2013/3/24 up

大人の英文法−024  過去完了形 

 

過去完了形は,現在完了形の基準時を「過去」へスライドさせた時制です。

had+過去分詞〉の形で,基準時(過去のある時点)における(それより

前に起きたこととつながりのある)状態を表します。

(a) When I arrived at the station, my train had already left.

  (私が駅に着いたとき,私の乗る電車は既に出ていた)

この例の基準時は「私が駅に着いたとき」という過去の1時点です。

その時点で「私の乗る列車は[既に出てしまった(already left)という状態]を

持っていた(had)」と考えることができます。

(b) We had been waiting for 30 minutes when the bus came.

  (バスが来たとき私たちは30分待ったところだった)

これは過去完了進行形の例です。基準時は「バスが来たとき」であり,

その時点まで「待っている(be waiting)という状態がずっと続いていたという

意味を表しています。

学校文法で言えば,(a)は〈完了〉,(b)は〈継続〉の例です。〈経験〉の例も見て

おきましょう。

(c) I found the hotel easily, because I had stayed there once.

(私はそのホテルを簡単に見つけた。一度泊まったことがあったので)

この文の基準時は「私がホテルを見つけたとき」。その時点から見て「それより

前に〜したことがあった」という意味を過去完了形(had stayed)で表します。


 

過去完了形を理屈の上で理解するのはそう難しくないはずですが,実際には

この時制の使い方を間違えているケースがよく見られます。たとえば次のような

誤りです。

× I had lived in Hokkaido when I was a child.

I lived in Hokkaido when I was a child.

   (私は子どもの頃に北海道に住んでいた)

このように「過去の状態」(当時は〜していた)の意味を表すには過去形を使います

この文の基準時は「私が子どもの頃」であり,その同じ時点で「北海道に住んでいた」

わけですから,過去完了形を使う必然性がありません。過去完了形は「基準時よりも

前の時点に起きたこと」を表す点に注意してください。

なお,過去完了形には「大過去」と呼ばれる使い方もありますが,これは「時制の一致」

のところで説明します。

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