2014/4/6 up

大人の英文法079−格とは  

 

一般的な定義は次のとおりです。

格 = 文中での他の語との文法的関係に応じた名詞・代名詞の活用形

 

主な格には,次の3つがあります。

主格=主語の働きをする名詞・代名詞の形

所有格=「〜の」という意味を表す名詞・代名詞の形

目的格=目的語の働きをする名詞・代名詞の形

 

人称代名詞は次のような格変化を持ちます。(中学1年の学習範囲です)

 

1人称 

2人称 

3人称 

単数

複数

単数

複数

単数

複数

主格

私は

we 

私たちは

you 

君は

you 

君たちは

he 彼は

she 彼女は

it それは

they

彼[彼女・それ]らは

所有格

my 

私の

our 

私たちの

your

君の

your

君たちの

his 彼の

her 彼女の

its それの

their

彼[彼女・それ]らの

目的格

me 

私を

us 

私たちを

you

君を

you

君たちを

him 彼を

her 彼女を

it それを

them

彼[彼女・それ]らを

 

以下は,格に関するいくつかの注意点です。

 

@ 名詞の場合は,たとえば Tom(主格)−Tom's(所有格)−Tom(目的格)となります。

Tom loves me. (トムは私を愛している) 

主格

I love Tom. (私はトムを愛している)

         目的格

つまり,名詞の主格と目的格は常に同じ形です。 このことから,「名詞には格は

ない」と考える立場もあります。

 

A 前置詞の後ろには目的格を置きます

I'm looking for him. (私は彼を探しています)

             前置詞   目的格

この事実から,前置詞の後ろの名詞・代名詞を「前置詞の目的語」と言います。

 

B 格には,上記のほかに独立所有格と呼ばれるものがあります。たとえば1人称単数の

  代名詞の独立所有格は mine(私のもの)です。(詳細は後述)

 

【参考】 古い英語では,上記以外の格もありました。

たとえば与格(今日の間接目的語),対格(今日の直接目的語),属格(今日の所有格)など。

言語は一般に時代を経るにつれてシンプルになる傾向があり,異なる格がしだいに統一されて

今日の形になりました。

なお,古い文法書では次のような(冠詞または代名詞の所有格の後ろに置かれた)

名詞の形を「記述の対格(Accusative of Description)」と呼んでいるものもあります。

・When my mother was my age, she was already married.

  (母が私の年だったとき,彼女はもう結婚していた)

この文の場合,「母=年齢」とは言えないので本来は my mother was my age は誤りの 

はずですが,my の前に of が省略されていると考えます。

また,いわゆる「同格」も格の一種ですが,今日の英文法では同格は文法的関係を表す

用語であり,名詞・代名詞の活用形とは考えません。

 

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