日記帳(2013年7月14日)

 

 

この週末もずっと原稿を書いていたが,今日の日曜日(14日)の午後3時ごろに脱稿。

これで今日のノルマは終わり。あとは帰って風呂に入って酒を飲むだけ。

 

ところで,きのう大変なことがあった。じいちゃん(父)が熱中症で死にかけたのだ。

詳しく書くと,こんな感じだった。

うちの実家は,自宅からも仕事場からも車で3分くらいのところにある。

老老介護で,88歳のじいちゃんが5歳年下のばあちゃん(要介護4)の世話をしている。

ばあちゃんは毎週末に,土〜月の2泊3日で近くの施設へ泊まり(ショートステイ)に行く。

土曜日の朝9〜10時ごろ施設から迎えが来るが,きのうの土曜日は体調が悪くて支度が

間に合わないとじいちゃんから連絡があったので,施設には「昼食の後で自家用車で

連れて行きます」と伝えておいた。

 

ヘルパーさんは週に2回(各1時間半)来るだけなので,実家の二人は食事に困る。

ばあちゃんは体調がいいときは車いすに座ってある程度料理ができるが,食事は

なるべくうちで前日に作った残り物を持って行くようにしている(週に3〜4回くらい)。

また,実家はじいちゃんのボケ防止のためにまだ八百屋をやっている。

(じいちゃんは毎朝5時ごろに東尾道の市場へ車で仕入れに行く)

もっとも客はほとんど来ない。せいぜい1日に数人くらい。

きのうの午前11時ごろにおかずを持って行くと,珍しく店にお客さんが来ていた。

しかし,じいちゃんの姿はない。お客さんにあいさつし,奥へ上がりこんで居間へ行くと,

じいちゃんがソファでぐったりしていた。この部屋は冷房は入っていない。

 

このときはまだ事態がそれほど深刻とは思ってなかったので,お客さんを待たせたら

いけんと思って,ふらつくじいちゃんを支えて店の上がり口まで連れて行き,お客さんに

勘定をしてもらった。お客さんが買った商品は,ネーブル8個,缶入りサイダー2本,

昆布の佃煮1パック,それにバナナが1房(4本)だった。当然のことだが,商品に値札は

ついていない(青果市場も魚市場と同じ理屈で,毎日仕入れ値が変わり,それに連動して

売り値も変わるので,基本的にいちいち値札をつけたりはしない)。じいちゃんに1つずつ

値段を聞いて,お客さんに伝える。ネーブルが1個100円,缶サイダーが1本110円,

佃煮が200円・・・とここまではよかったが,バナナの値段を聞くと「1本200円じゃけえ,

4本で800円じゃ」と言う。いやいや,そりゃおかしいじゃろう。バナナ1房800円は高すぎる。

お客さんも「そうよねえ」と言い,とりあえず300円もらっておいた。

 

その間にじいちゃんは畳の上にぐったり横になってしまい,見るからにヤバそうになってきた。

お客さんも「大丈夫?何か手伝おうか?」と言ってくれたが,「いや,大丈夫です」と答えて

帰ってもらい,急いでじいちゃんを引きずって,ばあちゃんの部屋のベッドの脇に寝かせた。

この部屋は冷房が効いている。ばあちゃんは体調が悪く寝たままの状態だ。

じいちゃんの症状は明らかに熱中症っぽいので,急いで服を脱がせ,台所へ行って

水道の水をコップに入れて,ストローで飲ませた。それからタオルを水で濡らして体をふいた

(気化熱で体温が下がるように)。もっと体を冷やす必要がありそうなので,携帯で自宅に

連絡して,氷枕と冷えたポカリスエットを持って来るように伝えた。10分ほどでヨメが来て,

ポカリをほぼ1本ゴクゴク飲ませ,わきの下に氷をはさんだりして体を冷やしているうちに,

じいちゃんもだんだん落ち着いてきた。

 

この間,救急車を呼ぶことも考えたが,救急車は電話1本ですぐ来てくれるわけじゃない。

住所やら患者の症状やらあれこれ説明する時間が惜しいので,応急処置に専念した。

数十分して,まだ立って歩ける状態ではないが体の熱はだいたい下がったようなので,

救急車は呼ばんでえかろう,ということになった。

 

この時点で昼の12時ごろ。ばあちゃんに食事を取らしてショートステイに連れて行く

時間だが,ばたばたして薬を飲ませるのを忘れていた。ばあちゃんは1日に4回,

パーキンソン病の薬を飲まないと体が動かない。2回目の薬はふだんは11時ごろに

飲ませているが,この日は1時間遅れで飲ませ,昼食は施設の方で取ってもらうことに

して車で送っていった。施設から戻ったのが12時半頃で,じいちゃんも落ち着いたよう

なので一旦仕事場に戻った。

 

午後3時ごろ,仕事を中断して再び実家へ。じいちゃんの体調はまだ完全ではないが,

話は普通にできるようになっていた。11時の時点での話を聞くと,裏の植木に水を

やって,居間へ戻ったら具合が悪くなったという。じいちゃんは盆栽が趣味なので,

植木の水やりには30分以上かかる。テレビで連日「高齢者は熱中症に要注意」と

耳にするが,まさか自分が自宅の庭であんなことになるとは・・・とじいちゃんは言う。

お客さんとのやり取りは,相手が誰かは覚えているが,何を話したの全然記憶にない

そうだ。「バナナ,300円で売ったで」と言うと,正しい値段は1房(4本)で200円だそうだ。

もちろん自分が「4本で800円」と言ったことなど覚えていない。100円返しに行くそうだ。

 

今日の日曜日も様子を見に行ったが,じいちゃんは冷房が苦手なので,蒸し暑い居間に

冷房をつけずに座っていた。とりあえず,きのうのように倒れたりすることはなさそうだ。

これからは,昼間はなるべく冷房のきいた部屋にいて,水分を十分にとるようにと

言っておいた。本人も言っていたが,きのう11時にもし実家へ行っていなければ,

じいちゃんは暑い居間でぐったりしたまま,熱中症が悪化して死んでいた可能性は

十分にある。「熱中症でお年寄りが死亡」というニュースがテレビでよく流れるが,

実際に年寄りはこんな感じで死ぬんじゃなあ…と実感した。

そういうこともあって,夏場は(釣りも含めて)遠くへ出かけづらい。

 

皆さんも,自分や身内の熱中症には十分気をつけてください。

 

 

日記帳の目次へ戻る