[009] take better/more care
of (2019 杏林大)〈正誤判定〉
×You should take @more care of Ayourself. Have you Btaken a medical checkup Crecently?
【解説】想定された正解は@(→better)。しかし,moreは本当に間違いか?
Richardによれば「moreはquantity,betterはqualityを問題にしている。betterが普通だが,moreを使うこともできる」。
Netspeakでは,take better care of:take
more care of=86,000:11,000 です。
この文でmoreを使っても,十分意味は通じます。些末な知識を問う(しかも英語の実態に合わない)問題と言えます。
[008]
thanの後ろに続く形(2018 宮崎大)
×She gets paid more than ( ).
@I am
★AI do ☆Bme Cmyself
【解説】Aのほか,くだけた表現ではBも使うことは多くの本に載っています。
[007]「日本で2番目に大きい都市」(2011中京大)〈連立完成〉
△ (a) What is the largest city next to Tokyo?
(b) What is the (
) largest city in Japan?
【解説】正解はsecondで,(b)は「日本で2番目に大きい都市はどこですか」という意味です。
こちらは問題ありません。しかし(a)を(b)とほぼ同じ意味にするには,(a)のcityの後ろにin Japanを補うべきです。
このままだと「東京に隣接する都市のうちで最も大きいのはどこですか」という意味にも解釈できます。
[006]「他のどのチームメイトよりも」(2011 大阪商大)
× Koji practices Judo (
) harder than any other teammate.
@ more A much B so C better
【解説】出題者が作らせようとした文の意味は「コウジは他のどのチームメイトよりもずっと熱心に
柔道を練習する」。コウジ自身は(彼の)チームメイトには含まれないので,「ほかの[=コウジ以外の]
チームメイト」というのは論理的に成り立ちません。
than以下を,than any member (of the team),than any of his [the] teammatesなどに変える必要があります。
[005] no more than=only(2010
兵庫県立大)〈連立完成〉
(a) He has only two dollars.
△
(b) He has ( ) ( ) ( ) two dollars.
【解説】出題者の想定した正解はno more than,文意は「彼は2ドルしか持っていない」。
この空所にnot more thanと入れた受験生は,おそらく不正解と判定されたでしょう。
出題者の頭の中には,次の「公式」があるはずです。
・no more than = only(わずか〜しかない)
・not more than = at most(多くても,せいぜい)
これは昔から受験英語の定番の知識として教えられてきた知識です。この公式が正しいとすれば,
He has not more than two dollars.
は「彼はせいぜい2ドルしか持っていない」という意味を表すことになります。
しかし,たとえば「ロングマン英和辞典」には,次のように書いてあります。
no more than:(not more than,nothing more thanとも)たった…だけ,わずか…(否定的にも肯定的にも用いる)
・The cottage is not more than five minutes from the beach.
(コテージは海浜からわずか5分です)
このように多くのネイティブは,no more thanもnot more thanも同じ意味で使います。
Richardは,上の問いの空所にはno more thanもnot more thanも入れることができるし,
彼の持ち金は1ドルかもしれない,と答えました。
[004-a]the+比較級+of the two(2010 高崎経済大)
〈正誤判定〉
× @Of the two cars our family
Ahave, the red Bone is the Ccheapest to run.
【解説】出題者が想定した正解はC(→cheaper)。
文意は「私たちが持っている2台の車のうちで,赤い方が走るのが安い[燃費がよい]」です。
学校英語では「後ろにof the two(二者のうちで)があるときは比較級にtheをつける」という文法のルールを学びます。
しかし実際の英語では,後ろにof the twoがあるときでも最上級も使われます。
この文のcheapestは,このままでも間違ってはいません。この事実を知っている出題者なら,
(別解が成り立つので)〈the+比較級+of the two〉という形を出題することはないはずです。
実際に,センター試験でこの知識が問われたことはありません。しかし残念ながら私大には知識不足の
出題者が多数おり,同様の問いがしばしば出ています。以下はその例です。
[004-b](2003
関西学院大)
× John is (
) of the two boys.
☆@ the cleverest A cleverest ★B the cleverer C the more cleverer
[004-c](2011 近大)
× Mark is expected to take over his father’s business as he is (
) boy
of the two sons in his family.
@ older A oldest ★B the older ☆C the oldest
[004-d](2012 国士舘大)
×
My brother told me that his girlfriend is the (
) of the two.
☆@ tallest ☆A shortest B short ★C taller
[003-a] be senior to 〜(2010
中京大)〈整序作文〉
私の妻は私よりも4歳年上だ。
△ My wife is [ to / by / years / four / me / senior ].
【解説】出題者が求める正解は (My wife is) senior to me by four years. ですが,こんな文はまず使いません。
senior・juniorは(特に形容詞の場合)年齢の上下ではなく「先輩・後輩」の関係を表すのが普通で,OALDでは
senior to=higher in rank or status than othersと定義されています。
したがって,たとえば職場でHe is my senior.
と言えば「彼は私の先輩です」という意味になります。
ただし転職が当たり前の英米社会では,入社時期が自分より早いか遅いかというようなことはあまり気にしません。
なお,名詞のseniorには「年長者」の意味もありますが,形容詞であれ名詞であれ家族の間ではseniorやjuniorは
使わない,とRichardは言います。
[003-b](2011 駒沢大)
△ My sister Jane is four years senior (
) me.
@ than A from ★B to C of
【解説】これも上記と同じ理由で不自然な文です。
[003-c](2009 青森公立大)〈連立完成〉
(a) Junko is older than I by five years.
△(b) Junko is five (
) my ( ).
【解説】これも同様。空所にyears,senniorを入れた文は不自然です。もっと本質的な問題点を指摘するなら,
この意味を表す最も普通の文はJunko is five years older than me.
です。普通の文を作る知識を尋ねないで,
代わりに変な英語ばかりを大学入試に出題していては,対策学習をする高校生の英語感覚がゆがむのも当たり前です。
[003-d](2010 兵庫県立大)〈連立完成〉
△(a) She is senior to him by three years.
(b) She is three years (
) ( ) he is. (10兵庫県立大)
【解説】これも同様(正解はolder, that)。(a)のような文は知らなくてかまいません。
[003-e](2008 中央大)
△After a brief conversation with Mary, John found he is (
) to her by a year.
@ adult A mature B older ★C senior
【解説】この文だけだと,「メアリと少し話した後,ジョンは自分が彼女より(職場で)1年先輩だとわかった」
という意味に解釈することはできます(出題者がそのつもりだったかどうかは知りませんが)。
[002] 最上級+but two(3番目に〜?)(2002
帝京大)〈整序作文〉
これは日本で三番目に高い山です。
×
This is [ highest / the / two / but / mountain ] in Japan.
【解説】出題者が作らせようとした文は (This is) the highest mountain but two (in Japan).
ですが,
私が訪ねたアメリカ人はこの問題を解くことができませんでした。正解を示して「but=except(〜を除いて)」
の意味だと説明しても,「こんな言い方はしない」とダメ出しされました。日本の文法書には時々このような
形が載っていますが,ネイティブに解けないような問題は悪問でしょう。
[001] fewerとless(2009
湘南工科大)
△ Although I take in (
) calories than Yoko does, I am fatter than she is.
★@ fewer ☆A less B little C more
【解説】文意は「私はヨウコほどカロリーを取らないが,彼女よりも太っている」。fewerはfew,lessは
littleの比較級なので,文法的には複数形の名詞の前にはfew(er)を置くのが正しいとされます。
しかし実際には,fewerの代わりにlessを使うケースはよく見られます。
あるアメリカ人は「文法的には@が正解だが,実際にはAの方がmore commonだ」と言いました。
なお,「ジーニアス英和辞典」ではlessをfewerの代わりに使う用法について「堅い書き言葉以外では
ほぼ確立しているが,これを誤りとする規範的な意見も根強く残っている」と説明しています。
大学入試(英文法)悪問データベース
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