが溜まるので,時間が

許せば息抜きもしたい。

最近朝が早く,この日も5時に目が覚めた。寝起きはいいのでこのまま仕事場へ

直行してもよかったが,天気もよさそうなので,ちょっとだけ朝の散歩に大越へ行った。

狙うのは,晩酌用の小イワシ。5時20分ごろ現地に着くと,波止先端に釣り人の姿が

見えた。しかしそこへ近づくまでもなく,はるか手前の曲がり角付近の内側にイワシが

群れていたので,早速サビキの仕掛けを入れると,すぐに入れ食い。6時ごろまでに

50〜60匹くらい釣れた。

釣り場でウロコを取り,実家へ持って行って刺身にして半分自宅へ持ち帰り冷蔵庫へ。

仕事場へ行き,時計を見ると7時過ぎ。いつもの通り7時半ごろから仕事を開始。

順調に進んで,昼までに半分ほど完成した。目途が立ちそうなので,コンビニの弁当を

食べた後,今度は釣具店で砂虫を500円買い,浦崎でキス狙い。

1時間半ほどで7匹釣れた。サイズはほとんど小型だが,1匹だけ24cmの大物も。

自宅へ持ち帰り,さばいて塩をまぶして冷蔵庫へ。

3時ごろからまた仕事に戻り,6時過ぎまでやって,買い物をして帰る。シャワーを

浴びて夕飯作り。キスを洗って酢漬けにし,ひき肉のレタス巻きやポテトサラダなどを

作る。仕事から帰ったヨメと習字のおけいこから帰った下の娘とで,8時ごろ夕食。

 

 

キスの酢締めは,塩をまぶしておいた時間がちょっと長すぎて多少塩辛かったが,

まずまず思ったような味に仕上がった。こういうふうに釣りを生活の中に組み込んで,

買い物に行ったり本屋で立ち読みをしたりするのと同じような感覚で「ちょこっと竿を

出して帰る」スタイルが一番好きだ。何となく「豊かな暮らし」をしている気分になる。

 

 

現在,24日(日)の朝の7時半。今日も朝の5時過ぎに起きて,仕事の前にこれを

書いて,アップしてから仕事を始める。仕事が早く済んだら映画でも見に行く予定。

今度の日曜日には蒲刈へ行ってみる予定で,取材の調整をしてもらっている。

 

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