大学入試(英文法)悪問データベース [G2] 準動詞(2)

 

[005] 「物を入れるポケット」(2013 東洋大)〈整序作文〉

×このエプロンには物を入れるポケットがありませんね。

This apron has no [ things / put / in / pocket / to ].

【解説】完成した文は This apron has no pocket to put things in. ですが,

ポケットは物を入れるのが本来の用途であり,和文の「物を入れる」は不要です。

同様に英文も,This apron has no pocket(s). と言えば十分。

わざわざto put things inを加えると,「他の用途ではなく物を入れるのに使うポケット」という不自然な意味になります。

 

[004] 「〜せざるをえない」(2011 中央大)〈連立完成〉

×(a) All I could do was to cry.

(b) There was (n    ) for me to do but cry.

【解説】(b)にnothingを入れた文は不自然。

Richardに確認しましたが,(b)はI chose to cry. の意味になります。

つまり I had no choice but to cry. と同じ意味だということです。

 

[003]懸垂分詞(2016 上智大)〈正誤判定〉

@Driving Aacross the Golden Gate Bridge, the storm that Bhad been expected for days made the Cnewly-paved road slippery and hazardous.

【解説】「@は懸垂分詞だから誤り」という趣旨でしょうが,Richardは最初drivingをwhen (someone was) drivingと解釈しました。

また「drivingの意味上の主語をstormを考えることはできないか?」と尋ねると,それも可能。

どちらにしてもこの文は正しい,とのことでした。実際にはこのような懸垂分詞は時に見られます。

 

[002] meant to have 過去分詞(2006 大阪教育大)〈連立完成〉

(a) I had meant to call on you, but was prevented from doing so.

(b) I meant to ( ) ( ) on you, but was prevented from doing so.

【解説】想定された正解はhave called。確かに昔は,学校で次のように習っていました。

・intended/meant to have 過去分詞=〜するつもりだったのに(実際はしなかった)

しかし今日では,たとえば代表的な英和辞典であるジーニアスやウィズダムにも,(b)のような例は載っていません。

出題者の知識がアップデートされていない証拠です。

 

[001] 動名詞の意味上の主語(2000 仏教大)〈同意語句選択〉

×All this is in reality clear and simple though it seems complicated. 

@although of its seeming  ★A in spite of its seeming  Binstead of its seeming

【解説】想定された正解はAですが,its→it とする必要があります。

Richardを含む3人のネイティブに尋ねましたが,全員同意見でした。

 

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