2015/3/28 up

大学入試(英文法)悪問データベース [K1] 冠詞(1)

 

[009] a new type of a motor(2017 早稲田大・:スポーツ科学)

The automobile industry @is experimenting with a new Atype of a motor that will consume less gasoline and cause Bmuch Cless pollution. 

【解説】想定された正解はおそらくA(→type of motor)。

しかし,辞書にも書かれているとおり,Aは間違いではありません(Richardにも確認しました)。

たとえば「ウィズダム英和辞典」では,that kind of a book という例が載っています。

 

[008] a/anとtheの使い分け(2014 青山学院大)

×"How ( ) do you go to a sports gym?" "Twice a week."

@long  Amuch  ★Boften  Cfar 

【解説】下線部はthe sports gymとすべき。

この質問の主は,相手が(特定の)ジムに通っていることを知っているからです。

 

[007] a/anの2つの意味(2009 関西学院大)

He wants to buy a sports car if he can afford ( ).

★@one Athis Bsome ☆Cthat

【解説】He wants to buy a sports car. には次の2つの意味があります。

(A)彼はスポーツカーを(どれでもいいから)1台買いたいと思っている。

(B)彼はある(特定の1台の)スポーツカーを買いたいと思っている。

(B)の解釈では,a=a certainです。その解釈に立つなら,Cも別解となりえます。

(ただしthatよりitの方が普通ですが)

 

[006] a/anとtheの使い分け(2008 富山大・医)

〈空所補充。何も入らないときは0〉

×(1) He was ( 0 / an / the ) only child, but had a lot of cousins.

×(2) Last night I ate ( 0 / a / the ) chicken in a fancy hotel restaurant.

×(3) I hear that you bought ( 0 / a / the ) Volkswagen. You like German cars?

【解説】文意は,(1)「彼は一人息子だったが,多くのいとこがいた」,(2)「ゆうべ私は高級ホテルの

レストランでチキンを食べた」,(3)「君はフォルクスワーゲンを買ったそうだね。ドイツ車が好きなの?」。

出題者の想定した正解は,(1)がa,(2)が0,(3)がaでしょう。しかし(1)はHeの家族のことが既に話題に

なっている状況ならtheも可能,(2)もある種の鶏肉のことを話している状況ならtheも可能(また丸ごと

1羽分の鶏を食べたならaも可能),(3)もそのフォルクスワーゲンが旧情報ならtheも可能です。

これらの問いは,状況を設定しない限り答えが1つに決まりません。

 

[005] 不要なthe(3)(2008 名古屋経済大)

×The Ginza is the place ( ) many designers would like to open their shops.

@ that A which ★B where C what

【解説】文意は「銀座は多くのデザイナーが店を開きたいと思っている場所だ」。銀座は地名だから,

文頭のTheは不要(the Japanと言わないのと同じ)。初歩的な間違いです。

 

[004] 不要なthe(2)(2011 大阪商大・推薦)

I like jazz the best of ( ) the music.

@ big A some B beautiful ★C all

【解説】出題者は「私はすべての音楽のうちでジャズが一番好きだ」という文を作らせたかったのでしょう。

そうであれば,musicの前のtheは不要です。theがあると「その(特定の種類の)音楽」の意味に解釈されます。

 

[003] 不要なthe(1)(2011安田女子大)

× Mary opened the window to ( ) in the fresh air.

@ enter A go ★B let C come 

【解説】文意は「メアリは新鮮な空気を入れるために窓を開けた」。

the fresh airは単にfresh airとするか,some fresh airが自然な表現。

theをつけると「その(特定の)新鮮な空気」と解釈されます。

 

[002] 必要なthe(2011 大阪商大)

× If I had a computer, I ( ) internet for auctions.

@ can use A can be used ★B could use C could have used 

【解説】文意は「私がもしパソコンを持っていたら,インターネットをオークションに使えるのに」。

internetの前にtheが必要。internetはinter(national)+net(work)からきた言葉で,net(work)は可算名詞

だから無冠詞単数形では使えません。

 

[001-a]「同じ」の意味を表すa/an(2001 青山学院大)

〈下線部と同じ用法のものを選ぶ〉

These desks are all of <a> size.

★@ Birds of <a> feather flock together.

A The distance is only <a> mile or so.

B An apple <a> day drives away the doctor.

C There is <a> Mr. Jones on the phone for you. 

【解説】出題者の意図は,「a/anにはthe same(同じ)の意味がある」という文法知識を尋ねることです。

一番上の文は「これらの机はすべて同じ大きさだ」。正解の@は「同じ羽の鳥はともに集まる[→類は

友を呼ぶ]」(他の選択肢の訳は省略)。この問いに関しては,いくつかの問題点を指摘することができます。

まず,日本の入試では@のことわざが非常によく出題されます。

センター試験(1994追試)でも(ダミーの選択肢として)出されています。

しかし,そもそも入試問題でことわざの知識を問う必要があるのか?という素朴な疑問があります。

日本人が実際のコミュニケーションの中で自分から英語のことわざを使う機会はおそらくほとんどなく,

また使う必要もないでしょう。

次に,OALDやLDOCEなどの英英辞典でaをひいても,the sameの意味は掲載されていません。

日本の英和辞典にはその意味が載っていますが,たとえばジーニアス英和辞典ではaの一番最後に

「ことわざ・成句表現以外ではthe sameを用いる」という注釈つきで,上記のことわざを載せています。

つまり上の問いは,文法問題というよりも,(ほとんど役に立たない)丸暗記の知識を尋ねていることになります。

以下の問いも同様です。

[001-b](2008 東洋大)[正誤判定]

@Birds of Athe Bfeather flock Ctogether.(正解はA:the→a)

[001-c](2002 松山大)

We are two of ( ) kind. 

@ same ★A a B such C very

【解説】文意は「私たちは同じ種類の2人[→似たもの同士]だ」。これも慣用句です。

[001-d](2010 東京国際大)

The five new employees are all of ( ).

@ aged ★A an age B ages C the ages 

【解説】文意は「5人の新入社員はみんな同い年だ」。「彼らは同い年だ」はThey are the same age. と

言えばよく,a[an]のこんな用法は覚える価値がありません。

[001-e](2003 東京理大)[整序作文]

あの夫婦は背丈がちょうど同じだね。奥さんのほうは自分より背が低い男とは

結婚しなかったろうよ。〈1語不要〉

The couple are just ( * ) ( * ) ( * ). The wife wouldn't have married a man

( * ) ( * ) ( * ) in stature.

@ a A height B herself C less D more E of F than

【解説】正解はof a height,less than herself。完成した英文は非常に不自然な感じがします。

たとえばThe couple are just the same height. The wife wanted to marry a man as tall as herself. 

のように普通に表現すればいいのに,という印象を強く持ちます。

 

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