大人の英文法-147

with構文と独立分詞構文の関係

 

写真は2024年の一橋大の読解問題の一部です。ここでは,赤い文字の部分(1)(2)について考えます。

Since we humans are part of the universe, it is only natural that our forms of creative expression, (1)literature among them, will also manifest an inclination for pattern and structure. 

That feeling we get when we read a great novel or a perfect poem that here is a beautiful thing, (2)with all the parts fitting together perfectly in a harmonious whole is the same feeling a mathematician experiences when reading a beautiful proof.

DeepLの訳文:

私たち人間も宇宙の一部である以上、私たちの創造的な表現形式、(1)中でも文学がパターンや構造への傾倒を示すのは当然のことである。

偉大な小説や完璧な詩を読んだときに感じる感覚、つまり、(2)すべてのパーツが完璧に調和した全体として、美しいものがここにあるという感覚は、数学者が美しい証明を読んだときに感じる感覚と同じである。

(2)はwith構文です。一般にwith構文は〈with A B〉の形で,「A be B」の関係を含みます(Bは補語または場所を表す副詞句に相当するもの)

では(1)は?−これもwith構文と関係がある,というのがこの記事の趣旨です。

 

with構文の用法は分詞の用法とオーバーラップしており,次の4種類があると考えられます。

@限定用法の形容詞型

A補足説明用法の形容詞型

B副詞型

C重文型(新たな情報を加える働き)

 

@は限定用法の分詞,A〜Cは分詞構文に対応しています。以下に1つずつ例を示します。

@Here is a box with ten balls in it.

(ここに10個のボールが入った箱があります) 下線部はa boxの意味を限定している。

AYou can use a large plastic bottle, with its top cut off, as a pot to grow young plants in.

(大きなペットボトルの上部を切り取って,苗を育てるのに使うことができる)(センター試験より)

※下線部a large plastic bottleに補足説明を加えている。

BShe fell asleep with the TV on. 

(彼女はテレビをつけたまま眠り込んだ) ※下線部はfell (asleep)を修飾する。

CThe Tigers are in first place, with the Giants a close second. 

(タイガースが首位におり,ジャイアンツが僅差の2位だ) ※下線部は新たな情報を加えている。

A〜Cの用法のwithは,原則として次の性質を持ちます。

(with) A (being) B の形をもとにして,withbeingのどちらか,または両方を省略できる。

withを省略した形は独立分詞構文になる。

 

たとえばCは,

CThe Tigers are in first place, (with) the Giants (being) a close second.

※withを省けば独立分詞構文。withbeingの両方を省くこともできる。

 

最初に挙げた一橋大の英文は,

our forms of creative expression, (with) literature (being) among them, …(文学を含む我々の創造的な表現形式は…)

(  )を省略した形(一種の独立分詞構文)と考えることができます。

その場合,このwith構文は,4つの分類中のA型(literature among themは前の名詞句に補足説明を加えている)と考えることができます。

なお,赤字部分は補足説明というよりも情報の焦点だと考えることもできます。

DeepLの訳文が「中でも文学は」となっているのは,その解釈に基づくものでしょう。

 

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