最終更新日: 2001/04/01

雑記帳(旅行編)

 


◆ 2001/4/1(日)  〜有馬温泉旅行記〜

家族と義母の5人で,3月29〜30日に有馬温泉へ一泊旅行に行った。29日の10時半ごろ自宅を出発。山陽新幹線で福山から新大阪へ。海遊館(水族館)見物の後有馬温泉へ入るのが今日の予定。新大阪の駅ビルで昼食をとり,海遊館への行き方を聞こうと「駅の旅行案内」を捜す。なかなか見つからない。TISと書いた案内板はあちこちにある。たぶんTravel Information Serviceのことだろうと思って行ってみると,旅行代理店のカウンター。海遊館への道順を聞こうとすると,上の階へ行ってくれと言う。予約をしないタダの客はいらん,ということだろう。言われて上の階で案内所を探すが,見当たらない。ようやく売店の陰に隠れるように,旅行案内ふうの言葉が英語で書いてある小さなスペースがあった。中に入ると英語の市内地図が置いてあり,どうやら外国人観光客向けの案内所らしい。駅は大きいくせに,田舎から大阪へ出てきた日本人は相手にされてないような印象を受けた。

● ともかく,言われたとおりに地下鉄を乗り継いでともかく,言われたとおりに地下鉄を乗り継いで海遊館に到着。所要時間は新大阪から30分くらい。春休みのせいか,平日のわりにはかなり客が多い。ちなみに,「海遊館」は英語でどう訳してあるかと思って看板を見たら,Osaka Aquarium(大阪水族館)という味も素っ気もない英訳だった。見学は1時間強くらい。感想を一口で言うと,スケールは大きいが期待したほどのモノではなかった。世界中の海の魚や海洋生物を地域別に分けて展示してあり,日本の森や川の魚や動物も入っている。クリオネは可愛いかった。動物関係では,見慣れたラッコやベンギンはともかく,カワウソがいい味出していた。水槽内の岩やストラクチャーはけっこう工夫してあって,海底を模したムードを出そうという努力は十分うかがえる。ただ,どことなく作りが人工的すぎる感じがした。雰囲気は東京の葛西臨海公園の水族館と似ている。個人的には,下関や宮島の水族館の方が風情があっていいと思う(去年入りそこねた鳥羽水族館は,いつかキチンと見学したい)。新しいせいもあってか魚があまり白っぽくなってないのもよかった(ふつう水族館の魚は天然の色と全然違う。ライトの白色光に長期間当たると,保護色の関係でカサゴもイシダイもほとんど真っ白になってしまう)。 いろんなコーナーがあったが,結局一番熱心に見たのは「瀬戸内海の魚」の所だった。どうしても釣り人の目で見てしまうのだ。だから,ジンベエザメとかマンボウとか,釣りの対象にならない魚にはほとんど関心がなかったりする。あと,「ケルプの森」というコーナーがあって,これはカリフォルニア沖のジャイアント・ケルプ(でかいワカメみたいな海藻)の密生する海をモデルにしていると思うが,海藻そのものがいかにも作り物だったのが残念。もっとも,海から水を引いた水槽の中でさえ,海藻の飼育はそれだけ難しいということだろう。うちの水槽も,1か月ほど前に入れた海藻はもうだいぶ枯れかけている。

海遊館を出たのが4時40分ごろ。新大阪の案内所で,有馬温泉行きの直通バスが大阪駅から出ていると聞いておいたので,地下鉄の路線図で「大阪」を探すがどこにも見当たらない。駅員さんに聞くと,大阪とは地下鉄では梅田のことだと言われた。この田舎モンが,と思われただろうなあ。梅田まで30分近くかかり,予定していた5時20分のバスに乗れるかどうかギリギリの時間になった。駅の階段を駆け上がってバス乗り場らしい所へ出て有馬温泉行きのバスを探すが,見当たらない。それもそのはずで,ここは市内バス乗り場だった。案内書で聞くと,高速バスはここから歩いて7〜8分離れた阪急の乗り場から出るという。そこまで歩いて行き,5時20分のバスにはもう間に合わないので6時20分の最終バスに乗ることにする。キップを買う前に,もしかしたら5人ならタクシーでも料金的にはあんまり変わらんかもしれん,と思って,客待ちのタクシーの後ろの方の運転手さんに「ここから有馬までなんぼくらいかかりますか?」と聞いてみた。有馬は遠いのでメーターを使わずに事前に料金を決めて行くのが普通だと言う。なんぼくらい払うつもりか,と聞かれたので,ヤマカンで1万円くらいでどうかと言うと,1万じゃダメだと言う。メーターを使えば2万円分くらいにはなるので,1万5千円なら乗せてやるとのこと。ちょっと考えさせてくれ,と言ってキップ売り場へ戻り,有馬までのバス料金を見ると,5人で6,600円くらい。やっぱりバスに乗ることにして窓口でキップを買おうとすると,今日の最終バスはもう出た,と言われた。6時20分のバスは金曜だけ運行とのこと。おお,何てこった(椎名誠ふう)。これではタクシーを使うしかないではないか。でももしかしてさっきの運転手がふっかけたのかもしれないので,タクシー乗り場の先頭に行って「有馬までいくらで行ってくれるか」と先頭の運転手さんに聞いてみた。たまたまこの人が新米の運転手で,行ったことがないので見当がつかないと言う。バス料金の倍くらいまでなら出すんだが,ダメならバスに乗ると言って交渉してみた(本当はもうバスに乗ることはできないのだが)。結局13,000円で商談成立。1時間ほどかけて有馬までの山道をタクシーで登った。新米運転手さんで道もよく知らないので,助手席でカーナビを見ながらアドバイスしてあげた。お客さんに道を調べてもらいながら運転するのは初めてですわ,と言われた。最短の道を行ったせいもあって,メーターの料金は結局高速代込みで12,000円ほど。これなら交渉の必要はなかったが,約束どおり13,000円払う。「これで今日は帰れますわ」と感謝された。会社に所属しているので固定給はもらえるが,一定のノルマを上げないと歩合級が加算されないそうだ。

有馬温泉到着は7時過ぎ。宿泊先は「有馬温泉到着は7時過ぎ。宿泊先は「有馬ビューホテル」。予約するとき高級そうな宿も考えたが,今回はリーズナブルな料金のところにした。風呂も食事もまずまずで,料金(5人で78,000円ほど)相応といったところだろう。料理は牛しゃぶ・お造り・焼き物(タチウオ)・酢の物(アナゴの細工物など)・野菜の煮物・付き出し・吸い物など普通のもの。刺身は定番のタイ・マグロ・イカで,こういう場所だからそれ以上望むのは無理だろう。元湯のある有馬温泉会館というのにも行きたかったが,時間がなくて行けなかった。この有馬ビューホテルは,ヘルスセンター・プール・ゲームセンター・演芸場などが揃った大きなホテルで,団体旅行にはよさそう。この日は平日だったので客は少なかった。チェックアウトするとき,フロントに大きな声で苦情を言っているオバサンがいた。内容はよくわからないが,どうも館内の何かの施設か道具でケガをしたらしく,こんなんじゃ宿泊料は払えない,と言っているらしかった。フロントの人も困っている様子だった。このオバサンは泊まる先々でこうやって料金を踏み倒しているのかもしれない,と考えているのだろう。接客業は厳しい。

2日目は有馬からバスで2日目は有馬からバスで宝塚へ。バスが混雑して1時間弱立っているのはつらかった。宝塚駅前で昼食をとり,宝塚歌劇の前を通って手塚治虫記念館へ向かう。今日はステージを見にきたわけではないので劇場は素通りしようとすると,楽屋らしい建物の前に黒山の人だかりができている。その数およそ100人くらい。車で次々に到着する宝塚のスターを見ようとしているらしい。役者さんは車を降りて入り口まで20〜30mくらい早足で歩いていく。それを,20人くらいの若い女の子が追いかける。通路は人の波で,役者さんが入り口に入るとき見物人たちが大きな声で「いってらっしゃ〜い」とか何とか声援を送る。ファンはほぼ全員若い女性。この儀式が毎日繰り返されているのだろう。さすが宝塚。

手塚治虫記念館は,予想以上に面白かった。2階建てで,1回は作品や原画の展示とミニシアター(10分くらいのアニメを見た),2階は今年公開される映画「メトロポリス」の特別展示と,ビデオ&図書コーナー・売店。単行本を読むスペースでは,十数人の大人や子供が棚の本を出して読んでいた。手塚治虫が小学2,3年ごろに描いたという作品にはびっくりした。粗末なノートにエンピツで描いた漫画ながら,やっぱり一流になる人は子供の頃からモノが違うなあ,と感じた。子供の頃に熱中していたという昆虫図鑑の模写もものすごい出来ばえで,図鑑そのものを切り取ってきたようにしか見えない。肉筆の文字も,几帳面な性格が表れたきれいな字だった。2階の最新アニメの設定資料のコーナーには現在の第一線のアニメーターの描いた原画や背景画があったが,これがまたすごい。アニメーションが技術の結晶であることがよくわかる。DVD-ROMの『手塚治虫大全集』のパンフレットをもらった。120,000円はちと高いが,隠居したら買おうかなと思う。

● 宝塚には遊園地もあるがそこには行かず,とりあえず新神戸近くまで戻ることにした。宝塚から神戸行きの電車に乗ろうと阪急の駅へ行くと,またしても「神戸」という駅がない。また尋ねる。三宮で降りろと言われる。また恥をかいてしまった。だいたい,広島から見たら大阪も神戸も隣同士くらいにしか思ってない。なんでこんなに離れとるんじゃ --- 阪急電車を乗り継いで,ようやく三宮着。ここから電車で10分ほどのポートアイランドに遊園地があるので子供らはそこへ行こうと主張したが,却下。JRで神戸まで生き,駅前のビルの地下街にあるという「お菓子博品館」へ行ってみた。探してもそれらしいモノはない。ようやく入り口付近に「3月28日をもって閉鎖しました」とあった。こんな中心街にあるのに。よほど客が入らなかったんだろう。バブルの頃に林立した田舎のテーマパークがつぶれるのも無理はない。そのビル内のゲーセンでちょっと遊び(久々の釣りゲームは面白い),5時過ぎの新幹線に乗って福山へ帰った。有馬温泉は意外に交通の便が悪い。直行するなら福山から直接車で行くのが正解だった,と後で思った。


◆ 2000/3/21(火)  〜伊勢志摩旅行記〜

3月18日(土)〜20日(祝)に,東京の知り合いと二人で伊勢志摩を旅行した。

18日(土):名古屋駅で午後1時に待ち合わせ。近くのデパートの食堂で,昼食をとりながら行き先を相談する。名古屋の名物を食べたかったが,適当なものがないのでエビフライ定食を注文。どうということのない味だった。とりあえずこの日は名古屋駅近くのビジネスホテルにチェックイン。19日の夜に「イセエビつきの宿」を予約しようとJTBで聞いてみたが,伊勢・鳥羽・志摩方面はどこも予約で一杯だと言う。ガイドブックには宿が全部で100軒以上も載っているのに,全部満室のはずがない・・・と思って,ガイドブックの最初のページにイセエビ料理の写真つきで紹介されていた民宿ふうの宿に電話してみると,何のことはない,簡単に予約が取れた。世の中そんなもんだろう。

名古屋城を1時間ほど見学してから,さて夕食に何を食べようかと考える。二人とも「旅の目的の90%くらいは食事にあり」というタイプのヒトなので,本屋でタウンガイドを入念に調べ,駅近くの「イワナの刺身あり」という店に決める。5時半ごろ行ってみると,開店時間は過ぎているのにシャッターが降りたまま。店がつぶれたのかもしれない。仕方なくタクシーに乗って,魚の食べられる適当な店はないか,と尋ねてみた。で,連れて行かれたのが,「生け簀料理」のチェーン店。う〜む,これは・・・と警戒しながら店内に入ってみると,まあ基本的には福山の「魚○人○休」や尾道の「○がさ」と同じタイプの店だった。刺身は翌日たらふく食えそうなこともあり,控えめにヤリイカと「カワハギ」を注文。出てきたのは,案の定ヤリイカとハゲ(ウマヅラハギ)。キモは美味かったが,ハゲはカワハギではないのだよ,オバちゃん。あと何かいろんなものを食べたが,あまり記憶がない。強い印象を受けた料理がなかったせいもあるが,酒を飲みすぎたのだ。こんな店で胃腸のコンディションを崩すんじゃなかった,と翌日後悔することになった。本日の昼食=30点,夕食=70点。

19日(日):ホテルで9時ごろ朝食をとる。思えば,この朝食が結構ヘビーだった。ゆうべの酒が残っている腹の中へ追加の食い物が入ったために,消化機能に負担がかかったらしく胃腸が重い。今日のスケジュールは,明治村を見物した後,名古屋から2時間ほどの所にある宿に入ることになっている。

明治村は,名古屋駅から地下鉄とバスを乗り継いで1時間ほど。曇り空だったが,天気はどうにかもった。明治村は,想像していたような遊園地もどきではなく,歴史的建造物の展示を中心とした,割にちゃんとした施設だった。昔の小学校やら著名な文人の住居やらが広大な敷地にポツポツと建っており,散策するにはいい場所だった(右の写真は,森鴎外も夏目漱石も住んだことがあるという東京の住宅を模したもの)。「明治生まれの方は入場無料」というのにはちょっと笑ったが(明治生まれの方は,入場はできてもあのクロスカントリーみたいな道は歩けないだろう)。ここの食堂で昼食でも,と最初は思っていたが,全然空腹感がない。しかも,今日泊まる宿に予約を入れたときに「夕食はいっぱい出るので,昼食は少なめにして来てください」と言われているのだ。結局,昼食抜きで行くことにする。

名古屋から近鉄特急で約1時間半,志摩半島先端の鳥羽に到着。このあたりは全くの初めてだが,思ったよりも観光スポットが多く,志摩スペイン村・鳥羽水族館・伊勢神宮など,1日や2日では回りきれそうにない。結局,鳥羽水族館の入り口だけ見て,ミキモト真珠島近くのおみやげ店で子供の土産の真珠のネックレス(500円)を買い,駅前からバスに乗って鳥羽郊外にある「ベイサイド植村」という宿(TEL:0599-32-6010)へ向かう。バスを降りたところに船着場があり,そこから船で2〜3分の対岸に渡してもらう。このころには雨が降り出し,天候は荒れ模様になってきた。宿に入ったのが夕方6時前ごろ。他に宿泊客が3〜4グループほどいた。大浴場に行ってみると「家族で入浴中。しばらくお待ちください」と張り紙がしてある。しかたなく部屋の狭いユニットバスでシャワーを浴びる。旅行に来て大きな風呂に入れないなんて・・・と普通の人は思うかもしれないが,食事90%のわれわれには関係ない。6時すぎに食堂へ降りて,いよいよ今回の旅のメインエベントである豪勢な料理に臨んだ。

 <お造り>

    ・ マダイ

    ・ チヌ

    ・ ヒラメ

    ・ アイナメ

    ・ サザエ

    ・ コウイカ

付き出し(サザエ壷焼きほか)

カキフライ・カサゴとタナゴの煮付け

カキの土手鍋

マダイのタタキ

牛ステーキ・イセエビの煮付け

マダイのしゃぶしゃぶ

 

このほか,マダイのアラと頭の吸い物なども出た。これにビールを一人2〜3本(料理がありすぎて酒が入らない)。これだけ飲み食いして,1泊2食つきで税込み一人1万5〜6千円だから,破格の安さと言っていい。残念だったのは,昼食を抜いたにもかかわらず胃腸が完全に回復しておらず,全部を腹に収めることができなかったことだ。「全部平らげるお客さんはどのくらいいますか?」と尋ねてみたところ,「ほとんどいませんねえ」とのこと。質・量とも十分満足のいく料理だった。ちなみに,お造りの中で一番美味かったのは,やはりと言うかさすがと言うか,マダイであった。本日の昼食=採点不能(抜いたため),夕食=92点(イセエビの刺身がなかったのと,煮魚の鮮度が今イチだったのが減点)。

(写真左=宿の部屋の窓から海を臨む)  (写真右=翌日の朝食)

20日(祝):宿で朝食をとり,バスで9時ごろ鳥羽駅まで戻る。ちょうど今が旬のいろんな海草(干したもの)が昨日店に並んでいたので,帰りに買おうと思っていたのだが,まだ店が空いていないので断念。結局よそでも買うことができず,お土産のお菓子は伊勢名物・赤福となった。土産はさておき,今日はとにかく昼食に松坂牛を食って帰ろう,と心に決めている二人だった。鳥羽から名古屋行き特急に乗り,伊勢市で途中下車。お伊勢参りをしようと駅のレンタサイクルを借りたが,時間が足りないので駅近くの外宮だけを見て観光は終了。晴れてはいるが台風並みの風が吹いて,観光どころではない。まあ,観光はどうでもいいのだ。また特急に乗り,11時前ごろに伊勢市の手前の松坂に到着。観光案内所で,「この近くに,松坂牛の食べられる店ありますか?」と尋ねる。そこのお姉さんいわく「ご予算はどれくらい?」--- いや,まあちょっと昼飯程度で,と答えると,向こうは「あのね,昼とか夜とか関係ないの。お料理はどんなものを食べたいの?」と,あからさまに我々を見下した態度で言う(コトバはこの通りじゃなかったけどね。そういう感じですよ)。とにかくそこのすぐ近くの店を紹介してもらって入る。12時過ぎの特急に乗らねばならないので,あと40〜50分しかない。その店は,肉屋が食堂もやってます,という感じの構えだった。すき焼きを食べたかったが,すき焼きは予約が必要だと言う。店のオバチャンは,やたら「ステーキにしなさい」と勧めてくる。メニューを見ると,ステーキは5,000円から12,000円まで数種類の値段に分かれている。「これ,肉の質が違うんですか」と聞くと,「そう。一番高いのにして,二人で分けて食べたら?小さく切ってあげるから。おいしいわよ〜」とオバチャン。まあ,こうなると我々は,マナ板の上の鯉である。言われるままに,その12,000円のステーキを注文。

待つことしばし・・・というか,あっという間にステーキが焼けて出てくる。鉄板には,焼きたてのステーキ・冷凍のポテトフライ・ゆでたインゲン。これにサラダとライス。ビールを二人で1本。全部で,およそ15,000円の昼食だった。本日の昼食=10点。何も申し上げる言葉はない。そこらのファミリー向けのステーキハウスで食べる肉とどう違うんだ?とか,ふつうステーキを注文したら「焼き方をどうしますか?」くらい客に聞くだろうがよ?とか,5,000円の一番安いやつを一緒に注文して食べ比べてみりゃよかったとか,どうもオレたち,一見さんだと思ってボラれたんじゃないか?とか・・・ああ,結局いっぱい申し上げてしまった。とにかくそういうことである。夕方帰宅する頃になって,ようやく空腹感と疲れが沸いてきたのだった。今回の旅行の総合評価=73点。教訓=禍福はあざなえる縄のごとし。


◆ 2000/1/25(火)  〜西山別館に行ってきました〜

尾道の老舗割烹旅館・西山別館は,外国からの来賓も多く,尾道では最も格式の高い旅館の一つ。東京から友人が訪ねてきたので,二人で昨晩泊まってきた。一泊二食つきでお一人さま3万円(部屋によって値段が違い,下は2万6千円から。上は特別室で,料金はコワくて聞けず)。このあたりでこの値段は,やはり別格。来るのは二度目だが,泊まるのは今回が初めて。1月24日(月)の午後6時過ぎに車で到着した。

西山別館は尾道市街の東端・山波漁港の隣(国道2号線沿い)にあり,門をくぐると広い芝生の庭が広がる。ホテルのフロントのようなフロアで受付を済ませ,海が見える離れの部屋へ案内される。広い!廊下やら浴室やらを入れると,全部で20畳くらいはありそう。5〜6人程度が入れる大浴場が別の建物の2階にある。1〜2人用の露天風呂も隣接しており,垣根ごしに海も見渡せる。なかなか風情のあるいい風呂だった。

入浴を済ませて,7時ころから部屋で食事。漏れがあるかもしれないが,確かこんな内容だった。

● お通し=カズノコと赤貝の和え物・サケ塩焼き・ナマコ酢・イイダコ煮付け・黒豆・卵を使った細工物など

● お造り=マダイ・車エビ・サワラ(表面を軽くあぶる)・マグロ赤身(ヅケ)・コウイカ

● 蒸し物=かぶら蒸し(車エビ・アナゴ入り)

● 天ぷら=小フグ・アンキモの湯葉巻き・キス・ししとう・くわい

● 焼き物=メバル・シイタケ

● 野菜の煮物=タケノコ・サトイモ・ニンジン・絹さや

● 白飯・吸い物・漬物・フルーツ

特に美味かったのは,マダイのお造り・小フグの天ぷら・メバルの塩焼き。友人は旅行経験も豊富で舌の肥えた男だが,ほぼ満足してもらえた(個人的に言えば,料理だけなら「旬彩」の方が上かも)。朝食も10品以上のオカズが出てきて満足。(下の写真が,我々の泊まった離れ)

宿を出た後2号線を尾道市街へ向かい,尾道大橋手前の「みよこ水産」(「旬彩」はここの魚を使った料理を出す店)へ。もともと魚の卸屋さんで,小売りもやっている。生け簀に泳いでいる獲れたての魚の中から,友人は40cmほどのヒラメ(2,000円強)と25cmほどのソイ(ガクメバル)(1,300円くらい)を氷詰めにしてもらい手土産に。さらに尾道駅の近くにある「ウオスエ」で,1万円の「鯛の浜焼き」を購入。東京へ帰って行った。天候は今イチだったが,シーズンオフのせいか西山別館にも他に1組しか客がおらず,実にくつろげた2日間だった。

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