日記帳(2016年7月3日)

 

6月末締め切りの仕事がぎりぎりで間に合ったので,この週末はちょっとゆっくりできる。

今日の日曜日は朝の7時ごろ戸崎へ行ってエギやジグを投げてみたが,流れモが多く

当たりはなかった。そのまま横島・坊地まで様子見に行った。

釣り人は多かったが魚が釣れている感じはなかったので,竿を出さずに帰った。

昼間は仕事場の整理などをして,夕方また出直して近場でちょっと竿を出す予定。

 

上の娘が「今度の選挙で誰に入れたらええかわからんので,説明してくれ」と言う。

ダンナに「おまえももうちょっと政治のことを勉強せい」とか何とか言われたらしい。

「素人にもわかるように簡単に説明してほしい」というので,そうしてやった。

今回ほどわかりやすい図式の選挙はなかなかあるまい。

争点は「経済」と「憲法改正」の2つ。

「景気をよくしてほしい」と思う人は,与党に投票すればいい。

「憲法改正には反対だ」と思う人は,野党に投票すればいい。

どちらを重視するかは人それぞれの判断だから,どっちがいいとか悪いとかいうことはない。

ちなみに,与党が勝ったからといって「景気がよくなる」かどうかはわからない。

しかし仮に景気が悪くなるとしても,その「下げ幅」を小さくする力は,たぶん与党の方が上だろう。

所得格差が拡大するという批判もあるが,早い話,たとえばマツダの社員はほとんど全員が

自民党を支持するだろう。アベノミクスのおかげで大もうけしたのだから。

 

以上のようなことは,まあ誰でも知っている。

それとは別に,今回の選挙についていくつかの雑感を述べてみたい。

 

(1)有権者の年齢の引き下げについて

選挙権を持つ年齢を18歳に引き下げたのは,基本的にはいいことだと思う。

しかし,自民党がそれに賛成した理由がわからない。

今回の自民党に限ったことじゃないが,政治家は政治のプロという以前に選挙のプロだ。

彼らは落選したらただの無職のプーになるのだから,「選挙に勝つためなら何でもやる」と

いう節操のない行動(たとえば消費税引き上げの延期)に走るのも理解できなくはない。

その延長で考えたとき,選挙権の年齢を引き下げるという提案を自民党が受け入れた

(あるいは積極的に主導した?)のは,「18歳から選挙権を持たせれば,自分たちに

有利な結果になるはずだ」と予想したからだと想像できる(選挙年齢引き下げは喫緊の

課題ではなく,自分らに不利だと思えば拒否することもできたのだから)。

しかし,自民党のその予想は正しいのだろうか?

もしそれが正しいとすれば,今日の18〜19歳の若者たちの中には,野党よりも与党を

支持する者の方が多いということになる。

これは,少なくともわれわれの世代には信じられないことだ。

若者は現状に不満を持ち,理想を求める傾向が強い − これが昔からの常識なんじゃないの?

そんな若者が選挙権を持ったとき,彼らにとっては「悪しき現状」の象徴である与党(自民党)を

支持する者の方が本当に多いのだろうか?

これも,いい悪いの問題を論じているわけではない。

実際に今の若者の多くが自民党を支持したって,それは全然かまわない。

ただ,オジサンの見立てでは,新たに選挙権を得た18〜19歳の有権者のうちで,実際に

投票所に行く人たちの多くは,自民党には投票しないんじゃないのかなあ。

なぜなら,彼らの多くは「景気が悪くなるとどう困るか」ということを,自分の身を持って経験した

ことがたぶんない。だから,アベノミクスとやらの効果については「よくわからない」と思うだろう。

一方,「憲法改正」の方は非常にわかりやすいので,多くの若者はそちらに関心を向けるだろう。

それは自民党にとって有利だとは言えない。現に自民党は憲法改正を争点から隠して,経済面

だけをアピールしているのだから。

以上のことから,今回の選挙で18〜19歳の若者たちがどの政党を支持したかの調査結果が

出るのを,オジサンは非常に楽しみにしているのだ。

 

(2)夢の投票システム

今回の選挙の争点は実質的に「経済か憲法改正か」の二者択一だが,「経済面では自民党の方が

まだましだと思うが,憲法改正には賛成しない」という人も多いことは世論調査が示している。

あるいは「自民党も好きじゃないけれど,野党はもっとだらしない」という人もいるだろう。

そんな「民意」をより正確にすくい取るための,新たな「夢の投票システム」を提案してみたい。

なぜ「夢」かと言えば,実際にはこんなことは不可能だからだ。想像するだけなら面白いと思う。

このシステムでは,投票用紙は1人につき4枚配られる。内訳は次のとおりだ。

@白い用紙(候補者用)=自分が支持する候補者を書く

A白い用紙(比例代表用)=自分が支持する政党を書く

B赤い用紙(候補者用)=自分が支持しない候補者を書く

C赤い用紙(比例代表用)=自分が支持しない政党を書く

@Aは従来どおりの投票用紙だが,BCは新たに加える用紙だ。

有権者は,これら4枚のうち最大で2枚までを投票できる。

@Aはプラス1票,BCはマイナス1票とカウントする。

つまり有権者は,「この候補者(または政党)だけはいやだ」という意思表示を,BCの用紙で行うわけだ。

このシステムを採用した場合,たとえば「今回は自民党にだけは入れたくない」という人はBCの用紙に

自民党(の候補者)を書いて投票箱に入れればいい。また,「地元の自民党候補者は応援するが,

自民党の政策には疑問がある」と思えば,@とCを使えばいい。

@Aで得た票数がBCで相殺されて,最終的に残ったポイントがその候補者や政党の獲得票数になる。

このシステム,どうかな?結果的にすべての候補者や政党がマイナス点になるかもしれんがね。

 

(3)野党の選挙戦略への提案

野党は,ダメだね。政策の内容とかの話じゃないよ。

自民党を見てみろよ。よくあれだけ恥ずかしいことができるな,と思うくらい,なりふり

構わずに「選挙に勝つための戦術」を使っているじゃないか。

そのハングリーさみたいなものが,野党(特に民進党)からは感じられない。

オジサンが野党の選挙参謀なら,こんな戦略構想を考えるけどね。

 

今回の選挙の争点は,「経済」と「憲法改正」だ。

自民党は経済だけを争点化したがっていて,憲法改正の方は隠している。

それは,憲法改正を話題にしたら自分らに不利だということがわかっているからだ。

ひるがえって野党はどうか?彼らは経済と憲法改正の両方に比重をかけているので,

簡単に言えば自民党の戦略に取り込まれてしまっている。

だってそうでしょう。民進党?おまえらに経済を語る資格があるの?

− 世の中の動きを多少知っている人なら誰でも,こう思うはずだ。

だからね,野党の諸君。両方を追い求めちゃダメなの。

国民の関心が最も高いのは経済運営であることは,誰でもわかっているさ。

でも,その土俵で勝負したらキミらに勝ち目はないんだから。

だからキミら(特に民進党)は,こう主張すべきなのだ。

 

国民の皆さん。すいません。オレらは経済政策では自民党に勝てないかも

しれません(現に前に一度大失敗してますし)。でも今回の選挙だけは,

皆さんの優先順位を「経済」から「憲法」に切り替えてください。

憲法9条改正なんて,小さな問題です。

我々の敵は,安倍自民党ではありません。

そのバックにいる日本会議という過激な宗教団体です。

彼らの最終目的は,明治憲法の復活です。

皆さん,今の憲法が明治憲法に戻っても本当にいいんですか?

 

誤解のないように言っておくが,これは日本会議を批判しようとしているのではない。

「日本会議って何?」と思う有権者もたくさんいるだろうが,それでいいのだ。

「なんかよくわからんけど,怪しげな人たちみたいよ」というイメージを植えつける

ことができれば十分なのだから。選挙戦略の問題だ。

消費者がバカなのと同じように,有権者だって基本バカなんだから。

バカにもわかるような簡単な言葉で説明してあげないと,選挙には勝てないよ。

ポピュリズム?そんなことは高みの見物をしている野次馬が言うことだ。

選挙に落ちたら,キミらはただのニートだよ。そこんとこ,本当にわかってるの?

安倍さんのマキャベリズムをもっと見習えよ,野党の諸君。

 

※日本会議を知らない人は,ベストセラー「日本会議の研究」を読もう。

   今年最高の出版物はこれで決まりだ,というくらい面白いよ。

 

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