◆関係詞の種類と働き
すべての関係詞は「節を作る」という共通の働きを持っています。
節とは文の一部であり,〈S+V〉の関係を含むものを言います。上の例で見てみましょう。
(a) I hate people [who
tell lies].
(私はうそをつく人々が大きらいだ)
S V
who tell lies
の部分には,S(who)+V(tell)の関係が含まれます。だからこれは節です。
そして,この節は前の名詞(people)を修飾する形容詞の働きを持っています。
このような節を「形容詞節」と言います。
関係詞は「(一般の)関係詞」と「複合関係詞」とに大別できますが,複合関係詞の説明は後回しにします。
ここでは,一般の関係詞の種類と働きをまとめておきます。
種類
|
関係代名詞 |
関係副詞 |
関係形容詞 |
例 |
who/thatなど |
what |
where/whenなど |
which |
what |
作る節
|
形容詞節
副詞節 |
名詞節
副詞節 |
形容詞節
副詞節 |
副詞節 |
名詞節 |
以下,これらを詳しく説明していきます。なお,この「大人の英文法」では,「形容詞節」「副詞節」の
とらえ方が学校文法とは少し違うので注意してください。
◆関係詞と疑問詞との関係
that以外の関係詞は,もともと疑問詞と同じものでした。
だから,たとえば上の文は次のように考えることができます。
(a) I hate people [who
tell lies].
→
私は(ある種の)人々が大きらいだ。それは誰かと言えば,うそをつく人々だ。
つまりこの文は,I
hate people. Who are they? They tell lies. という意味を表しています。
一方 that
は,「それ」の意味の代名詞と同じものでした。
(b) The movie [(that/which)
I saw yesterday] was exciting.
この文でwhichを使った文は,「その映画はわくわくした。どの映画かって?私がきのう見た
映画さ」ととらえることができます。一方thatを使った文は,「その映画はわくわくした。
その映画だよ。私がきのう見たやつさ」となります。関係詞に限らず,英文の意味を正しく
理解するためには,個々の単語が持つもともとの意味に立ち返って考えることが大切です。