SKYWARD総合英語解説 第16章(接続詞)
ここでは,以前から感じている素朴な疑問に言及します。 ・従属接続詞は,名詞節または副詞節を作る。 ・関係詞は,形容詞節を作る。 おおまかな説明としては,これでいいでしょう。 しかし厳密に言うと,関係詞のうちwhat・who・when・where・why・howは,名詞節(先行詞を含む関係詞節)を作ることができます(what・howは形容詞節を作れない)。 またwhatは,what is worse(さらに悪いことに)のように副詞節も作れます(継続用法を棚上げして考えると,副詞節を作るのはwhatのみ)。 一方,whateverなどは「複合関係詞」として,関係詞の一種に分類されています。複合関係詞は名詞節または副詞節を作ります。 以上をまとめると,次の表のようになります。(名詞節・副詞節を作る関係詞は,例外的な用法として△で示しました)
一見してわかるとおり,@とBは同じ性質を持っています。一方AとBの性質は鳥と魚くらい違うのに,どちらも関係詞に分類されています。 むしろB(複合関係詞)は,従属接続詞とセットで考える方がわかりやすいのではないか?たとえばwhenever=when(〜するとき)+ever(いつの時点を選んでも)なのだから。 そもそも関係詞の基本的な働きは,それが作る節を先行詞に「関係」づけることです。 しかし複合関係詞は先行詞を持たず,意味的に独立した節を作ります。つまり「関係づける」働きを持たない。そのような語を「関係詞」と呼ぶ必要はないのではないか? SKYWARD総合英語では,(一般の英和辞典に合わせて)複合関係副詞を写真のように説明しました。
しかし,赤字の「複合関係詞」も,接続詞に一本化できる気がします。 ちなみにOALDの品詞表示は, whenever/wherever:conj whatever/whichever:det, pron whoever:pron つまりOALDは,一般に複合関係詞と呼ばれるものの品詞を次のように定義しています。 @複合関係代名詞=pron(代名詞) A複合関係形容詞=det(限定詞) B複合関係副詞=conj(接続詞) これはこれで成り立つ理屈です。whateverは節中で代名詞として働くけれど,wheneverはwhenと同じ働きを持つから。 ただ,whateverは(品詞としては@Aだが)「名詞節・副詞節を作る」という性質に着目すれば,接続詞のif・whether・thatと共通点があります。 だから便宜的には「(whateverを含む)複合関係詞は,機能的には接続詞に近い」という説明もありではないかと思うわけです。 |
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