SKYWARD総合英語解説 第6章(関係詞)
発信の観点から言うと,「先行詞+関係詞節」の形を作るのは学習者が乗り越えるべき最大の壁の1つです。 できる人には簡単でも,英作文でこの形を使える高校生はたぶん半分かそれ以下くらいでしょう。 理屈がわかっているだけでは不十分であり,pattern
practiceが不可欠です。
SKYWARDでは,こんな説明をしています。 ・英語の最も基本的な文構造は,@SVOとAS
is Cである。 ・だからまずは,@AのS・O・Cの後ろに関係詞を加えた文(あるいはその位置にwhatを使った名詞節を置く文)を作れるようになろう。 上記の説明は「英語のハノン」(上級編)のドリルとよく似ています。 結局のところ英語の発信力を養うには,個々の文を頭で考えて作るのではなく,反復練習を通じて同じパターンの形が瞬時に出て来るようになることが大切です。 SKYWARDでは,準拠問題集(スーパートレーニング)でそれを行います。
またSKYWARDでは,関係代名詞と先行詞の関係を,発信用(1枚目)と受信用(2枚目)に分けました。
whomは発信用には使わなくてよいので,先行詞が人なら接触節を使うのが基本。先行詞が人以外の場合も同様ですが,書くときは文体に応じてthat/which(目的格)も使えます。
発信面でもう1つ大切なのは,「関係詞を使わずに表現する工夫」です。これはSKYWARDの基本理念と深くかかわっています。 一般の文法学習は,「関係詞を学ぶ→関係詞を使って文を作る」という流れで進みます。たとえば「次の日本語を,関係詞を使って英語に直しなさい」という具合に。 ところがその種の問いには,関係詞を使わなくても表現できるものがかなりあります。たとえば 「これは私が意味を知らない単語です」→This
is a word whose meaning I don’t know. こういうスタイルのライティング指導は適切なのか?という素朴な疑問があります。 この和文の内容を英語で表現したければI don’t know the meaning of this word. と言えば十分であり,whoseを使う必要はありません。 同様に「私にはギターの上手な友人がいる」も,A
friend of mine plays the guitar well.
で十分です。ちなみにこの2つの文はどちらもSVOです。 そう考えると,関係詞の学習には「使い方をマスターすることが大切」「ただし必要なときだけ使えばよい」という2つの側面があります。 大切なのは自分の伝えたい内容を英語でどう表現するかであり,発信の学習はそれを出発点とすべきもの。SKYWARDはそういう「パラダイムの転換」を目指しています。 その観点から,スーパートレーニングには写真のような問いを多く入れました。
たとえば1枚目の(3)の答は(What) songs do you often sing in karaoke?。 2枚目は関係詞を使うかどうかの判断と問うもの。(3)はa
country [countries] where English is spokenのほか,an English-speaking
countryも可です。
皆さんはここまで関係詞を学びましたね。だから関係詞を使った英文を作ってみましょう。―こういう学習方法は,いわば畳の上の水練です。 実際に英文を書いたり話したりするときは,「関係詞を使うかべきか?それとも別の表現を使うべきか?」という判断が大切なわけです。
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