助動詞の各論に入る前に,主な助動詞の種類を確認しておきます。
現在形
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will
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shall
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can
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may
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must
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過去形
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would
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should
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could
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might
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−
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上段が「現在形」となっている点に着目してください。
(a) I can help you.
(君を手伝うことができるよ[手伝おうか])
(b) He will become a
good engineer. (彼はよいエンジニアになるだろう)
(a)は「今〜できる」と言っています。(b)でも「〜だろう」というのは現時点での予測です。
つまりどちらも現在の事実を表しています。では,これらの助動詞を過去形にしてみましょう。
(a') I could help
you.
(b') He would become a
good engineer.
これらの文は,過去の事実を表してはいません。
(a')は「(もし君がいやでなければ)手伝うこともできるよ」というニュアンスで,仮定法過去の
条件節が省略された形と考えることができます。(a)と(a')はどちらも「手伝おうか?」と相手に
打診するときに使う文で,(a')の方がていねいに響きます。
(b')も仮定法過去がもとになった文で,willよりも控えめな推量を表します。(b)と(b')の間にも
意味の上で大きな差はありません。
※(b')を「彼はよいエンジニアになるつもり[はず]だった」という意味に解釈することは
できません。その意味を表す英文は He was
going to become a good engineer. です。
これらの例から,次のことが言えます。
@助動詞の過去形が「過去の事実」を表すケースは少ない。
A助動詞の過去形は,現在形よりも控えめな(現在を基準とした)意味を表す。
ただし,たとえば could
が「〜できた」の意味を表す場合もあります。
・His secretary could
speak Japanese. (彼の秘書は日本語を話せた)
また,that節中の助動詞が主節との時制の一致で過去形になる場合もよくあります。
・He said (that) he could
help me.(彼は私を手伝えると言った)
しかし一般的に言えば,助動詞の過去形はAの意味で使うのが普通です。
特に might
は,時制の一致の場合を除いては「過去のこと」を表しません。
shouldも現代英語ではもっぱら「〜すべきだ,〜するはずだ」という現在の判断を表します。
またmustには過去形がなく,「〜しなければならなかった」は
had to で表します。