日記帳(08年5月12日〜25日)

 

 

きのうの土曜日(5月24日)は,朝の5時過ぎに起きてみるとまだ雨が降っていなかったので,

夕飯の食材調達に坊地へ行った。5時40分ごろ現地に着いて,すぐサビキの仕掛けを出し,

小イワシを20匹ほど釣ったところで群れがいなくなって終了。朝一番の時合いが過ぎると厳しい。

現地で会ったイカ狙いの人に,早朝に地蔵鼻で釣ったというデカいアオリイカを見せてもらった。

1.7kgを頭に3ばい。市価にすれば軽く1万円は越えそうな立派な釣果だった。

 

夕方,夕飯の買出しに行くため仕事場を出ようとした,ヨメから電話が入った。車の運転中に

後ろの車に追突されて,救急車で病院へ向かっているという。病院へ迎えに行くと,首に

ギプスをはめていたが,見たところ大したケガではないらしい。しかし家事はしばらくまともに

できそうにないので,娘と二人で分担してフォローしなければならない。

 

で,今日の日曜日は再検査のため本人を昼前に病院へ連れて行くため,釣りができる時間は

限られる。朝は雨が降っていたのでイワシは断念して,雨が上がった8時半ごろ,キスを狙って

浦崎へ行った。結果は,満ち上がりの2時間弱でキスを8匹

 

 

サイズは,20cm級が4匹と15cm級が4匹。晩のオカズくらいにはなるので満足。

10時半に竿をたたんで,昼前にヨメを福山市内の病院へ連れて行き,検査が長くかかりそう

なのでいったん仕事場に戻ってこれを書いている。このあとまた迎えに行って,警察や保険屋

さんにも連絡しなければならない。

 

 

自宅の近くに,岡山に本拠のあるK寿司という回転寿司の店がオープンして1か月半。

昼も夜も順番待ちの人が並んでいてなかなか入れなかったが,先日ヨメのお母さんが広島から

来たついでに,家族で入ってみた。・・・・大失敗!100円均一というので味は期待してなかったが,

それにしてもなあ。一度入った人はまず二度と行く気にならないと思うが,いまだ客足は絶えない。

初めての人がひととおり行き終わったら,どうなることやら。近くの「すし丸」の寿司の方が,

300円以上のネタも置いてある分,はるかにマシに思える。しかもK寿司は注文の仕方がやたら

面倒で(ボタンを押して注文するシステムだが,年寄りには無理だろう),「とにかく安い値段で,

寿司の形をしたモノを食べたい」という人以外には向かない。松永近辺でまだK寿司に行って

ない人は,はっきり言ってお勧めしません。

 

話のついでに言うと,国道2号線沿い,松永駅のほぼ真北からちょっと東寄りに,「青島」という

新しい中華料理の店がオープンしている。ここは安くて品数も多く,ファミレスふうで家族連れ

にはお勧めの店だ。それに,料理が出て来るまでの時間がとてつもなく短い。

 

ところで,広島のおばあちゃんが福山に来たのは,鞆の鯛網見物のためだった。

その,鯛網で獲れたというタイを,おばあちゃんが手土産に買ってきた。一見して養殖物と

わかる,黒っぽい色のやつ。さばくと包丁が脂でベトベトになる。刺身にしたのが失敗で,

塩焼きか煮付けにでもするべきであった。

 

 

話は変わって。先日の新聞に,こんな趣旨の記事が載った。

 

「世界遺産に指定されている宮島では,大勢の観光客が訪れるため,環境の維持に多額の

経費がかかる。そこで,観光客から『入島税』を徴収してその収入を島の美化や環境維持に

充てる,という案について一般の人々にアンケートを行った結果,およそ4人に3人が賛成した。

適正な入島税の金額として最も多かった意見は『百円程度』だった」

 

この記事を読んで思ったのは,「賛成しなかった人たちはどう考えたのか?」ということだ。

記事によれば,4人に1人は賛成していない。これは決して小さい数字ではない。

何か,その人たちなりの理由があるはずだ。「たとえ1円でも余分なお金は出したくない」と

いう人もいるだろうが,それだけではないだろう ---

 

なぜこういうことを書くかと言えば,何かを議論しようとするとき,「自分とは違う意見を

持っている人たちは,何を根拠にして自分の意見を正当化しているのだろうか?

と想像することが,非常に大切ではないかと思うからだ。この発想の対局には,異なる

意見を持つ人々を「彼らは単に愚かなだけだ」と切って捨てる排除主義的な思想がある。

 

さて,「入島税の新設」に賛成しなかった人たちの「理」とは何だろうか?

 

 

たとえば,こんなふうに考える人もいるだろう(赤ちゃんポストの設置に反対した人たちの

発想にも通じる)。

 

もし宮島がこのような措置を取ったら,他の観光地も便乗して同様の『税』を新設

しかねない。どこへ行くにも余分なお金を取られることになってはかなわない。

それを食い止めようとしても,他の観光地は『なぜ宮島だけがその種の税を課すことを

認められるのか。世界遺産であろうとなかろうと,環境維持に経費がかかるのはどこも

同じだ』と主張するだろう。宮島だけに税を認めれば,他との公平が保てない。

 

また,「筋が違う」という発想をする人もいるだろう。たとえば,

 

観光客から税の形で徴収するのは筋違いだ。環境保護(あるいは世界遺産の保護)

はすべての人々(国民)の責任だから,経費は一般財源(他の税収)から補充すべきだ。

たとえば,ドライバーから徴収したガソリン税を,受益者負担の原則から道路財源に

充てるような発想をするのは日本だけで,ヨーロッパではガソリン税は自然保護にも

使われる。自動車が環境を悪化させていることは自明だからだ。同様に,宮島の

環境が悪化しているとしても,その責任を観光客だけに負わせるべきではない。

 

さらに,こう考える人もいるだろう。(これが一番多いかも)

 

お金で問題を解決したのでは,観光客のモラルは向上しない。逆に「オレたちは入島税を

払ったのだから,ゴミを散らかしてもいいだろう。掃除はオレたちから徴収した税を使って

やってくれ」と開き直る人も出て来かねない。入島税は,かえって観光客たちの自然保護

意識の低下を招くおそれがある。

 

まだまだいろんな理由が考えられるが,重要なことは,こうした考え方には,その人なりの

「理」があるということだ。アンケートには「なぜ入島税に反対なのですか?」という項目が

ないから,賛成派は反対派が想定する理由を推測するしかない。このとき,反対派を

「たかだか百円ぽっちのお金も払いたくないケチな連中」と決め付けるのは感心しない。

「一見ほとんどの人が賛成しそうな入島税という案に,この人たちはなぜ反対するのか?

まさか百円ぽっちの金が惜しいわけではないだろう」と考えること,つまり,相手も自分と

同じようにまっとうな判断力を持った大人だという前提に立った上で,相手の考えを

推し量る努力をすることが,まともな議論が成り立つための大切な条件だと思うのである。

 

 

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