2013/3/9 up

大人の英文法−004  文末重心の原理  

 

重い[長い]要素を文末に回すことを「文末重心の原理」と言います。

その典型例が,形式主語構文です。

To sing karaoke is fun.

→ It is fun to sing karaoke. (カラオケを歌うことは楽しい)

上のような主語の長い「頭でっかち」な文は,英語では避けられる傾向があります。

※名詞的用法の不定詞を文頭に置く形は,現代英語ではほとんど見られません。

情報量のバランスから言えば,「前を軽く,後ろを重く」する方が,英語の文らしくなるわけです。

たとえば「象は鼻が長い」という和文の英訳として,次のどちらがベターでしょうか。

(a) The trunk of an elephant is long.

                    S                        V   C

(b) An elephant has a long trunk.

              S            V         O

この2つの文を比べて,「何となく(b)の方がよさそうだ」と感じることができる人には,一定の

英語感覚が身についています。実際に(a)はぎこちない文であり,(b)の方が自然に響きます

(a)がぎこちない理由は,Sが重すぎる(逆に後ろが軽すぎる)からです。したがって,たとえば

次のように後ろも重くすれば,不自然さが和らぎます。

(a)' The trunk of an elephant is very long and big.

                    S                         V            C

情報構造の観点から言えば,(a)は「象の鼻」,(b)は「象」について語っています。

このように英語の文は「主題を最初に示し,その主題について説明する」という構造を持って

います。その説明が情報的に大きな価値を持てば持つほど,自然に響くというわけです。

 

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