■ 竿  

かぶせ釣りで使う竿は,いわゆるイカダ竿です。主に狙う魚によっても違ってきますが,竿を選ぶ際のポイントは「軽さ」「感度の良さ」です。


私が竿を選ぶとき最初にチェックするのは,重量です。自重80g前後が使いやすいと思います。この重さの竿だと,長さは1.5〜1.8mくらいです。100gを超える竿は,一日中手持ちで釣ると結構手が疲れます。また,竿は長くなればなるほど合わせが利きにくくなります。逆にあまり短い竿だと,道糸やハリスが手前の岸壁のカキにこすれやすくなるので,最低でも1.5mくらいはあった方がよいと思います。初心者の方が竿を選ぶときは,長さは1.5〜2.1m,重さは70〜90gを目安にしてください。

次に,穂先の感度をチェックします。私はできるだけ穂先の柔らかい竿を選ぶようにしています。ただし,あまり胴調子の竿だと,合わせが利きにくいのと,魚に主導権を握られて根ずれしやすくなるので,七三調子以上の,先端近くでバランスを取る竿の方が最初は使いやすいでしょう。参考までに,私がふだん使っているのは,ニッシンの「ブラックチヌ」(1.5m)です。5,000円前後で買える安価な竿ですが,感度もよくタメも利く使いやすい竿です。1.5mの短竿でも,コブダイの45cmくらいまで(およびそれ以外のすべての魚)は取り込めます(50cmを超えるコブダイの場合はちょっと分が悪くなりますが)。昨今は竿にせよリールにせよ,ちょっと高級な品は定価で3万〜5万円ほどの値がついています。しかし実用の面から言えば,1万円以下の品物でも十分実用に耐えると思うのですが。


その他の注意点としては,手元があまり太い竿は持ちづらいので避けた方がよいでしょう。また,振り出しタイプより二本継ぎタイプの方が強度があります。先端に向けて徐々に90度ねじれた位置にガイドを取り付けたタイプの竿もありますが,ノーマルなタイプでも特に支障はないと思います。また,高価な竿の中には穂先が2本(硬め・柔らかめ)セットになっているものもありますが,これは関西で盛んなダンゴを使ったイカダ釣りやカセ釣りで50cm級のチヌを狙うための仕様だと思います。かぶせ釣りではとにかく感度が最優先ですので,硬い穂先は必要ありません。