日記帳(2016年2月21日)

 

このところ仕事が忙しくなってきて,この週末は終日仕事。

例年のことながら3月ごろから仕事が多忙になり,8月ごろまではずっとそんな感じが続く。

こういうふうに平日も週末も同じように仕事をする日が続くとメリハリがつかないので,

日曜日は夕飯は各自適当に食ってくれ,ということにして,夕飯は買ってきたオカズで

ゆっくり酒を飲むことにしている。でも今日は,先週のNHKの「今日の料理」を見て

作ってみたいと思った料理を1品作る予定。メニューは「カキと菜の花のバター焼き」だ。

カキに小麦粉をつけてフライパンで焼き,ゆでた菜の花を加えてしょうゆで味付けした

シンプルな料理(テレビ番組ではホタテを使っていた)だが,大変うまそうだった。

これも先日の「ためしてガッテン」によると,生食用のカキは加熱すると美味くないそうだ。

加熱用カキは川の水が流れ込む岸に近いところで養殖するので栄養分が多く,その分

ノロウイルスも入りやすい。生食用のカキはきれいな沖合で養殖するのでウイルスの

危険はないが,栄養分が足りないのだという。勉強になった。

そうすると,釣りに使う自分で調達したカキの方が,加熱すると美味いかもしれない。

ウイルスは十分加熱すれば死ぬそうだ。そこらへんで獲ったやつはちょっと気持ち悪いが。

 

この1週間で起きた新聞ネタで一番印象に残ったのは,自民党の丸山議員の「失言」だ。

これについては,大変優れた情報ソースがあった。(「極東ブログ」)

http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2016/02/post-4d96.html

そこに載っている丸山議員の発言の書き起こしは,次のようになっている。

馬鹿みたいな話だと思われるかもしれない。かもしれませんがですがね、例えば今、

アメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ。

はっきり言って。で、リンカーンが奴隷解放をやったと。でも、公民権もない。何もない。

マーティン・ルーサー・キングが出て、公民権運動の中で公民権が与えられた。

でもですね、まさか、アメリカの建国、当初の時代に、黒人奴隷がアメリカの大統領に

なるとは考えもしない。これだけのですね、ダイナミックの変革をしていく国なんです。

端的な感想に言えば,この発言のどこに問題があるのかわからない。

丸山議員本人の弁を待つまでもなく,これを批判するのは「不条理」以外の何ものでもない。

ちょっと頭を働かせればわかることだ。

「アメリカでは,かつては奴隷だった黒人の子孫でも大統領になれる。そんなふうに

社会を大きく変えることができるのが,アメリカという国の長所だ」

と言いたいのだろうということは,中学生でも簡単に理解できる。

それを「奴隷」とか「黒人」とかいう断片的な言葉だけを取り出して人種差別だの人権侵害だの

まるで的外れな批判をするのは,ある意味マスメディアにとっての自殺行為だと思う。

野党の議員がそれを1つの政治戦術として使うのは,アンフェアだがまだ理解できなくもない。

しかし中国新聞では,新聞記者までも丸山発言を人種差別という文脈でとらえていた。

自分の良心とプライドに照らして恥ずかしくないのかな,この人たち。

こんな連中に,言論人たる資格はない。マスメディアの世界から退場すべきだ。

 

もう1つ。小保方さんの本が今ベストセラーになっているが,買う気は最初からしなかった。

週刊誌の記事を読めば,どんなことが書かれているかだいたい想像できる。

アマゾンの書評は「5」と「1」の真っ二つに分かれているそうだ。

そうした各人の評価の違いを読むだけで十分面白い。

高く評価する人は,おそらくミクロの視点から,1人の女性の人生の記録としての面白さに

着目するのだろう。逆に低く評価する人はマクロの視点から,社会的責任とのからみで

本の内容以前に彼女に反感を持っているのだろう。

じゃあおまえはどうなんだ?と問われるなら,小保方さんの自分史にはあまり興味がない。

研究者としての将来は明るくないだろうが,それで人生が終わるわけじゃない。

まだまだ先は長いんだから,これからの人生をがんばってもらいたい。

なお,もし本の中に次のようなことが書いてあったら,絶対に買っただろう。

「STAP細胞の再現実験に失敗したのは,十分な実験環境が与えられなかったからです。

条件さえ整えてくれれば,私が必ずSTAP細胞を作ってみせます。」

週刊誌などの記事によれば,STAP細胞の存在についての説明は本の中にないらしい。

この一連の事件の中心的な関心はそこにあるべきであって,小保方さんと周囲の

研究者やマスコミとの関係などは瑣末な問題にすぎない。

でもみんな,その瑣末な部分が好きなんだろうなあ。そして本を買った人の何割かは,

ある種の「いじめっ子」的な欲望を満足させる目的を心の底に持っていたのだろうなあ。

丸山議員に対する批判が,そういう邪心を増幅させる社会悪であることに,野党の

議員たちや一部のマスコミは気づかないのかなあ。

 

最後に,広島の新サッカースタジアムについて。

明確な根拠はないが,宇品より旧市民球場跡地の方がよさそうに思う。

宇品に作ると,諫早湾の二の舞になるんじゃないか?という危惧があるので。

現時点での建設費と整備費の合計は宇品の方が大幅に安い。

しかし宇品に作ると,渋滞が発生して港からの物流に支障をきたすおそれがある。

先日の発表では「渋滞は解消できる」というシミュレーションをしていたが,物流の関係者も

指摘するとおり,見積もりの前提条件(公共交通機関の利用度など)が甘すぎると思う。

甘い予測で「まあ大丈夫でしょう」と言っておいて,実際にやってみたら致命的な被害が

出た,というのが諫早湾のケースだ。宇品スタジアムもそれと同じことになって,

予想を超える渋滞を解消するために新しい道路などを作らざるを得なくなり,

結局旧市民球場跡地に作るよりも高くついた,ということになるんじゃないのかな。

もしそうなったら,当然「誰が責任を取るんだ?」という話になる。

諫早湾にしても,漁業関係者と農業関係者の両方に保証金(もちろん原資は税金だ)を

支払うなどというとんでもない結果を招いておきながら,誰も責任を取らないのはおかしい。

政治や行政の判断ミスの結果として公の予算を支出せざるを得ないときは,その資金は

その判断をした政治家や官僚の給料から差し引いて確保するのが筋だと思うのだが。

 

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