一般的な定義は次のとおりです。
格 =
文中での他の語との文法的関係に応じた名詞・代名詞の活用形
主な格には,次の3つがあります。
主格=主語の働きをする名詞・代名詞の形
所有格=「〜の」という意味を表す名詞・代名詞の形
目的格=目的語の働きをする名詞・代名詞の形
人称代名詞は次のような格変化を持ちます。(中学1年の学習範囲です)
|
1人称
|
2人称
|
3人称
|
単数
|
複数
|
単数
|
複数
|
単数
|
複数
|
主格
|
I
私は |
we
私たちは |
you
君は |
you
君たちは |
he
彼は
she 彼女は
it それは |
they
彼[彼女・それ]らは |
所有格
|
my
私の |
our
私たちの |
your
君の |
your
君たちの |
his
彼の
her 彼女の
its それの |
their
彼[彼女・それ]らの |
目的格
|
me
私を |
us
私たちを |
you
君を |
you
君たちを |
him
彼を
her 彼女を
it それを |
them
彼[彼女・それ]らを |
以下は,格に関するいくつかの注意点です。
@ 名詞の場合は,たとえば Tom(主格)−Tom's(所有格)−Tom(目的格)となります。
Tom loves me.
(トムは私を愛している)
主格
I love Tom.
(私はトムを愛している)
目的格
つまり,名詞の主格と目的格は常に同じ形です。
このことから,「名詞には格は
ない」と考える立場もあります。
A 前置詞の後ろには目的格を置きます。
I'm looking for him.
(私は彼を探しています)
前置詞 目的格
この事実から,前置詞の後ろの名詞・代名詞を「前置詞の目的語」と言います。
B 格には,上記のほかに独立所有格と呼ばれるものがあります。たとえば1人称単数の
代名詞の独立所有格は mine(私のもの)です。(詳細は後述)
【参考】
古い英語では,上記以外の格もありました。
たとえば与格(今日の間接目的語),対格(今日の直接目的語),属格(今日の所有格)など。
言語は一般に時代を経るにつれてシンプルになる傾向があり,異なる格がしだいに統一されて
今日の形になりました。
なお,古い文法書では次のような(冠詞または代名詞の所有格の後ろに置かれた)
名詞の形を「記述の対格(Accusative
of Description)」と呼んでいるものもあります。
・When my mother was my age,
she was already married.
(母が私の年だったとき,彼女はもう結婚していた)
この文の場合,「母=年齢」とは言えないので本来は
my mother was my age は誤りの
はずですが,my の前に of が省略されていると考えます。
また,いわゆる「同格」も格の一種ですが,今日の英文法では同格は文法的関係を表す
用語であり,名詞・代名詞の活用形とは考えません。