2013/3/23 up

大人の英文法−020  未来進行形 

 

「will+be+〜ing」の形を「未来進行形」と言います。ここまでの説明をふまえて

この形を分析的に説明すると,次のようになります。

@ will(法助動詞の現在形)は「(未来に)〜だろう」という現時点での推量を表す。

A be+〜ing(進行相)は「基準時に〜の動作が進行している」という意味を表す。

次の例で説明してみましょう。

・ I will be studying at eleven tonight.

(私は今夜11時には勉強しているだろう)

この文の基準時は「今夜11時」という未来の時点です。その時点で「勉強する」と

いう動作が進行しているだろう,と話し手は自分の行動を推測しています。

では,この文を「私は今夜11時には勉強しているつもりだ」〈意志未来〉の意味に

解釈することは可能でしょうか?答えはノーです。be studying は「勉強している

状態だ」という意味なので,無意志動詞に準じて will は単純未来(〜だろう)の

意味を表します。


 

このように未来進行形は「(未来のある時点で)〜しているだろう」という意味を

表しますが,もう1つの使い方があります。たとえば東京から西へ向かう新幹線の

車内では,次のようなアナウンスが流れています。

・Welcome to Nozomi Superexpress bound for Hakata. 

  We will be stopping at Shinagawa, Shin-yokohama, ...

  (博多行き新幹線のぞみ号にようこそ。この列車の停車駅は品川,新横浜…)

この文の未来進行形(will be stopping)は「止まりつつあるところだろう」という

意味ではありません。ここでは未来進行形が「〜する予定だ」という意味を表します。

・How will you be paying, sir? (お支払いはどのようになさいますか)

これは店員などが客に対して使う表現で,この場合も「予定」を尋ねています。

How will you pay, sir? だと「あなたはどのようにして払うつもりですか」と相手の

意志を確認することになるので,失礼に響くおそれがあります。一方未来進行形は,

「どのようにして払うことになるでしょうか」という「未来の状態に対する話し手の推測」

を表します。したがって will you pay よりもずっと穏やかに響きます。

未来進行形の will は単純未来を表す」という事実が,控えめなニュアンスを

生んでいる点に注意してください。


 

未来進行形は,学校で習う用法と現実によく使われる用法との間に大きなギャップが

ある時制の1つです。未来進行形の主な意味は次の2つです。

@ 未来の基準時において進行中の動作を表す。

A 〈will+原形〉よりも控えめな推量を表す。

学校ではほとんど@の用法しか教えませんが,実際に使われるのはAの用法の方が

圧倒的に多いと思います。

(a)  It will rain tomorrow. (明日は雨でしょう)

(b)  It will be raining tomorrow. (明日は雨でしょう)

両者はほとんど同じ意味ですが,ニュアンスの違いが感じ取れますか?

(b)は(a)に比べて断定を避ける心理が働いた言い方であり,穏やかに響きます。

・I'm sorry, but Doctor Finley will not be seeing any more patients today.

(申し訳ありませんが,フィンリー先生の本日の診察は終了しました)

*直訳は「…フィンリー先生は今日はこれ以上の患者をみません」。

この文は大学入試問題からの引用です(2009・南山大)。下線部は will not see よりも

穏やかな言い方だ,と話し手は思っています。この感覚をつかめば,未来完了形を上手に

使えるようになります。

 

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