大人の英文法-143 記述の対格
以下は,桐原書店の共通テスト対策教材からの抜粋です。 Other examples of technically challenging new jobs are professional gamers who compete in online tournaments for prize money ... (技術的に困難な新しい仕事の例としては,賞金をかけてオンラインの大会に出場するプロゲーマーがある) この文は S are C. という構造ですが,S=Cの関係になっていないように見えます。 次の文も似た例です。 His job is a lawyer. (彼の仕事は弁護士です) これも,「S=仕事,C=人」だから,文法的にはHe is a lawyer. としなければ誤りであるかのように見えます。 しかし実際には,これらの文は許容されます(DeepL WriteやGrammarlyにHis job is a lawyer. を入れても修正は入りません)。 これらのCは,記述の対格(Accusative of Description)の一種と考えることができます。
「詳解英文法辞典」(井上義昌,開拓社)によれば,記述の対格とは, 形容詞の働きを持つ「of+名詞」の前置詞が省かれた形と普通考えられるもの です。この形で使う名詞は,size, age, shape, height, width, length, color, price, weight, profession, use, good(有用)など。 of use=usefulなどはその例です。以下の例文は同書からの引用です。 ・What size is your hat?(君の帽子のサイズは?) ・The two boys are (of) the same age [height]. (二人の少年は同じ年齢[身長]だ) ・What price is this article? (この品はいくらですか) ・What trade is he? (彼は何商売ですか) 「職業」の意味のprofession や jobも,上の最後の例の trade と同じ使い方ができます。 あるいは, This bag is 2,100 yen.(このバッグは2,100円です) という文も,冷静に考えればS=Cではありません(Sは物,Cは値段だから)。 この場合も,2,100 yenは「2,100円という値段だ」という意味(一種の形容詞に近い)と考えることができます。
ただし,次のような場合は形容詞を使って表現するのが普通です。 ・He is 170 centimeters tall. (彼の身長は170センチだ) ・She is 19 years old. (彼女の年齢は19歳だ) これらの文でtallやoldを省くと,170や19が何の数字かわかりにくくなるためです。 ただし日常的には数字だけで相手に伝わるような状況が多いので,tallやoldはしばしば省略されます。
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