大三島・盛港からの釣果報告がなかなか届かないので,天気のいい週末があったら
自分で釣りに行こうかと思ったが,天気のいい週末というのは当然釣り人も多いわけで。
たとえばきのうの土曜日はいい天気だったが,潮の加減から考えて一番釣れそうな時間帯は
午後2時ごろと予想された。午前中を棒に振る覚悟で朝から場所取りするほどの元気はない。
結局,盛港へ行くのは,スーパーで殻付きカキを売らなくなる4月上旬以降にします。
それまでの間に誰かからチヌの便りが届くことを期待してます。
イスラム国の人質事件の結末は,意外だった。
彼らが組織的な活動を継続しながら世界に何らかのメッセージを送ろうと思えば,
合理的に考えてもっと効率的な方法はいくらでもあった。たとえば…
※以下,亡くなった方々を冒涜する意図はありません。一種の思考訓練と考えてください。
1人目の人質をデモンストレーションとして殺すのは,まあわかる。
しかし,わたくしがイスラム国のリーダーなら,こうする。
2人目の人質(後藤さん)は,身代金と引き換えに解放する。
身代金の額は安くてかまわない。たとえば1億円とか,1千万円とか。
その代わり,日本政府の代表者をイスラム国の本拠地へ来させる(身の安全を保障した上で)。
そして,現金と引き換えに後藤さんを解放する。その映像をビデオで撮影し,動画サイトにアップする。
こうすれば,「日本はテロリストに屈した」というメッセージを世界に向けて送ることができる。
しかも,今後同じように人質事件を起こせば,日本政府は同じように身代金を払わざるを得ない。
この方法を使えば,イスラム国は思想的にも現実(金銭)的にも完全勝利を得ることができた。
しかし,彼らはそうした行動を取らなかった。なぜか?以下に,考えられるいくつかの仮説を挙げる。
●宗教戦争説:「イスラム教
VS
他の宗教」という図式で,「イスラム教徒以外は皆殺しにする」
という彼らなりの教義に基づいた行動だった,と。しかし,その可能性は低い。イスラム教とキリスト教
の対立ならまだ理解できるが,日本人の大半が無宗教であることくらい,彼らも知っていただろう。
●集団愉快犯説:
彼らをいわゆる愉快犯の集まりとしてとらえる見方。彼らの目的は世間を
騒がせることであり,「殺した方が面白いじゃん」という軽いノリで殺した,というもの。しかし,この
可能性も高くないだろう。理由は後述。
●鶴の一声説:
組織内部には穏健派もいたのだが,リーダーが後先を考えずに衝動的に行動する
タイプの強硬派であったために,その決定に従わざるを得なかった,という説。これは,普通に考えると
ありそうな話だ。会社の社長にもこういうタイプの人はよくいる。
●内部対立説:
穏健派と過激派が内部で対立して,結局過激派の意見が通った,という筋書き。
これも,ありうる話だ。戦前の日本も,軍部の強硬派の声がだんだん強くなって歯止めがきかなくなった。
軍隊や軍事国家というのは,だいたいそうだろう。
●自暴自棄説:
口では強がっているが,イスラム国の将来は非常に危うい。テロリスト集団なら
世界中に散らばれば敵の攻撃から逃げられるが,地域の確定している国を攻めるのは難しくない。
アメリカが本気を出せば,いずれイラクのフセインと同じ道をたどるだろう。ならいっそ,死ぬ前に
できるだけ大きな花火をたくさん打ち上げてやろう,という意図。個人の判断ならこれもありそうだ。
繰り返すけれど,イスラム国がこれから先も国としての活動を続け,なおかつ世界に向けて存在感を
示したいのなら,人質を全員殺すという選択は愚かすぎる。たとえば,人質のうち1人でも半永久的に
自国のどこかに監禁しておけば,米軍だってうかつに空爆できないだろう。
そういう合理的思考を捨ててまであえて人質を殺したことに何らかの理由があるとすれば,それは
たぶん「彼ら全員がサイコパスだから」ということではないと思う。誰だって,自分の命は惜しい。
自分らが命がけで行動しているという自覚くらい,彼ら一人一人の中にはあるだろう。
その自覚があれば,「めんどくさいから殺しちゃえ」みたいないいかげんな理由で,貴重な人質を
殺すとは思えない。極限状態にある人間たちが頭を絞って考え出したのがあの結末なんだとしたら,
「どうせ死ぬんなら一人でも多く道連れにしてやる」という発想が根っこにあるような気もする。
話は変わって。ホワイトカラー・エグゼンプションという制度がマスコミのあちこちで取り上げられて
いる(exemption=免除)。年収1千万程度以上の専門職の人たちを対象にして,労働時間の規制を
免除する(労働時間の上限や残業手当をなくす)というものだ。この制度の導入に伴って過労死が
増えるとか,いずれ年収の制限が下がって多くの労働者に適用されるとかいう批判が多い。
しかし,この制度の導入がそれほど大きな社会的変化を生むとは,ぼくは思わない。
現在の労働基準法の下でも,ブラック企業は存在する。法律がどうこうの問題じゃない。
自分の社会経験から言って,多くの会社が社員をどう扱うかは,ひとえに経営者の考え方によって
決まると思う。労基法があったって,社員を使い捨ての道具としか考えない社長はたくさんいる。
逆にホワイトカラー・エグゼンプションという制度ができ,年収の上限が下げられたとしても,
自分の会社でせっかく育てた社員にはできるだけ会社に残ってもらいたいと考える社長さんは,
社員にそれなりの待遇を保証するだろう。だから自分の会社や社長を基本的に信頼している人は,
こんな制度ができたって何も心配することはない。逆にそうでない人は,転職する方がいいだろう。
それを思うと,「正社員をなくせばいい」という竹中平蔵さんの暴言(?)にも一理があるとも言える。
竹中さん自身の意図とは違うかもしれないが,とにかく今の日本人の労働環境は悪すぎる。
「正社員のコースから一度外れたら二度と戻れない」という現実は,労働者に圧倒的に不利だ。
それならいっそのこと全員を非正規社員にして,「転職するのが当たり前」という環境にした方が
フェアな競争ができると思う。非常勤だと年金がもらえない?ナンセンス。正社員なら厚生年金が
まともにもらえると思っている人(少なくとも若者)は時代遅れだ。医療費の自己負担は,かつては
会社員は1割,自営業は3割だった。しかし今は会社員でも3割負担だ。それと同じで,会社員の
厚生年金は将来は国民年金と同じくらいの額に引き下げられる可能性が高いと思う。要するに,
年金に頼らずに自分で貯金しとけ,ということだ。そのためには,転職してもつぶしのきくような
技術を身につけておく必要がある。これから先,外国人労働者はますます増えるだろう。
単純労働しかできない日本人は,失業者になるか,または低賃金で働くしか道がなくなる。
社会が悪いと不平を言っても状況は改善されない。社会の変化に適応していくしかない。若者は
中学生の頃から自分の将来を真剣に考えざるを得ないだろうが,それは悪いことではないと思うよ。
選挙年齢も18歳に引き下げられそうだしね。