日記帳(09年4月13日〜5月24日)

 

 

連休前から取り組んでいた大きな仕事が20日ごろアップし,続いて今月末までに片付けたい

仕事に入っている。ここのところ頭が仕事モードで,日記を更新するヒマがなかった。

今日の日曜日も,仕事の合い間にこれを書いている。

 

どうでもいいようだが腹の立つことが時々ある。これはどうでもいいのかどうかよくわからんが・・・

「やっぱりソフトバンクはペケ!」という話。前にも書いたように,おじいちゃんに持たせている

ソフトバンクの携帯が来年使えなくなるというので新しい機種に切り替えたが,トラブルが起きた。

いちいち小さいボタンを押して番号をダイヤルする手間を省くために,おじいちゃんの新しい

携帯では,真ん中のボタンを押すと電話帳(短縮番号と名前)が出るように設定しておいた。

たとえば「1 自宅」のように。これなら,「1」を押すだけで自宅に電話をかけることができる。

ところが,先日おじいちゃんから相談を受けた。「ようわからん画面が最初に出て来て,前に

作ってもろうた電話帳の画面が出んのじゃが」。その「ようわからん画面」とは,「メールが

届いています」というお知らせ画面だった。しかしプライベートでおじいちゃんにメールをくれる

ような人はいないし,スパムメールはブロックされている。何のメールが入るのかと言えば,

それは「ソフトバンクからのお知らせ」(主に前月の電話の使用料金の通知)だった。

この画面が出ると,ボタンを何回も押してメールを読まないと初期画面に戻らない。

そんな複雑な操作をおじいちゃんにさせるのは困るので,ソフトバンクへ電話機を持って行った。

担当のお姉さんに,「メール機能を取り外す」,または「ソフトバンクからのお知らせメールを

受信しないよう設定する」,あるいは「受信しても画面には出ないようにする」,のどれかの

方法が可能ですか?と尋ねた。返答は・・・どれもできない,という。「年寄りはメールなんか

使うことはないんじゃけ,メールを読まんと次へ進めん,というのは不便なんじゃないですか?」

とお姉さんに言ったが,「メールは標準仕様でどの機種にもついていますので・・・」という。

ちなみに,NTTドコモからも「古い機種は3年後に使えなくなります」という通知が来たので,

自分の携帯を持って行って新しい機種に交換することにした。ドコモのお姉さんに同じ話を

したら,ドコモの場合は「メール機能を外す」ことができるのだという(その分料金も下がる)。

それを聞いてますます,「使おうが使うまいがメール機能が必ずついていて,ソフトバンク

から強制的に送られて来るメールを読まないと『メールが届いています』というメッセージが

消えない」というシステムは,ユーザーに対して失礼なんじゃないか,と改めて思った。

 

腹の立つ話その2。これは政治がらみ,というかマスコミがらみ。

もう10日くらい前のことになるが,自民党の鴻池官房副長官が女性スキャンダルで辞任

した際に,マスコミは「麻生首相の任命責任」を問うた。新聞やテレビニュースの論調は

ほとんどが「麻生首相に任命責任がある」というものだったが,こいつらはバカじゃないのか?

と思った。厳密に言うと,本気でそう思っているのならバカだし,単なるアジテーションとして

心にもないことを言っているのならバカではないが悪質だ,ということだ。

断言しよう。女性問題で辞任した閣僚を任命した責任は,総理大臣にはこれっぽっちもない。

もちろん,形式的な責任はある。任命権者が任命した人物が辞任したのだから。しかし

マスコミが言ういわゆる「任命責任」とは,道義的な責任を意味しているはずだから,

そういうものはない,という話だ。個人的には麻生首相は(生理的に)大嫌いだが,それと

これとは話が別だ。「任命責任がある」ケースとは,たとえば「首相が農務相に任命した

人物が,実は農政のことを何も知らなかった」というような場合だ。このケースでは,本人の

勉強不足だけでなく,適材適所の人事を行わなかった首相の任命責任も問われるべきだ。

しかし,「官房副長官が女性問題で辞任した」という場合,その人物は「官房副長官として

不適切だった」のではなく,「政治家として不適切だった」のである。だから,もしも誰かに

「責任」があるとすれば,それは任命した首相にあるのではなく,その人物を政治家にした

有権者の方にある。それが,論理的な思考というものだ。

こんな簡単な理屈がわからないのか?おまえら(マスコミ)はバカか?というわけだ。

 

論理的という点で,もう1つ。スマップの草薙くんが逮捕されたとき,鳩山総務相が「人間と

して許せない」と発言し,後に撤回した事件があった。多くの人があの発言を不愉快に

思ったのは当然だが,あの発言は「言いすぎだ」とかいう「程度の問題」ではない。

言葉の使い方が間違っているのである。「人間として許せない」という言葉は,「その行動を

取った人が誰であろうが許されない」という場合に使うべきだ。深夜の公園で全裸になって

暴れた人物がそこらへんのサラリーマンだったとしたら,あるいは小学生の男の子だったと

したら,鳩山氏は果たして「人間として許せない」と思っただろうか?たぶん,そうではない。

あの発言は,草薙くんのような立場にある者はもっと責任ある行動を取らねばならない,

という気持ちが言わせたのだろう。もしそうであるなら,そういうシチュエーションでは

「大人(あるいは社会人,あるいは社会的注目度の高い人間)として許せない行動だ」と

言うべきだ。つまり鳩山発言は,言葉の誤用である。補足すると,その後の鳩山氏の

撤回発言については評価したい。当然打算は働いただろうが,自分の間違いを率直に

認めて詫びるというのは,簡単にできることではない。まして政治家ならなおさらだ。

あの発言の主が麻生首相なら,おそらく撤回などせず言いつくろっていただろう。

それを思うと,鳩山さんは「人間として」OKだ。使い方間違ってるが。

 

さらに,「説明責任」という言葉についても,大いに疑問を覚える。民主党の小沢代表の

秘書の献金疑惑が持ち上がったとき,多くのマスコミは「説明責任を果たしていない」と

糾弾した。しかし,これもおかしい。小沢氏は,十分に「説明責任」を果たしていたと思う。

小沢という人物も決して好きではないが,またしてもそれとこれとは話が別だ。

小沢氏の説明を要約すれば,「秘書は迂回献金だとは知らなかった,と言っている」

「自分も,もちろん違法性の認識はなかった」「あとは検察の捜査を待ちたい」となる。

これ以上,何を「説明」しろと言うのか?--- 今さら言うまでもないことかもしれないが,

世論調査で「小沢氏は説明責任を果たしていない」と答えた人が7割近くに上ったのは,

質問の仕方が悪かったからである。その7割近くの人たちが言いたかったのは,たぶん

「小沢氏は潔く自分の罪を認めるべきだ」ということだろう。そしておそらく,小沢氏はクロ

だろう。しかし,そういう気持ちを「説明責任」という言葉にすりかえてはならない。それは

言葉を粗末にすることであり,マスコミにとってはある意味で自殺行為だ。世論調査では,

「小沢氏は説明責任を果たしたと思いますか?」ではなく,「小沢氏はクロだと思いますか?」

という質問をすべきだったのだ。マスコミがそうしなかった理由も,およそ推測できる。

「シロかクロか判断しろ」と問われたら,良識のある人なら「判断材料がないから答え

られない」と言うに決まっている。それでは調査する意味がないから,献金疑惑に

対する世間の「気分」をあぶり出すために,一種の誘導尋問として「説明責任」という

言葉を使ったのだろう。

 

これらの例は,マスコミが必要以上に「ネガティブなレッテル貼り」を好むことを示している。

民主党の代表が鳩山氏に交替したとき,「小沢氏のかいらい政権(小沢院政)」という

言葉がちらほら見受けられたが,これも同様だ。おおざっぱに言えば,世間は小沢氏が

民主党の代表から降りることを望んだが,それは小沢氏の掲げた政策を否定したから

ではない。献金スキャンダルだけが唯一の理由だ。政策の面だけで言えば,「自民党

政権では今までと同じことしかできないのだから,一度民主党にやらせてみろよ」という

「気分」が支配的だ,と言っていいだろう。つまり世間の多くが望んでいるのは,「民主党

が政権を取るのはOK。しかし代表が小沢ではダメ」ということだろう。そのことは,

総理にふさわしい人物として,現時点の世論調査では鳩山氏への支持が麻生氏を

上回っていることにも現れている。だとすれば,世間は民主党が「小沢路線」を継続

することに決して反対してはいない。つまり,政策的には「小沢院政的」であっても

かまわない,と世間の大勢は思っている。しかし,「かいらい」「院政」のような否定的な

言葉でそういう状況を説明しようとすると,世間の「気分」もそれに引きずられてしまう。

ここでもまた,意図的にそういうことをしようとしているのであればマスコミは悪質だし,

無意識のうちにそうしているのなら,もっと言葉の使い方に気を配るべきだ。

 

「任命責任」とか「説明責任」とか,「誰かに責任がある」ことを前提にした言葉を

マスコミが頻繁に使うことが一つの理由となって,この国の多くの人々は「誰かの

責任を追及したがる癖」がついてしまっているように思える。実際には世の中には,

「誰の責任とも言えないこと」がたくさんある。日本人は近年他人に対する許容度が

下がってきて,すぐに「キレる」ようになった,と言われるが,その原因の一つは,

マスコミの「何でもネガティブに報道する」習性,あるいは「責任追及癖」にあると思う。

 

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