2015/10/12 up

大人の英文法107−関係副詞(限定用法) 

 

学校で習う(限定用法の)関係副詞は次の4つです。

先行詞 

場所 reason (なし)

関係副詞

when where wwhyhy how

 

以下に例文を1つずつ挙げておきます。

(a) 1945 is the year when [in which] the war ended.

(1945年は戦争が終わった年です)

(b) This is the hospital where [in which] I was born.

(ここは私が生まれた病院です)

(c) Tell me the reason why [for which] you refused the offer.

(あなたがその申し出を拒否した理由を私に教えてください)

(d) This is how [the way] I solved the puzzle.

(これが私がパズルを解いた方法です[このようにして私はパズル解きました])

まず(a)〜(c)を考えてみます。

(a)は,1945 is the year. + The war ended in the year. ということ。

下線部を when(関係副詞)または in which に置き換えて先行詞(the year)に続けると,

(a)ができます。下のように考えてもかまいません。

1945 is the year [  ?  ] the war ended.

下線部を後置修飾語句として「戦争が終わった+年」のように前の the year を

修飾する働きをさせたい場合,[  ?  ] にどんな語を入れればいいでしょうか?

「そのとき戦争が終わった」だから [  ?  ]=then としてもよさそうに思えます。

しかし then(そのとき)は副詞だから,後ろに〈S+V〉を置いて節を作ることができません。

一方,接続詞の when(〜するとき)は節を作ることができます。それとの関連で,

[  ?  ] に when を入れて文の形を整えようとしたのが関係副詞だと考えることもできます。

対比して言うと次のようになります。

(a) 1995 is the year when the disaster happened.

(1995年はその災害が起きた年だ) 〈形容詞節〉

(e) I was in Osaka when the disaster happened.

(その災害が起きたとき,私は大阪にいた)  〈副詞節〉

(a)の下線部は,前の名詞(the year)を修飾するので形容詞節です。

一方(e)の下線部は副詞句ですね。しかしこの2つの表現は,何かしら関係がありそうです。

さらに言えば次のような文も。

(f) I'll tell you about when the disaster happened.

(その災害が起きたときのことをあなたに話しましょう) 〈名詞節〉

これらの下線部は「その災害が起きたとき」という共通の意味を持っており,when に導かれる

節が(f)では名詞,(e)では副詞の働きをしています。だからついでに形容詞の働きもさせてやろう,

ということで生まれたのが(e)の表現だ,という説明ができるように思いますが,いかがでしょうか。

同じことは where にも言えます。

(b) This is the hospital where I was born.

(ここは私が生まれた病院です) 〈形容詞節〉

(g) This is where I was born.

(ここが私が生まれた場所です) 〈名詞節〉

(h) There was a unique custom  where I was born.

(私が生まれたところには珍しい習慣がありました) 〈副詞節〉

(e)の when や(g)の where は,一般には「先行詞が省略された関係副詞」と説明されますが,

when には「〜するとき」,where には「〜するところ」という意味の名詞節を作る働きがあると

考えることもできます。what(関係代名詞)が「〜すること」の意味の名詞節を作るとの同じです。

一方 why は,形容詞節・名詞節を作ることができますが,副詞節は作れません。

(c) Tell me the reason why you refused the offer.

(あなたがその申し出を拒否した理由を私に教えてください)〈形容詞節〉

(i) Tell me why you refused the offer.

(あなたがその申し出を拒否した理由を私に教えてください) 〈名詞節〉

why はなぜ副詞節を作れないのか?− それは意味を考えればわかります。

when(〜するとき)に対応するwhyの意味は何でしょうか?

思い浮かびませんね。しいて言えば「なぜなら〜だから」ですが,それを表す語はbecauseです。

では,最後に残った how はどうでしょうか?

(d) This is how I solved the puzzle.

(これが私がパズルを解いた方法です)〈名詞節〉

howが作れるのは名詞節だけです。どの本にも書いてあるとおり the way how とは言わないので,

形容詞節は作れません。また副詞節も意味的に無理です。

したがって,4つの語の働きをまとめると次のようになります。

when where wwhyhy how
名詞節
形容詞節 ×
副詞節 × ×

 

たとえば when は3つの種類の節を作りますが,その節中で when が関係副詞であるか接続詞で

あるかといった区別は重要ではありません。「whenは〈時〉を表す」と解釈すれば事足ります。

 

最後に, the way についても触れておきます。

次の文と対比して考えてみましょう。

(j) The moment I was alone, I opened the letter.

(一人になるとすぐに,私はその手紙を開いた)〈副詞節〉

the moment は as soon as の意味の接続詞として使います。高校で習いますね。

このように,名詞が他の品詞に転用されるケースはしばしばあります。

this morning(けさ)や today(今日)ももともとは名詞ですが,I met her this morning [today]. と

いう文では副詞の働きをしています。

また,Come this way.(こちらへ来なさい)では下線部が副詞の働きをしていますね。

その延長で,the way は次の2つの意味に転用されるようになりました。

@ 〜する方法(=関係副詞の how)

A 〜するように[とおりに](=接続詞の as)

それぞれの例を確認します。

(d) This is the way [how] I solved the puzzle.

(これが私がパズルを解いた方法です)〈名詞節〉

(k) Dance the way [as] I do.

(私がする[踊る]とおりに踊りなさい)〈副詞節〉

the way how という言い方が(昔は可能だったが今は)できない理由は,the way がそれ自体で

how の意味を表すようになったため,the way how では意味が重複しているように感じられるから

だと推測できます。なお,(d) は This is the way that [in which] I solved the puzzle. とも言います。

この場合の the way は純粋な名詞です。

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