2015/7/18 up

大人の英文法101−目的格の関係代名詞(who(m)/which) 

 

ここで取り上げる関係代名詞は,下のピンク色の分類に入るものです。全体像は 097 を参照してください。

品詞分類 その関係詞が作る節 該当する関係詞 用法の分類 関係代名詞の格
関係代名詞 名詞節 what    
形容詞節 who/whose/whom/whi/that 限定用法/補足説明用法 主格/所有格/目的格
副詞節 what    
関係形容詞 名詞節 what(/which)    
副詞節 which    
関係副詞 名詞節 when/where/why/how    
形容詞節 when/where/why 限定用法/補足説明用法  
副詞節 when/where    

     ※上の表では複合関係詞(whoeverなど)は省略しています。

 

098 の表を再掲します。

 

先行詞が人

先行詞が人以外

主格

(a) who/that

(b) which/that

所有格

(c) whose

(d) whose

目的格

(e) who(m)/that

(f) which/that

 

まず,上の表の(e)の例を1つ挙げます。

(a) I have a boyfriend who(m) I love very much. (私には大好きなボーイフレンドがいる)

上の文の下線部は,前の名詞(a boyfriend)の意味を限定しています。次のように考えてかまいません。

I have a boyfriend.+I love him very much. 

(私には(1人の)ボーイフレンドがいる。私は彼が大好きだ)

下線部をwhomに置き換えて先行詞(a friend)に続ければ,上の文になります。

上の文を使って,人以外が先行詞の例文を作ってみます。

(b) I have a puppy which I love very much. (私は大好きな子犬を飼っている)

この文は,I have a puppy.+I love it very much. と関連づけて考えることができます。

 

上の2つの文に対して,いくつかの基本的なことを説明しておきます。

@ (a)のwho(m),(b)のwhichは,話し言葉では普通は省略されます。

(a)=I have a boyfriend I love very much.

(b)=I have a puppy I love very much.

A 関係代名詞でも疑問代名詞でもwhomは堅苦しい語であり,普通はwhoで代用します。

・(a)はwhomよりもwhoを使う方が普通(それらを省略する方がさらに普通)。

・次の例では○が普通。

Who does she love? / △ Whom does she love?

(彼女は誰を愛していますか)

B (a)(b)とも,関係代名詞としてthatを使うことが(文法的には)できます。

(a)=I have a boyfriend that I love very much.

(b)=I have a puppy that I love very much.

※ただし,特に(a)はあまり自然ではありません。人の後ろではthatよりwhoの方が好まれます。

 

次に,発展的なことをQ&Aで説明します。

 

C (a1)と(a2)は,同じ意味ですか?

(a1) I have a boyfriend (who(m)) I love very much.

(a2) I have a boyfriend. I love him very much.

詳細は後述しますが,この場合は同じ意味に解釈される可能性が高いと思います。

つまり,「話し手のボーイフレンド(恋人)は1人だけだ」という解釈です。

(a1)は形の上では「私には複数の恋人がいて,そのうち大好きな相手が一人いる」の

意味にも解釈可能です((a2)には「私の恋人は1人だけだ」という含意があります)。

しかし,自分の恋人が1人だけでも(a1)は使えます。

ただし,自分の恋人が1人だけである場合,(a1)より(a2)の方が普通の言い方でしょう。

 

C (b)で,whichの代わりにwho(m)を使うことはできますか?

(b1) I have a puppy (which) I love very much.

(b2) I have a puppy who(m) I love very much.

結論を言えば,(b2)は可能です。それはつまり,次の文も可能だということです。

(b3) I have a puppy.  I love him/her very much.

(b2)や(b3)は,飼い犬が擬人化(人間扱い)された文学的表現です。ペットを溺愛している

人ならこのように言うでしょう。そういう意味では,I have a camera whom I like very much.

という(無生物+whomの)文も,文学表現なら許容されるでしょう。

 

D (b1)と(b4')は同じ意味ですか?

(b1) I have a puppy (which) I love very much.

(b4) I love my puppy very much.

「話し手は1匹の犬を飼っていて,その犬が大好きだ」という事実は同じです。

しかし,この2つの文は使う場面が全く違います。

(b1)は,話題を切り出す場合に使います。「私は犬を飼っているんですけど,その犬が

大好きなんです」ということ。一方(b4)は,(その)子犬に関連することが既に話題に出ている

状況,あるいは話し手が犬を飼っていることを聞き手が既に知っている状況で使います。

(例) "Do you like animals?" "Yes. I love my puppy very much."

(「動物は好きですか」「はい。私は飼っている子犬が大好きです」) 

 

 

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