SKYWARD総合英語解説

第11章(名詞)

 

可算名詞(C)と不可算名詞(U)の区別は,理屈では説明できない領域が確実にあると思います。

「切り分けられるものはC・切り分けられないものはU」と言われても,その違いは感覚的なものであり,日本人にはなかなか理解しにくい。たとえば,

〇 vegetables, a fact, a rapid growth (可算名詞)

× breads, an evidence, a rapid progress (不可算名詞)

こういう違いを逐一理屈で説明することにはあまり意味がありません。1つ1つ覚える方が効率的でしょう。

 

名詞に関するSKYWARDの特徴的な説明としては,以下の2点を挙げておきます。

●可算名詞の単数形と複数形の使い分け

これらの文(p.377)の場合,(1)は複数形でも間違いではないが,「一度に2杯以上の牛丼を食べる」ようにも響くので単数形がベター。(2)も一度に使うスマホや乗る自転車は1つだから,単数形を使います。

こういう単複の選択は英文を作る際に常につきまとうものです。次の例はスーパートレーニングより。

@I’ve never seen ( a German movie / German movies ).(ドイツ映画は見たことがない)

AI’m not good at cracking ( an egg / eggs ).(私は卵を割るのが下手です)

@は単数形が適切(一度に見る映画は1本だから)。

しかしAでは複数形が適切。一度に割る卵は普通1つだが,「卵一般」を複数形で表す(I like cats.の複数形と同じ)。

こういった単複の選択の感覚は問題演習を通じて身に付けていくしかありませんが,そういう視点の教材はSKYWARD以外にはほとんどないと思います。

●「AのB」の表し方

ここ(p.385)にあるように,Aが無生物の場合は[c]のような複合名詞の形で「AのB」の意味を表すことがよくあります。

英語の試験」はan English examであり,an exam of Englishとは言いません。複合名詞は英文を作る際に頻繁に使うので,作れるよう練習しておく必要があります。

たとえば「生徒会長」はthe president of the student councilのほか,the student council presidentとも表現できます。

また「この本の表紙のイラスト」のように「の」が2つ続く場合,the illustration of the cover of this bookではいかにもぎこちない。そこでthe cover illustration of this bookとします。

このように英語を実際に使うことを前提にした場合,文法の各学習分野にはいわば「指導上の未開拓の領域」のようなものがあります。SKYWARDではそうした部分に光を当てて説明しています。

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