日記帳(10年2月22日〜4月4日)

 

 

気がつくとこの日記も,1か月以上更新してなかった。

下の娘が大阪の大学へ行くことになったので,3月は買い物や引っ越しで忙しかった。

4月はまるまる1か月かけても終わるかどうかの大きな仕事があり,引き続き忙しい。

が,プロ野球が開幕したこともでもあるし,カープの話を少し。

 

現時点でカープは今日の負けを入れて1勝7敗の最下位で,これは十分予想できた。

理由は,懸念したとおり,「準備不足で本番に突入した」からだ。具体的には,投手に

関しては限られた持ち駒をフルに使っているのだから,打たれたことは仕方がない。

彼らがダメだからと言って,代わりはいないのだから。問題は,打線にある。

調子が悪いとかどうとかは本質的なことではなく,今のスタメンを選択していることに

合理的な説得力がないことが問題だと思う。野村新監督は,キャンプが始まる前には

「レギュラーは栗原と東出だけ」と公言していたが,実際にはかなり早い時点で今の

スタメン(7番以外)を決めていたふしがある。今日は途中からラジオを聞いたので

知らないが,今まではほとんどこのラインアップだった。

 

(二)東出

(遊)梵

(中)天谷

(三)栗原

(左)フィオ

(一)ヒューバー

(右)広瀬

(捕)石原

 

1〜6番はオープン戦からずっとこの打順で,たぶん監督の理想に一番近い形なのだろう。

しかしこの8人のうち4人は「一定の成績を残せると期待できる根拠」がなく,期待の方が

先行したメンバーだ。その4人とは,梵・フィオ・ヒューバー・石原の4人だ。

本来なら本番が始まる前に戦力の見極めを終え,ベストの布陣で臨むべきだった。

しかし実際はおそらく,「とりあえず自分が最も期待する打線で勝負してみたい」という考えが,

監督にはあったのだろう。それで結果が出ていない以上,敗戦の責任は当然監督にある。

 

問題なのは,今のレギュラー(特に上記の4人)が,「チーム内の競争に勝った結果」

としてスタメンの座を得たのではないことだ。今年のオープン戦の成績(日本人選手は

それに加えて最近1〜2年の公式戦の成績)を数字の上だけで比較してみれば,彼ら4人

にはレギュラーの資格はない。監督はキャンプの頃には「選手同士で競争してほしい」と

言っていたが,実際は2月には開幕のスタメンが監督の頭の中で決まっていたようだ。

監督はたとえば石原について「普通にやれば成績を残す選手だと思っている」と最近も

語っているが,その根拠がわからない。石原の去年の打率は2割ちょっとであり,梵も

2割3分にも届かない低打率だった。彼らは今年のオープン戦でも,少なくとも打率に

関しては「実力通り」の結果しか残していなかった。さらに二人の新外国人も,オープン戦

の成績は2割あるなしの低打率だった。これでレギュラーになれるのだったら,最初から

「競争」などと言わない方がいい。本当に競争を重視するなら,2年続けて3割近い打率を

残している小窪や,オープン戦で好結果を残した嶋・倉らがレギュラーの座を獲得すべきだ。

本人たちも当然,同じような疑問や不満は持っているだろう。要するに今のレギュラーは,

「監督の好み」が色濃く反映しすぎていて,フェアでない印象を受ける。サッカーなら

まだしも,野球は基本的に各個人の能力の足し算で勝負すべきスポーツではないだろうか。

打線に関して言えば,より高い出塁率を期待できる選手が優先的に起用されるべきでは

ないかと思うのだが。

 

ただ,今の成績は,長い目で見れば将来のカープにとってはいいことだ。もっともっと負ける

べきだと思う。中途半端に勝ったり負けたりしていたのでは,ドラスチックな改革はできない。

カープ打線がこの先どのような形に変わっていくかを,希望的観測を含めて予想してみたい。

まず,先発左腕のメジャーリーガーの入団が決まっていることがポイントになる。1軍枠は4人

なので,今の投手陣の編成を見る限り,シュルツとジオは外せない。これに新外国人の

左腕投手が入ると,残る席はあと1つしかない。したがってフィオとヒューバーのどちらかが

2軍に落ちることになる。まだ何とも言えないが,外れる可能性がより高いのはヒューバー

だろう(ただし彼は野村監督の強い要望で獲得した経緯があるので,断定はできない)。

ヒューバーが外れた場合の第1の案は,栗原を一塁に戻して小窪を三塁に入れるオーダーだ。

 

(二)東出

(遊)梵

(中)天谷

(一)栗原

(左)フィオ

(三)小窪

(右)広瀬(嶋・末永)

(捕)石原

 

しかしこれも,将来カープが優勝を争うようなチームになるための「過渡期」の打線にすぎない。

特に,梵の2番は「苦し紛れ」の策でしかない。彼の足を生かすなら1番でなければ意味がない。

2番・梵だと,1番の東出が出塁したときに判で押したようにバントで送っており,自慢の足を

生かすチャンスがない。しかも小技が得意なタイプではない(空振りが多い)からエンドランも

かけづらい。梵・東出の1・2番なら,確率は低いが梵が出塁したときは1死3塁のチャンスを

作れる可能性があり,エンドランもかけやすい。しかし梵は出塁率の絶対値が低すぎて,

年齢的なこともあり彼を1番に置いても将来の展望は開けない。今後も梵の出塁率が上がら

なければ,こんなオーダーに切り替わるかもしれない。

 

(二)東出

(三)小窪

(中)天谷

(一)栗原

(左)フィオ

(右)広瀬(嶋・末永)

(遊)梵

(捕)石原

 

このオーダーの場合,小窪は小技のうまい選手なので,東出が出塁すればいろんな作戦が取れる。

しかし小窪には単独盗塁できるほどの足はないので,小窪自身が出塁したときは機動力があまり

使えない。そこで,2番に俊足の左打者を置けば(巨人の松本のように),フリーに打たせても併殺が

少ないので,得点力は上がるだろう。候補は東出だが,彼も見かけほど器用なタイプではなく,足も

梵・赤松・天谷ほどではないので,優勝を争うチームの上位打者としては物足りない。

そこで天谷を2番に置き,小窪を3番に置いてみよう。

 

(二)東出

(中)天谷

(三)小窪

(一)栗原

(左)フィオ

(右)広瀬(嶋・末永)

(遊)梵

(捕)石原

 

これなら東出−天谷でも天谷−小窪でも小技が使えるので,一番得点力が上がりそうだ。

天谷は1番でもいいが,勝負の遅い(四球の多い)打者なので東出より2番の適性がある。

小窪は最近2年の成績から見て,レギュラーで使えば3割前後の率は残すだろう。

しかし,このオーダーも最終形ではない。走力が売りの梵を下位に置いたのでは意味がなく,

それなら小窪をショートに回して三塁栗原・一塁に打力のある選手を置く方がベターだろう。

将来の構想を外国人に頼ることはできないので,とりあえずスタメンに外国人を1人だけ置く

方向で,個人的に将来(1〜2年後)の「理想的な打線」を考えてみた。

 

(中)赤松

(左)天谷

(遊)小窪

(三)栗原

(右/一)岩本

(捕)会沢

(一/右)外国人

(ニ)東出

 

これを理想と考える根拠は,現在のファームの選手が将来成長してスタメンに入るとしたら,

ウエスタンで3・4番を打っている会沢・岩本の二人しか考えられないからだ。今年入った

堂林・庄司も,(少ないながら)二軍のスコアを見ると期待できそうだが,まだ判断するには早い。

会沢は栗原の後の4番候補であり,岩本は今のカープの若手の中で唯一の長距離打者だろう。

天谷を2番に置くなら1番は梵か赤松のどちらかであり,今後の伸びしろが期待できる赤松を

選びたい。

 

順番としては,まず石原から会沢への世代交代を図る必要がある。どのみち次の正捕手は

会沢で決まりなのだから,会沢−小窪−天谷(赤松)のセンターラインを早く固めるべきだ。

ファームで最近スタメン1番でデビューして2戦連続で猛打賞を放った堂林を,早い時期に

「8番・三塁」でデビューさせる手もあるかもしれない。

 

 

投手に関してはここ1〜2年で「構造改革」が達成されているので,今後大きな変更は必要ない。

具体的には,先発投手陣の若返りが達成できている。今後しばらくは,大竹・前田健・斎藤・

篠田・今井・小松・今村ら若い投手が先発の中心を担うことになるだろう。それ以前の先発が

黒田・大竹以外は長谷川・宮崎・青木高くらいしか名前が上がらなかったことを思うと,雲泥の

差がある。一番の心配は永川だが,抑えは今年入った新人の武内あたりの成長を期待したい。

 

いずれにせよ,監督が長期的展望を持って「毎年優勝を争えるチーム」を作ろうと思えば,

遅かれ早かれ今の打線には抜本的な組み替えが必要であることは間違いない。

今のレギュラーにこだわって今年もBクラスに終わっても,先には何も残らない。

そういう意味では,生活がかかっている選手たちには申し訳ないが,今年は早い時期に借金が

20〜30くらいに膨らんでチームとしての目標を失い,「次の世代の選手を育てる」方向にシフト

する方が,長い目で見ればプラスだと思う。野村監督は今年どれだけ成績が悪くてもクビになる

ことはないだろうから,今年は「助走期間」のつもりで,せいぜい試行錯誤してもらいたい。

 

日記帳の目次へ戻る