日記帳(2012年9月9日)

 

 

ようやく暑い夏も終わりかけているようですが,皆さんお元気でお過ごしですか?

私は今日も普通に仕事をしています…

 

今日は,今年見た映画を順にご紹介します。夏の間は外へ出るのも暑いし,

人が少ない変則的な時間に数本映画を見ました。1月から数えると結構な数を

見ました。釣りに行かない休日は,映画を見たり本屋を回ったりして過ごしてます。

洋画も嫌いではないんですが,長いのが多い。休日とは言え一日中休んでは

おれんので,1〜2時間くらいの短い作品を見ることが多いです。

 

◆山本五十六

戦記もの。小学生か中学生の頃に「トラ・トラ・トラ」という映画を見たことがあって,

もう昔のことでよく覚えてないが,確かその頃はまだ松永駅前に映画館があった。

戦争映画を見た後で暗い映画館から明るい日常へ戻ったときの何とも言えない

違和感というか安心感のようなものが今も強く印象に残っていて,映画はやっぱり

映画館で見るに限る。この映画は悪くはなかったが,想定の範囲内。70点。

 

◆シャッフル

アメリカ映画ではなく,日本映画の方。5人の男たちが銀行強盗をしたが,金を

隠したそのうちの一人が記憶喪失になってしまい,残った4人はあの手この手で

本人の記憶を思い出させようとする,しかし…という話。設定が「キサラギ」に似て

いたので期待して見に行ったが,ちょっと後味が悪かった。こういうストーリーなら,

必ずしも人がバタバタ死ななくてもいいと思う。60点。

 

◆幕末太陽伝

日本映画の人気投票では常に上位に入る作品だが,今まで見たことがなかった。

最初にいきなり映画製作当時(1950年代)の東京の風景が出てくる斬新な作品。

話がよくできていて,主演のフランキー堺や競演の石原裕次郎らのキャラが立っている。

当時の江戸っ子はああいうふうに喋っていたのかもしれないが,セリフが早口すぎて

ところどころ聞き取れないのがややマイナス。80点。

 

◆日本列島−いきものたちの物語

ドキュメンタリー映画。日本を代表するカメラマンたちの合作だそうで,映像は確かに

素晴らしい。(たぶん)CGを使ってないのもいい。魚があんまり出てこなかったのが

ちょっと残念。メインの動物の1つがサルだったが,ちょっと話を盛りすぎのような気も

した。「物語」というタイトルなので物語風にしたかったのだろうが,もうちょっとシンプルに

単に生き物の生態を追いかけるだけでもよかったかも。70点。

 

◆ライアーゲーム

甲斐谷忍の人気マンガが原作で,テレビドラマのほか映画も何作か作られている。

閉ざされた空間の中で大勢の人間が頭脳ゲームを繰り広げるという設定で,話は

かなりよくできている。見ていて退屈することはないだろう。このシリーズは,同種の

作品の中では一番安定して面白いと思う。基本的に「殺人ゲーム」的な映画は嫌いだ。

必然性のない状況でバタバタ人が死んでいくような作品は,製作者が安易な刺激に

頼りすぎていると思う。その面でもこの作品は秀逸だった。80点。

 

◆FLY 平凡なキセキ

町工場で働くさえない若者と,子持ちの未亡人との間の淡い恋愛感情を描いた…

と言えば聞こえはいいが,主演の若者が吉本の小藪千豊,主要キャラクターの

「冴えない宇宙人」が温水洋一というキャストで,お笑いなんだか何なんだかよく

わからない作品。しかし,こういう「小市民が右往左往する話」は好きだ。70点。

 

◆SPEC 天

日本のテレビの人気シリーズ(見たことはない)の映画化ということで,一口で言えば

特殊能力者のバトルを描いた話。予告編が面白そうだったので見に行ったが,金が

もったいなかった。シナリオのレベルが低すぎる感じ。製作期間が短かかたのかも

しれないが,もうちょっとやりようがあったろうに…と思った。30点。

 

◆宇宙兄弟

これも大ヒットマンガが原作。「テルマエ・ロマエ」とどっちかと迷って,こっちを見た。

宇宙を目指すダメな兄(主人公)と優秀な弟の話。原作はわりと地味なシーンが多いが,

映画っぽい仕上がりになっていた。原作自体があまり好きじゃないので65点。

 

◆メン・イン・ブラック3

ウィル・スミスがいいですね。全体として良質のエンターテイメントだと思う。

しかし話の深さは,ちょっと似たテーマを扱っている浦沢・長崎コンビのマンガ

「ビリー・バット」の方が格段に上だ。70点。

 

◆中島みゆきLive 歌旅

ライブコンサートの映像をそのまま編集して劇場映画ができる,というのは,この人

以外ではAKBと尾崎豊くらいだろうか。中島みゆきは好きだがライブコンサートには

まず行けないので,映画で見ようと思った。この映画に限り割引券が使えず2千円

取られたが,客はけっこう入っていた(福山のコロナ)。10数曲出てきたが,印象に

残った曲を3つ挙げるなら,「ファイト!」「荒野より」「命の別名」だ。75点。

 

◆臨場

人気テレビシリーズ(見てない)の映画化。主人公は警察の死体検死官。

「犯人探し」が話のメインになっている割には,ネタバレがちょっと早すぎる。

シナリオにもう一ひねりほしかった。それに,主人公が病気で死にそうであることに

必然性があまりない。50点。

 

◆ポテチ

仙台を舞台にした,社会的弱者たちの「ちょっといい話」的な。原作は伊坂幸太郎。

主要登場人物の一人は野球選手,あとは主に窃盗犯グループ。

面白かったです。カタリシスもありました。DVDで見てもいいかと。85点。

 

◆ヘルタースケルター

映画化が決まったときから,絶対見るつもりだった。原作は岡崎京子の名作マンガで,

これを蜷川実花監督が実写化するとなると,こんな感じになりそうだ…という予想を

裏切らない出来だった。それでもやっぱり原作の方が面白いと思うが,これはかなり

原作に近い完成度の作品になっている。沢尻エリカの「ここまでやるんか?」という

演技も見所。今年の映画賞を何か取るんじゃないか?80点。

 

◆ぱいかじ南海作戦

予告編を見て,「夏に海へ行けんのなら,せめて気分だけでも」ということで見に行った。

失業し妻にも逃げられたダメ男が自分探しの旅に出た沖縄の僻地の海岸で出会った

いろんな人と小さな騒動と交流を繰り広げる…という話。原作は椎名誠。画面の大半が

海岸でのキャンプ生活を描いているので,映画を見ているだけで海にいる気分になれる。

主演の阿部サダヲもいい。85点。

 

◆おおかみこどもの雨と雪

100点。誰が何と言おうと100点。「どこがいいか」と問われると人によって答えは違う

でしょうが,私は,おそらくは世界中のあらゆる民族に共通と思われる,「思春期の

男の子と女の子」の普遍的な心情の描き方が巧みだと思いました。こういうものを

作らせたら,日本人のアニメ監督と絵画スタッフのセンスは世界一でしょう。

 

◆あなたへ

たぶん今年の映画賞の最有力候補なんだろう。高倉健をはじめ,出演者の演技はみんな

さすが,という感じ。ただ最高齢の大滝秀治は,そろそろ体力的に限界では?話はよく

できていて,風景(特に高台の城跡)も美しい。しいて注文をつければ,登場人物の中に

一人気の毒な人がいて,せめてこの人にとって救いのあるエンディングにしてほしかった。

実社会ではみんながみんな幸せな生活を送っているわけではないし,作品も当然そういう

幸福と不幸の交じり合ったリアリティを追求しているんだろうが…ちなみにその人は女だよ。

総合評価は…80点かな。

 

 

なお,次に見に行こうと思っている映画は「天地明察」です。

 

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