[008]
byとbeforeの意味の違い(2009・関西学院大)〈連立完成〉
×(a)
You should come back here ( ) eight o'clock.
(b) You should come back here before eight o'clock.
@ at
★A by B on C until
【解説】これでよく入試問題を作れるな…というくらい,出題者の無知が露呈した問題。
言うまでもなく,(a)なら8時に戻ってもセーフ,(b)だと8時に戻れば遅刻です。
[007] ofの誤用(2011・二松学舎大)
× Do you think that the consumption tax of Japan is ( )?
★@ heavy A large B expensive C many
【解説】文意は「日本の消費税は重いと思いますか」。この文のofはinに変えるべきです。
A of Bの形は,基本的に「AはBの(属性の)一部である」という意味を表します。
たとえばthe population of Tokyo(東京の人口)と言えるのは,人口が(東京という)都市の属性[都市が
常に持っている性質]の一部だから。the name of my company(私の会社の名前)も同様です。
しかし,たとえば「東京の若者はファッションに敏感だ」と言いたいとき,「東京の若者」をyoung people
of Tokyoとは言いません(正しくはyoung people in Tokyo)。「若者」は都市の属性とは考えられないからです。
同じ理由で,「日本の消費税」の正しい英訳はthe consumption tax in Japanとなります。
[006] byの誤用(2011・二松学舎大)
× (
) information has increased greatly by the spread of the Internet.
@ A number of A Many B The number of ★C The amount of
【解説】文意は「インターネットの普及によって情報量が大きく増えた」。
byはas a result ofなどに変えるべき。
[007]のofと同様に,日本人が犯しやすい典型的なbyの誤用です。
by(〜によって)は手段を表し,by car(車で),by e-mail(メールで),by working part-time
(非常勤[アルバイト]で働くことによって)のように使います。
日本語の「〜によって」が理由を表すときは,byを使うことはできません。
[005]前置詞を含む文構造の誤り(2011中京大)
× I’ll do my best to ( ) the delay till today.
@ make for A make out ★B make up for C make over
【解説】出題者の意図した意味は「私は今日までの遅れを取り戻すために最善を尽くします」でしょう。
しかしRichardにこの文を見せたら「意味がわからない」と言われました。
出題者はおそらくthe delay till todayを「今日までの遅れ」の意味で使ったのでしょうが,
till todayは副詞句であり名詞を修飾することはできません。
RichardにThe amount of delay time has accumulated till today.(遅延時間の量が今日まで蓄積した)
という意味だろうと説明しましたが,彼の代案は
I’ll catch up with my work today.
でした。
しかしこれだと「今日中に遅れを取り戻す」という意味になるので,上の文とは意味がずれます。
結局どう直せばよいのかわかりませんでしたが,少なくともこの文が不自然であることは間違いないようです。
[004] from A to Bの誤用(2011・中京大)[連立完成]
(a) What is the distance between here and there?
×
(b) ( ) far is it from here and there?
【解説】正解はHow,文意は「ここからそこまでどのくらい距離がありますか」ですが,
(b)のandはtoにすべき。from A to Bで「AからBまで」の意味です。
[003] inの誤用(2011
大阪商大)
× My parents make me (
) for 6 hours in a day.
★@ study A to study B studied C have studied
【解説】「両親は私を1日につき6時間勉強させる」の意味だと思いますが,その意味なら
inは削除すべき。
in a day
は「今から1日後に」または「1日を要して」の意味です。
[002] 別解が生じる問い(2)(2008 順天堂大)
× The company decided on the terms and conditions that were advantageous (
) itself.
★@ to
A in ☆B for C with
【解説】文意は「その会社は自らに有利な(契約)条件を決めた」。
出題者が想定した正解はおそらく@のtoでしょうが,Bのforも使えます。
Netspeakでは,advantageous(有利な)に続くtoとforの件数は100万:30万です。
この問いは医学部の問題ですが,出題者は受験生の間に得点差をつけることしか考えておらず,
知らなくてもいい瑣末な知識を問おうとしていることにそもそもの問題があります。
空所にtoとforのどちらを入れてもコミュニケーションに支障があるとは思えません。
[001] 別解が生じる問い(1)(2011 早稲田大)
× When my car broke down, I left it (
) a mechanic instead of trying to fix it by myself.
@ at
A by ☆B for C in D into E of F on
G out
☆H to I up ☆J with
【解説】「英語教育」で取り上げた問いです。その説明を以下に再掲します。
空所に入る前置詞を下の11個のうちから選べ」という,いかにも別解が成立する
リスクの高そうな形式の問題です。
案の定と言うべきか,Richardに尋ねると「BHJのどれも正解」と言われました。
HJについては,G4にLeave it with [to] me.
(任せてくれ)という例文が載っています。
Bのforは,『ロングマン英和辞典』にあるLucy left a note for you.(ルーシーがメモを君に残して行ったよ)
などと同様の用法と考えられます。
大学入試(英文法)悪問データベース
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