日記帳(07年11月4日〜11月17日)

 

 

今日(11月17日)の土曜日は,午前中は釣り。カレイとアコウの刺身をこしらえて,1時過ぎから

ヨメと下の娘を連れて御調町の道の駅へ行った。話によると,ここのレストランで出るステーキが

おいしいらしい。松永からは,三成を抜けて30分弱。着いてみると客がいっぱいで,駐車場へ

入る車が並んでいる。普通の道の駅のイメージは「客がまばらに入った土産物屋」という感じだが,

ここの賑わいはすごい。聞くとここは土・日しか営業しておらず,今日はたまたま何かのイベントが

あったらしい。2時近かったのでレストランへはすんなり入れた。さて,ステーキは・・・・・・・高い!

「世羅牛サーロインステーキ100g1,900円〜」とメニューにある。娘がどうしてもステーキを食べたい

というので,200gで2,600円のステーキセットを1つ注文。親は軽めのものを頼んで,ステーキを

分けて食べることにした。食べてみると,確かに美味い。こないだ広島のフードフェスティバルで

食べた県北の牛肉の串焼きと同じような味がする。もっとも,この肉がどのくらいのランクかは

さっぱりわからんし,当然2,600円が高いのか安いのかもわからん。魚の味はランク付けできるが,

肉と酒は「おいしい」と「おいしくない」の2つに分ける能力しかないけんね。

 

さて,今日は「月刊釣り仲間」の話を少し。

裏表紙を見ると,この雑誌は28年前に創刊したらしい。若い頃は,「月刊釣り情報」と「月刊釣り

仲間」のどちらかをほぼ毎月買っていた。当時の印象では,「釣り仲間」は福山・尾道方面の

記事が大半だったように思う。もう本は捨ててしまったが,「田島・幸崎のフェリー乗り場の

アコウ」とか,「浦崎・満越港のチヌ」とか「尾道駅前岸壁のホゴ」とか,地元の釣果の情報を

スクラップにして,当時はあちこち釣りに行っていた。そういう,まあ普通の読者だったが,

この雑誌との関係が一変したのは,このHPを始めて間もないころに,笠岡・神島外浦で

編集長のAさんと会ってからだった。そのとき釣ったアイナメがグラビアに載り,ちょうど

うちのHPを見てかぶせ釣りを始める人が増えていた頃でもあって,「かぶせ釣りの本を出そう」

という話が向こうから来て,いつの間にか本が出て,同誌では「かぶせ釣りの第一人者」とか

恥ずかしい呼び方をされている(実際には全然そんなことはなくて,かぶせ釣りの大ベテラン

の方々が福山方面には大勢おられる)。その縁で同誌には,もう何年も「かぶせ釣り最前線」

という連載を書いている。忙しかったりネタがなかったりでHPに載せた釣行記録の焼き直し

を書くことが多いが,なるべくオリジナルなネタを入れるように努力している。

そういうわけで,本を出してくれた恩義もあるので,今後もできる限り協力はしていきたいが,

この雑誌もなかなか大変らしい。数年前は編集長さんがほとんど一人で取材から紙面作り

までやっていたと聞くが,最近は編集長は岡山方面,備後方面は若いKさんという記者が

担当している。前に編集長さんは,「ボランティアみたいなもんよ」と言っていた。そういう

事情がわかっているので,「毎月原稿用紙6〜7枚くらいの原稿書いとるんじゃけ,1回

千円でも原稿料くれたら,今ごろは家の1軒も(犬の)建てられとったじゃろうに」という

ようなことも言わず(笑),黙々とノーギャラで連載を続けている。

 

取材のときK記者さんに尋ねてみたことがある。

「おたくの雑誌はチヌの記事がやたら多いけど,ファミリーフィッシングとかもっといろんな

魚を取り上げた方がええんじゃないん?」

すると,K記者いわく。

「そういう記事は読みたがる人と,雑誌を買うてくれる人は違うんですよ」

要するに,「ちょっと休みの日に釣りでも」というお手軽派は情報誌を立ち読みで済ませる

ことが多く,コアな釣り師でないと金を払ってまで本を買ってはくれない,ということらしい。

考えてみると,「釣り仲間」にはたくさんの広告が載っているが,そのほとんどは釣り船や

磯渡しの業者だ。つまり,「この本に沖磯や船釣りの情報が載る」→「自分も行ってみよう,

と思う熱心な釣り人がいる」→「そういう人がこの本の広告を見て釣り船や渡船に乗る」

→「広告の効果が上がるので,業者は本誌に広告を掲載し続ける」→「本誌に広告収入

が入る」というサイクルがうまく回れば,雑誌の経営は安定する。釣り船の釣果や広告を

見て「よっしゃ,ワシも子供を連れて船釣りをやっちゃろう」と考えるお父さんはまずいない。

そう考えると,「岡山○○会」のような熱心な釣りグループの離島での釣果,というような

記事の方が,雑誌の売り上げへの貢献度は高いのかもしれない。うちの連載など,

「今月はアジを釣って南蛮漬けにしました」とか「キスは酢締めで食べると美味しいです」

みたいな,みみっちい(金のかからない)記事ばっかりなので。

 

それにしても,「釣り仲間」に限らず,どこの雑誌の記者さんたちも,会って話すといろいろ

苦労が多いらしい。一番気の毒だと思うのは,「取材拒否」にあうことが多いことだ。

取材を拒否する釣り人を悪く言うつもりは全くない。ただ,記者さんたちの耳にも,「雑誌に

紹介されたら釣り場がダメになる」というあちこちで聞かれる声は,当然入っているだろう。

つまり,「自分たちが『嫌われ者』的な仕事をしている」という悩みがあるんじゃなかろうか?

というのが,「気の毒」と言う所以である。因果な商売と言ったらよいのか。ちょうど,警察官

の仕事に通じるものがある。日本の警察は諸外国からは羨望の眼差しを向けられる立派な

仕事をしているのだが,現実に一般人と警察官との接点は「交通違反の取り締まり」が一番

多く,たいていの人はそれによって警察に不快感を持つと思う。これも因果な商売だ。

 

それやこれやで,「釣り仲間」には浅からぬ恩義やら因縁やらがあるので,できればこのまま

続いてもらいたい。取材にも,今後とも極力協力したい。今月(12月)号は今日買ったが,

残念ながら先週弓削島で釣った52cmのチヌは表紙には載らなかった(グラビアには載った)。

実は,その翌日,次の号の取材の下見として,某所でカレイを狙ってみたのだ。そうしたら,

こんなのが釣れたのだ。

 

 

このカレイ(マコガレイ)は,37.5cmのグッドサイズだった。すぐにK記者さんに電話して,

「2週間後(つまり来週)にカレイの取材やる?」と打診したら,「検討してみます」とのこと。

成功したら,今度こそ表紙に写真が出るか?(取材がなくても来週の釣り日記には出します)

今まで「釣り仲間」の取材はパッとしなかったが,これから派手な釣果がどんどん出る・・・かも。

皆さん,「月刊釣り仲間」をよろしく。なお,この雑誌は,岡山県・広島県東部・香川県でしか

売っていません。

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