日記帳(08年4月28日〜5月11日)
きのうの土曜日(5月10日)は,一日中雨が降っていたので普通に仕事。
今日の日曜日(11日)は,夕飯の食材確保を目指して,朝の5時ごろ横島・坊地新波止へ。
もうかなり釣り人が入っていた。曲がり角の10mほど先が空いていたので,5時過ぎから
7時過ぎまで竿を出した。持ち帰った魚は下の写真のとおり。
小イワシ約20匹。コノシロ1匹(隣でサビキ釣りをしていた人にもらったもの)。
ウマヅラハギ3匹。一番小さい23cmのは,朝一番に表層まで浮いてきたのをギャング針で
引っ掛けたもの。残りの2匹(28cmのメス・31cmのオス)は,小イワシ釣りのサビキ仕掛けに
サシアミをつけて釣ったもの(ただしメスの方はスレ掛かり)。現地で魚をさばいて7時半ごろ
帰路につき,帰る途中で常石・大越の波止へ寄ると,能登原のyさんが30cmくらいのチヌを
1枚釣っておられた。今日は干潮が9時半ごろで条件が悪いが,来週は逆の潮になるので
期待できるだろう。
午後の満ち潮を狙って出直すつもりだったが,一応夕飯のオカズは確保してあるし,午後の部は
キャンセルして映画を見に行った。特に見たいわけでもなかったが,黒澤映画のリメイクという
ことで「隠し砦の三悪人」を選んだ。が,これは失敗。オリジナルの方は見ていないが,何というか
あまりにも「今ふう」の時代劇で,特にラストシーンで2人の男が海岸を歩くシーンは,まるっきり
そこらへんの海水浴場で撮影したような雰囲気がありありで興ざめした。それに,どういうわけか
去年から,阿部寛が出る映画ばっかり見ているような気がする。「自虐の詩」とか「バブルへGO!」
とか。結局そういう「わかりやすい映画」が好きなだけだろうが。
そう言えば,「花より男子」「砂時計」「二十世紀少年」「イキガミ」・・・など,テレビだけでなく映画も
人気マンガを映像化した作品がますます増えているようだ。「デトロイト・メタル・シティ」が映画化
されたり「ハチワンダイバー」がテレビドラマ化されたりするのを見ると,宝島社が毎年末に出す
「このマンガがすごい」の影響力の大きさをまざまざと感じる。
話のついでに・・・正月明けから4月ごろまでは仕事が煮詰まっていて,息抜きは時々パソコンの
手を休めてマンガを読むくらいだった。その間に読んだマンガを順不同で並べると,こうなる。
★の数は,個人的な評価の高さを示す(★★★が最高)。赤は女性,青は男性の作家だ。
★★「漫画版ひとりずもう・下」(さくらももこ)
本屋で入手できなかったので,上巻は読んでいない。「ちびまる子ちゃん」の作者の
高校生時代を描いた実録マンガで,「りぼん」の常連投稿者だった十代の頃の作者の
等身大の生活と心理の動きが胸を打つ。ただ,この手のマンガを描かせたら,西原
理恵子の右に出る者はいないが。
★★「毎日かあさんC」(西原理恵子)
で,その西原(さいばら)理恵子である。(講読してはいないが)毎日新聞の連載マンガを
軸に加筆されているが,その加筆の部分が生々しい。作者の連れ合いだったカメラマン・
鴨志田穣氏が2007年春にガンで亡くなるまでの,家族の最後の日々が淡々と描かれる。
お涙頂戴的な作風ではない。しかし,シンプルな絵に添えられた作者の独特の言葉に
よる表現力がすばらしく,「日本一泣けるマンガ(家)」の異名もうなずける。今回★3つで
ないのは作者の他のあまりにも感動的な作品群とつい比較してしまうからであって,この
作品を単独で見れば,十分に「泣ける本」の1つだと思う。
★★★「蝉時雨のやむ頃」(吉田秋生)
2007年の「このマンガがすごい」のオンナ編・第2位という評価を見て,読んでみた。
びっくりした。マンガ読みが吉田秋生(あきみ)から連想する作風は,「BANANA FISH」
「吉祥天女」「YASHA」のような,一言で言えば「オンナ版・大友克洋」というイメージだと
思うが,この作品は昔の(「夢みる頃をすぎても」などを描いていた頃の)作者に戻って,
さらにそこからアクが抜けて丸っこくなった感じがする。万人受けするのもよくわかる。
2008年のオンナ版の第1位の最有力候補は,この連作シリーズだろう。
★「山へ行く」(萩尾望都)
巨匠の最新短編集。新聞の書評である大学教授がこの本を絶賛していたので買って
みたが,これは作者にすればむしろ駄作だろう。若い頃のような意欲や情熱はあまり
感じられなかった。食糧倉庫から缶詰を取り出して,軽く調理して食卓に出してきた,
というような印象だ。吉田秋生は年齢を重ねて熟成した感があるが,対照的に萩尾
望都はちょっとトシをとったなあ,と思う。
★★「ゆめの底」(岩岡ヒサエ)
かつて「ガロ」という一世を風靡した雑誌があり,「ガロ」的な作風のマンガ家は昔から
一定数いた。現在の代表格は,しりあがり寿だろうか。岩岡ヒサエも,その一人である。
本作は同人誌時代から描き続けてきた,作者の原点のような作品だ。
内容は一種のファンタジーで,「宮沢賢治の童話の世界によく似ている」と言えば,
読んだ人なら納得するだろう。ストレートな感動ではないが,じんわり心に沁みるような
スローコミックが好きな人には,この作家を一読することを勧めたい。
★★★「3月のライオン@」(羽海野チカ)
「ハチワンダイバー」が将棋のマンガだと思っている奴は,これを読め!しかし,まさか
この作者が「ヤングアニマル」という青年誌に連載を始めるとは・・・。でも面白いです。
下の娘に読ませたら「ハチクロより面白いかも」と言っていました。ハチクロというのは
「ハチミツとクローバー」です,言うまでもなく。この「3月のライオン」は,プロ棋士で
ある天涯孤独の高校生の少年の成長と,彼の身近にいる3姉妹との交流を描いた
青春もので,物語はまだ始まったばかり。確実にドラマ化または映画化されるだろう。
主人公のライバルは故・村山聖8段がモデルだが,山本おさむの「聖」のように(ごめん)
暑苦しくはない。しかしコイツも死ぬんだろうなあ。
★「もやしもんE」(石川雅之)
なんとなく惰性で買ってしまったが,そろそろ挫折しそう。菌が見える大学生の男の子が
主人公という設定だが,「美味しんぼ」のようにウンチクを語る展開になってしまうと
面白くない(先日ドラマが始まった「おせん」の最新巻もそんな感じ)。それと,作者は
絵が下手なわけじゃないんだから,もう少し女性の顔を描き分けてくれるといいんだが。
★「みーたん@」(友美イチロウ)
「コミックハイ!」に連載されていた頃には何となく時々立ち読みしていたが,世間で
話題になっているようなので買ってみた。「あとがき」に「こんなもんに800円も出して
いただいてありがとうございました。本当に申し訳ありません。ごめんなさい。」とある。
まあ,そんな感じ。内容は説明するのも恥ずかしいのでパス。
★★「謎の彼女X@」(植芝理一)
主人公の中学生の男の子が,「謎の彼女」が机にこぼしたよだれを舐める場面が
話題を読んだ作品。植芝作品は女の子の魅力で人気を博している面が強く,マンガと
しての面白さという面では特に優れているわけではない。しかし,本作のところどころに
出て来る,主人公の夢の世界を描いた見開きページには,誰もが圧倒されるだろう。
マンガ家をやめても,この人は一枚絵のイラストレーターとして十分やっていける。
むしろそっち専門になって,第二のヒロ・ヤマガタを目指す方が賢いんじゃないのか?
★「探偵綺譚」(石黒正数)
最近話題になっている作家なので,1冊買って読んでみた。短編集のせいもあるが,
非常にライトな作風だ。ヒマつぶしに読むにはいいかもしれない。でも,もう買わない。
1冊読めば十分だし,一度読んだら二度も三度も読もうとは思わない。
★★「碧水惑星年代記」(大石まさる)
このシリーズももう5作目になる。内容はファンタジーSFのようなもので,海面の水位が
上昇して水浸しになった未来の地球を舞台に,そこに生きる人々の日常生活や冒険が
時代をあちこち飛び越えながら短いエピソードを連ねて描かれる。シリーズを通しての
主人公のような人物はいない。トーンを使わず陰影も手で描いているのが特徴的で,
異世界のイメージには素晴らしいものがある。ただ,絵もストーリーも,欲を言えば
もう一皮むけてほしい。アニメ映画にすれば,いい作品ができそうだ。
★★★「打姫オバカミーコH」(片山まさゆき)
映画を見て泣くのは誰でも普通だと思うが,マンガを読んで泣く機会はそれほど多くない。
しかしわたくしは,この巻を読んで泣いてしまった。麻雀マンガですよ,これ?
片山まさゆきは麻雀マンガのカリスマで,他の作家と一線を画しているのは,対戦場面
以外の「人間ドラマ」の描き方が巧みなことにある。たとえばこの巻だ。麻雀は4人で
行うゲームだから,決勝戦は「主人公を含む4人で戦う」のが当たり前だ。ところがこの
巻では主人公は準決勝で敗退してしまい,それまで端役だった別の選手が決勝に残る。
そして,その展開でなければ絶対に不可能な感動を読者に呼び起こす。本当に作者の
ストーリーテリングの力量には頭が下がる。この手のマンガは古書店に並びにくいが,
興味のある人は見かけたら全巻通しで読んでみてほしい。ただし麻雀の知識は必要だ。
★★★「HUNTER×HUNTER(25)」(富樫義博)
あまりにも多くの人々が語っているので,ここでは一言だけ。
2008年末の「このマンガがすごい」のアンケートのオトコ部門で,この作品が1位を
獲得するのは確実だろう。それぐらい,現在連載されている少年マンガの中で本作は
別格の面白さを持っている。休載したならもっとマシな話を描けとか,マンガじゃなく
小説にした方がいいとか,いろんな批判はあるだろう。しかし批判が多いということは
それだけ注目を集めているわけで,読者は時間がかかってもいいから本作が完結する
ことを切望している。作者はこの連載が終了したら,鳥山明のように引退してもええよ。
以上,誰にもわからないマンガ講義,おしまい。
ついでに,新作本の宣伝を。今年に入って本は4冊出たが,書店の棚に並んでいるのは下の
3冊だ(詳しくはこちら)。
タイトルは,左から順に
@ウルトラ英語力テスト1000(PHP文庫)
A新TOEICテスト・英単語の底力(ユニコム)
B「知らないと恥をかく!ネイティブ英語の常識175」(ソフトバンク新書)
一般の英語学習者に一番とっつきやすいのは,@だと思う。前作と同様,1問1答式の問題が
易しい順に1,000題並んでいる。5問抜粋してみるので,興味のある方は解いてみてください。
No.2 「SF小説」の「SF」とは何の略?
No.301 Beijing がある国はどこ?
No.601 卵の「白身」はwhite。では「黄身」は?
No.801 「物流,兵站[後方支援]」を意味する,l で始まる語は?
No.1000 1961年の J.F.ケネディ大統領の就任演説中の有名なセリフで,
Ask not what your country can do for you, に続く言葉は?
<正解>
No.2 science fiction
No.301 中国(Beijing は「ペキン」)
No.601 yolk
No.801 logistics
No.1000 ask what you can do for your country.
(意味:国があなたのために何をしてくれるかではなく,あなたが国のために何ができるかを
問うてほしい)