日記帳(07年12月16日)

 

 

今日の日曜日は,夜に忘年会が1つ入っている。釣りに行く予定はないのでゆっくり起きて,

昼間は年賀状作りと仕事場の掃除をして・・・という予定だったが,7時半ごろ起きると意外に

天気がいいので,ちょっと横島へ散歩に行った。途中でカキをバケツ半分ほど調達し坊地で

竿を出した。釣り人はまばら。先端近くでやってみたが,多少魚の反応がある。1時間ほどで

23cmのハゲが1匹釣れたが,魚の活性が下がったので撤収。仕事場へ戻って年賀状を作り,

今プリンターが地道に印刷している。その間を利用して,これも年内に書いておきたかった,

カープの話を少し。サンフレッチェについては監督が留任したことに疑問の声もあるようだが,

スポーツ新聞などを読むと,あの監督は選手の人望が相当に厚いようなので,まあ妥当かと。

サッカーは1試合通して見ることがめったにないので,今いちよくわからない。

 

カープに関しては,新聞などにいろんな解説や意見が載っているが,ここで全く新しい観点から

球団の経営戦略について提案したいと思う。カープにとって目下の最大の懸案は,「FAでの

選手の流出をどう防ぐか」という点だと,多くの人が思っているだろう。とりあえず困るのは

FA期間の短縮であり,完全ウエーバー制になれば見返りにFA期間を短縮せざるを得ないから,

カープが完全ウエーバーに反対するのは理解できる。その理由付けとして「選手の希望を一切

無視すると,有望選手がメジャーに流出しかねないから」と言っているのは,巨人と共闘して

完全ウエーバーの導入を阻止しようというのだろう。

 

しかし,その戦略は本当に正しいだろうか?より大きな目で見れば,球団経営の究極の

目的は「黒字を出す」ことであり,FAで選手が逃げて行っても球団が黒字になればそれで

いいはずだ。黒字にするためには,強くなければならない。ただし,そこで言う「強さ」とは,

絶対的な戦力の量の問題ではなく,「毎年優勝争いができる」というような,相対的な強さだ。

極端に言えば,カープの戦力が年々低下しても,それと同等(あるいはそれ以上)に,他の

チームの戦力も下がってくれれば,カープの順位はそれだけ上がることになる。

 

そこで,提案がある。カープは現在の主張を撤回して「完全ウエーバー推進派」に回っては

どうか?現在これに反対しているのは実質上巨人とカープの2球団であり,他の球団は

(戦力の均衡が図れるとして)完全ウエーバーを主張している。だからカープが降りれば

巨人は孤立し,完全ウエーバーの導入にはずみがつく。その代わり,カープからは次の

ような提案を行う。

 

「FA取得期間を大幅に短縮して,大卒・社会人は4年,高卒は6年程度で自由に

移籍できる権利を与える」

 

「そんなことをしたらFA選手があふれて年俸の高騰が起こる」と心配する向きもあろうが,

それは大丈夫だ。なぜなら,短期間でFAの権利が取れるほどの実力がある選手たちは,

かなり高い確率で日本よりもメジャーの球団を選ぶはずだから。藤川しかり,田中マー君

しかり,栗原またしかり。FA選手が増えて困るのは「一部の金持ち球団に有力選手が

集中する」からだと言われているが,実際は「有力選手はみんなメジャーに移籍する」

ような事態が起こる可能性が高いと思う。たとえ巨人でも資金力ではメジャーにまるで

歯が立たないことは,黒田や福留の例が証明している。つまり,FA選手が増えて困るのは,

カープよりむしろ巨人のような球団だ。結果としてペナントレースは「低いレベルの争い」に

なり,それだけカープの順位が上がる確率は高まる。

 

そんな試合は誰も見ない?果たしてそうだろうか。あなたがカープファンなら,あなたは

「中心選手が抜けたカープなど応援したくない」と思うだろうか?そんなことはないはずだ。

ふつう特定のひいきチームを持つプロ野球ファンは,選手個人の活躍が見たいのではなく,

ひいきチームが勝つ試合を見たいのだから。高校野球と同じである。

 

この案を採用すれば,FA選手を引き止めたり獲得したりするために高額の年俸を用意する

必要はない。どうせ彼らはメジャーへ行くのだから。結果的に日本人のメジャーリーガーが

増えれば,メジャーの野球中継を見る人は増えるだろうが,彼らが日本の国内リーグの

試合を見なくなるかと言えば,それはないと思う。そこが,サッカーと野球の違いだ。

野球は日本人にとって一種の文化であり,「カープを応援することが心の支え」だと思って

いるファンは多い。日本のプロ野球全体のレベルが下がった場合,地域リーグとの交流戦や,

都道府県対抗の「野球版・天皇杯」でも開けばよい。その大会の参加チームは都道府県

単位とし,プロ選手は所属チームの枠を越えて自分の出身地から出場できる(駅伝と同じ)

システムを採用すれば,大いに盛り上がるだろう。

 

今のプロ野球界を見ていると,各チームのオーナーたちは「どうしたら最も高い収益を上げる

ことができるか」ではなく,「どうしたら自分の球団の戦力の絶対値を上げることができるか」

を最優先に考えているように見える。それがどれほど愚かなことかは,他球団からFAになった

外国人選手を総取りした巨人の例に端的に現れている。その各球団の体質が変わりそうに

ない現状で,カープだけが「野球界全体の利益」などときれいごとを言っても仕方がない。

「チームを強くする」ことだけが,カープ球団が生き残る道ではない。結果的にカープにも

優勝のチャンスがあるような状況が作れれば,ファンは球場に来るはずだ。そのためには,

「年俸の高い有力選手はみんなメジャーへ行ってもらって,低いレベルの争いに持ち込む」

という発想の転換をするのが一つの手ではないかと思うのだが,どうだろうか?

 

あ,ちょうど年賀状の印刷がぼちぼち終わりそう。

 

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