日記帳(10年5月31〜6月27日)

 

 

●きのうの土曜日(6月26日)も朝から晩まで仕事して,今日も引き続き仕事.

今書いている原稿は日本語入力が「,+.」のモードなので,「。」が「.」になっている.

大きい仕事といくつかの小さい仕事を並行してやっているので,小さい仕事はどうしても

週末に回すことになる.今日は雨もやんで釣りもできそうな天気だったが・・・

 

今年になって,半年でこれだけ本が出ている.(著作リストはこちら

 

 

一番右のは,岩波ジュニア新書から今週出たばかりの最新刊だ.

高校生向けなので,高校生の皆さんまたは高校生のお子さんをお持ちの皆さんは

是非本屋さんでごらんください.あと,TOEIC受験者にはその左の2冊もお勧めです.

 

●大学時代に親しくしていた友人が心筋梗塞で亡くなり,通夜に出席するため東京へ行った.

告別式の6月24日が,ちょうど本人の53歳の誕生日だったそうだ.最近特に変わった様子は

なかったそうだが,奥さんが朝起きたら本人が洗面所の前で倒れていて,そのまま亡くなったという.

残された奥さんやお子さんも気の毒だが,本人は人生を全うする途中でこの世を去った気がして,

胸が痛む.人間,できるうちにやりたいことをやっておくのが大切だと思う.通夜の後で久しぶりに

会った学生時代の友人たちと飲みに行ったが,みんな体のこととか家庭のこととかであれこれと

問題を抱えていて,どうしても「お互い大変だねえ」という話になる.さしあたり体には気をつけねば.

 

●しかし今週は,明るい話題もあった.サッカーだ.まさか日本が一次予選を突破するとはなあ.

でも,どの試合もリアルタイムでは見なかった.最初の試合は途中まで見たが,点が入りそうに

ないので寝て,朝起きたら1−0で勝っていた.次のオランダ戦は負けが確実なので最初から

見るつもりはなく,やっぱり負けていたが0−1だから立派なもんだ.最後のデンマーク戦は

起きている時間なら見たかったが,夜中の3時じゃどうしようもない.朝起きて仕事場へ行き,

ネットのニュースを見ると3−1で勝っていたのでびっくりした.テレビ局もウハウハだろう.

カープが最近先の展望がまるで見えない試合を続けているので,サッカーで一時的にでも

盛り上がれた.カープは正直,投手陣がここまで壊れるとは予想してなかった.大野コーチは

前回カープのコーチをやったときもずっとチーム防御率が4.5を越えて引責辞任しただけに,

今年のオフも進退問題が出てくるのは必至だろう.個人的には,普通に投げられさえすれば

そうは打たれないだろうと開幕前に予想した投手が5人いた.それは,前田健・大竹・シュルツ・

梅津・篠田だ.このうち大竹とシュルツは故障中で,梅津は故障の影響からか精細を欠いている.

篠田は,使い方が悪かったと思う.先発に固定すればそこそこ勝てるはずだ.今後に期待したい.

 

●で,あんまり部屋に閉じこもって仕事ばっかりもどうかと思って,今日は昼から映画に行った.

今話題の,「告白」を見た.ぶっちゃけ最低だった.小説が250万部売れたことはまあ許そう.

話題作だから買ってみよう,という人も多かっただろう.映画がヒットしているのかどうかは

知らないが,これも評判につられて大勢の人が見に行ったとしても,それはそれでいいだろう.

しかし,映画が原作をなぞったのだとすれば(原作は読んでないから知らない),どうしてあんな

小説が「本屋大賞」なのか全く理解できない.映画を見てない人にはネタバレになるが,この

「告白」という物語の内容を一言で言えば,「大人が子どもに復讐する話」である.それ自体が,

もうどうしようもなくダメだと思う.殺人を描くことがダメなわけではない.しかし,たとえば

「必殺仕置人」のような話がウケるのは,基本的に「弱い者が強い者に勝つ」という形での

カタルシスがあるからであって,いくら殺人犯とは言え中学生の子どもを大人が成敗すると

いうのは,ただの弱い者いじめだ.主人公が教師だとかいうことは関係ない.あの映画を見て

「ああ,面白かった」と思う(何の後味の悪さも感じない)人は,大きなお世話かもしれないが,

自分のさもしい心根を反省してほしいと思うくらいだ.また,この話は「不幸の見本市」のような

内容で,登場人物たちが不幸を抱えたまま,絶望したり死んでいったりする.早い話が,

最近マンガやゲームで流行している「殺人ゲーム」のシチュエーションを,少し現実に近づけて

描写しているに過ぎない.食べ物にたとえて言えば,辛いだけのキムチのようなものだ.

単に刺激的な筋立てや映像を面白がるのは,「辛けりゃ何でも美味しい」と唐辛子の味しか

しないキムチを食べているのと同じだと思う.一般の読者や映画館の客がどういう楽しみ方を

してもそれは自由だが,仮にも読書のプロが選ぶ大賞を,この小説が勝ち取ったという事実が

どうしても信じられない.全然読書家ではない自分が言うのもおこがましいが,全国の書店員さん

たちはそこまで感性のレベルが低いのか?と思わざるを得ない.

 

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