今日は選挙に行ってきた。
いつものことだが,選挙の結果には関心はない。多数決に従うだけだ。(ただし速報を見るのは好きです)
自分以外の有権者も,それなりに物を考えてそれぞれの候補者に投票しているわけだから。
また,選挙のたびに投票率が低いことを嘆く人もいるが,棄権が悪いことだとは少しも思わない。
棄権は(自覚があろうとなかろうと)「誰が当選してもその結果には従う」という立派な意志表示なのだから。
ちなみに現在のわたくしはいわゆるノンポリで,選挙のたびに是々非々で投票先を決めている。
今回は「とりあえず自民党には投票するのをやめておこう」と思った。その理由は極めてemotional(情緒的)な
もので,偉そうに言うのもはばかられるが,こういうことだ。
今,日曜日の昼にNHKのBSで連続ドラマ「坂の上の雲」を放送している。毎週日曜日の晩は酒を飲んだ後で
この録画を見ているのだが,3人の主人公のうちの1人(阿部寛)が,弟(モックン)にこんなことを言う場面がある。
「身の回りは質素にしておけ。男子は一生に一事を成せばよいのだ」。−−−
くしくも似た苗字の安倍総理も,
たぶん同じようなことを考えているんじゃあないのかな,と思う。前にも書いたけど,安倍さんの場合はとにかく
「おじいちゃん(岸信介元総理)の果たしえなかった夢を自分が実現したい」という孝行息子的なイメージがあってね。
それはつまり,日本の安全保障体制の整備(端的に言えば改憲)ですね。だから総理としてのそれ以外の仕事は,
すべて最終目的を達成するための手段にすぎない。もちろんアベノミクスも含めて。
安倍さんの目論見は,まず経済政策で実績を上げて自民党が絶対多数を獲得し,憲法改正に有利な状況を
作り出すということじゃなかろうか。その場合の「実績」とは,わかりやすい数字でなければならない。
たとえば株価のアップとか。そのためにはどんな手段でも使う。おおざっぱに言えば,金をどんどん印刷して
市場に出せば景気はよくなる。当然それには副作用もあるが,そんなこたあ知ったこっちゃない。
だって,景気をよくすることは目的ではなくて,憲法改正という目的を果たすための手段にすぎないのだから。
一時的に自民党の支持率が上がりさえすれば,自分の目的は達成できる。経済なんかどうでもいい。
−
こういう筋書きを想像してしまって,その「陰謀」にまんまと乗せられるのがシャクだ,という思いが先に
立ってしまうわけだ。言うまでもありませんが,こんなもんただの妄想ですよ。ただ,「自分はまじめに考えて
選挙に行った」と思っている人だって,池上先生じゃないんだから,すべての問題を考慮したわけじゃないでしょ?
どこかで emotion
を発動しているわけで,今回の選挙についてはわたくしの場合,ちょっとその度合いが
大きかったですね。まあ,毎回こんなもんですが。
さて,ここで問題です。たとえば原発再稼動。賛否両論はあるでしょうが,長い目で見れば太陽光などの
代替エネルギーの比率を増やすのがベターであることは,たぶん世間の多くの人の意見が一致するところだ。
でも,自民党政権が続く限り,その方向には行かないんじゃあないかなあ…と思っているあなた。
そんなことはありません。日本の原発はそのうち全廃されるだろうという,かなり有力な論拠を私は
持っています。ここまでの話の流れをふまえて,その論拠をズバリ答えてください。
正解は「小泉進次郎総理がリーダーシップを発揮して,原発を全廃する法律を作る可能性が高い」です。
これ以上の説明が必要ですか?では,説明しましょう。ヒラリー・クリントンさんがアメリカ大統領になる日と,
マララ・ユフスザイさんがパキスタン大統領になる日との間に,おそらく小泉進次郎衆院議員が日本の
総理大臣になる日が来るでしょう。親父さんの小泉純一郎元総理も,「郵政民営化」というワンフレーズ・
ポリティクスで知られています。つまり,「坂の上の雲」で阿部寛扮する軍人・秋山好古が弟に言った
「男子は一生に一事を成せばよい」という教訓を地で行った政治家です。
その親父さんは今日,脱原発の論客として知られるようになりました。だとすれば,その息子である
進次郎くんが,安倍晋三現総理と同じことを考えないということが果たしてありましょうや。
彼がいずれ自民党総裁になることは既成事実と言ってよく,「晩年の親父の果たせなかった夢を
自分がかなえてやりたい」と思うのは,政治家というより人として当然でしょう(別に強制じゃないけどね)。
まして,脱原発というテーマは郵政民営化よりよほど一般庶民にもわかりやすく,進次郎くんが父親を
越える政治的ヒーローになるにはうってつけです。
だからね,脱原発主義者の皆さん。なーんも心配はいりません。皆さんの夢は,遠からず必ず実現します。
小泉さんの息子によって。ただし,そういうふうに政治や世の中が進んでいくことが,いいことなのか
悪いことなのかは私にはわかりませんが。