SKYWARD総合英語解説

第9章(文の種類)

 

解説動画では,「notは何を否定するか」を取り上げています。

https://www.kirihara.co.jp/swtg_movie/#01

 

notは副詞であり,他の副詞と関連付けて理解するとよいでしょう。ポイントは次の3点です。

(1) notを置く位置

(2) notが否定する品詞

(3) 否定の作用域と否定の焦点

 

(1) 否定は「文否定」「構成素否定」の2種類に大別される(現代英文法講義p.655)。そして文否定のnotは,原則として「Vの最初の語の後ろ」に置く。

I haven’t been feeling well since morning.

この文のVはhave been feelingだから,notは最初の語(have)の後ろに置く。

notに限らず,一般に副詞は「Vの最初の語の後ろ」に置かれる

I have also been sick since morning.(私も朝から気分が悪い)

こののalsoの位置は,notの位置と同じ。

また,notは分離不定詞と同じようにも使う。

I decided to not accept the offer.

 

なおVが1語の一般動詞の場合に限り,I don’t like 〜のようにdo(助動詞)の助けを借りて否定文を作ります。

それはなぜか?という点についてはさまざまな説明が可能ですが,SKYAWARD総合英語(p.290)ではこのような説明をしています。

(2) notは「名詞を修飾する(ことができる)副詞」の1つである。同タイプの副詞には,even,only,too,mainly,especiallyなどがある。

My name is not Akemi but Akimi.

このnotは構成素否定であり,Akemiを否定している。

 

(3) Rome was not built in a day.(ローマは1日にして成らず)という文のnotが何を否定するかについては,

「否定の作用域」または「否定の焦点」という文法用語を使った次の2通りの説明ができる。SKYWARDの解説動画も参照。

(A)否定の作用域による説明

@Rome was not built in a day.

= NOT+[Rome was built in a day].

= It is not so that Rome was built in a day.

この説明ではnotは文否定であり,文全体がnotの作用域に入っている。つまり「ローマは1日で建国された+のではない」ということ。

したがってこの文のnotは文否定であり,一種の文修飾副詞と考えることができる。

AIt will probably rain tomorrow.

= PROBABLY+[ it will rain tomorrow].

=It is probable that it will rain tomorrow.

@とAの言い換えはパラレルな関係になっている。

(B)否定の焦点による説明

・Rome was nót built [in a dáy].

= It was not [in a day] that Rome was built.(強調構文)

notが否定する中心的な要素(=否定の焦点)はin a dayであり,dayを強く読む(in óne dáyとも言える)。この説明の場合,notは構成素否定ということになる。

この「否定の焦点を強く読む」というルールと同様のことが,他の副詞にも起こる。

・Tóm likes soccer, tóo.(トムもサッカーが好きだ)

・Tom likes sóccer, tóo.(トムはサッカーも好きだ)

このように,tooが何を修飾するかによって強勢を使い分ける。

 

以上のように,「notは副詞であり,他の副詞と統語上同じ振る舞いをする」という視点を持つことによって,notの働きと使い方をより深く理解することができるでしょう。

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